発達障害のある子にはデジタルグッズをマスターさせよ!パソコン・スマホ・タブレットを活用した我が家の学習サポート術!

ライター:楽々かあさん
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今の子どもたちが大人になる頃には、読み・書き・計算・丸暗記よりも、AIと仲良くできる力のほうが、現実的には必要なのかもしれません。特にLD(学習障害)をはじめとする、発達障害のある子のサポートに、私はICT機器の積極活用を是非オススメします。早いうちからパソコン・スマホ・タブレットなどを、学習や生活面での苦手を補うツールとして、身体の延長のように使いこなし「ICTは友だち」になっておきましょう。今回は、うちの毎日の宿題から夏休みの課題、自己管理などの手軽なICT活用術を直伝します!

苦手を補うテクノロジーで、発達障害のある子は進化できる!?

こんにちは。「発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母のどんな子もぐんぐん伸びる120の子育て法」著者・楽々かあさんこと、大場美鈴です。

発達障害のある子の苦手なこと、実はキカイは得意です。

正確な計算や事務作業、情報の丸暗記、スケジュールや体調・お金の管理、うっかりミスの防止や確認チェック…


キカイにできることはキカイに任せて、クリエイティブな発想力や、職人的なこだわり・独自のセンス、興味のあることへの探求心や好奇心、経験則と直感力、ヒラメキ、行動力…などなど、凸凹さんの素敵な長所を活かしましょう。苦手な部分を補ってくれるテクノロジーやAIと共存できれば、私は発達障害のある子たちは次の時代をリードする「新しい人類」に進化できると思っています!

一方、以前ニュースになった、海外のスーパーでクビになったペッパー君の話題など、真面目すぎて言葉通りに受け取ってしまうロボットや、空気が読めずになかなか会話が噛み合わないスマホの音声AIには、どこかうちの子に似た親近感を覚えます(笑)。きっと仲良くなれるハズ。

発達障害の子どもにとって、ICT機器は「身体の一部」として、今のうちからガンガン使いこなせるようになっておきたいものの一つです。
英スーパーマーケットで働く「Pepper」くん、1週間でクビに|Discovery
https://www.discoverychannel.jp/0000006345/

うちの3兄妹の宿題サポートには、ICT機器が大活躍!

わが家の発達障害&グレーゾーンの3兄妹には、早い時期から、タブレット、パソコン、キッズケータイ・ジュニアスマホなどを積極活用しています。学習の補助や時間の管理など、勉強する時には常になくてはならないツールです。

とはいえ、IT機器の積極利用は、視力低下や過度な集中、有害サイトへのアクセス、SNSでのトラブルなどもご心配かと思います。うちでは親(または、スマホ販売店)によるフィルタリングでの時間・アクセス制限設定や、ブルーライト・カットのフィルム、PCメガネ…そして、子どもたちとのルールづくり(貼り紙)などで、まあまあ上手につき合っています。
子供にも安心! Windows 10 でインターネット安全対策 - Microsoft atLife
http://origin2.cms.ms.akadns.net/ja-jp/atlife/article/windows10-child/
お子様用の iPhone、iPad、iPod touch でペアレンタルコントロールを使う方法- Apple Support
https://support.apple.com/ja-jp/HT201304
有害サイトアクセス制限サービス |一般社団法人 電気通信事業者協会
https://www.tca.or.jp/mobile/filtering.html
では、今回は、標準機能や比較的シンプルなアプリでできることを中心に、宿題のサポートなどに役立つアイデア・活用術をご紹介しますね。夏休みの宿題にも即・使えますよ!

時間管理・集中力の維持には…

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出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=11044029081
ゲームや動画に夢中だったり、ダラダラゴロゴロしてばかりで、宿題にちっとも取りかからない。せっかく始めても寄り道ばかり…。勉強以前の、時間の管理や集中力の問題は悩みのタネですよね(うちもです!)。

まず、お子さんには「宿題いつからやる予定?」と意思や都合の確認を。「○時から宿題やる」と決められたら、パソコンやスマホ標準機能の「時計」のアラームや、リマインダーなどで、約束の時刻にお知らせが来るようにセット。

そこで、時間通りに(あるいは、ちょっとくらいオーバーしても)宿題に取り掛かり始めたら「自分で決めた時間を守れたね」「ゲーム、やめてこれたね」等、まずは、宿題を始めたこと自体をほめるといいでしょう。
iPhone、iPad、iPod touch でリマインダーを使う|Apple
https://support.apple.com/ja-jp/HT205890
Google カレンダーにリマインダーを追加する|Google
https://support.google.com/calendar/answer/6285327?hl=ja&co=GENIE.Platform%3DAndroid
次に、せっかく宿題を始めても脱線しちゃったり、イスに座ったままぼーっとしてしまい、集中力が続かない場合。

これも、スマホのタイマーアプリや、「時計」機能のストップウォッチなどを併用して「時間を見える化」します。「おやつの前に10分だけ、がんばろうか」「プリントのここまでなら、何分でできそう?」など、比較的短い時間で区切ったり、課題を小分けにして、その子が達成しやすく調節します。

特に好奇心が強く、何時間も続けて集中するのが難しい子は、10〜15分単位など短いスパンで次々課題を変えていくと、飽きずに取り組めることも。
勉強タイマー 受験生のための集中するための勉強専用タイマー(SOTOCHA)
https://apps.apple.com/jp/app/%E5%8B%89%E5%BC%B7%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%9E%E3%83%BC-%E5%8F%97%E9%A8%93%E7%94%9F%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE%E9%9B%86%E4%B8%AD%E3%81%99%E3%82%8B%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE%E5%8B%89%E5%BC%B7%E5%B0%82%E7%94%A8%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%9E%E3%83%BC/id925437228
 切り替えベタな子どもにピッタリ!お家で出来るタイマー活用術のタイトル画像

切り替えベタな子どもにピッタリ!お家で出来るタイマー活用術

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うちのノイズキャンセリング・ヘッドフォン(Sony)
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そして、漢字書き取りや計算ドリルなど、苦手かつ膨大で単調な作業的課題になかなか意欲がわかない場合(気持ちは分かります)。

好きなことをしながらだと、比較的前向きになれることもあります。次男はスマホの音楽プレイヤーなどで、好きなボカロの曲などを聴きながらだと作業がはかどるみたいです(昔の受験生はラジオを聴きながら頑張ったものですが…)。

音の情報が多いと気になっちゃうタイプは、ノイズキャンセリングつきのヘッドフォンやデジタル耳栓などもオススメ。
キングジム デジタル耳せん MM1000 ホワイト
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電子辞書で漢字が出てこないイライラを解消

書字に困難さのあった長男は、字を書く負担だけでなく書きたい文字が「思い出せない」ことでも、かなりイライラしていました。だから、国語の漢字だけでなく、どの科目の宿題でも時間がすごーくかかって「遊び時間が削られる!」と、ストレスに…。

長男は読めるのに書けないことが多く、「『都道フ県』の『フ』がない!」とか、いつも字が出てこないと「ナイ、ナイ」言ってましたっけ。紙の辞書引き学習も効果が高そうですが、長男の場合、引く言葉が多すぎて数分で戦意喪失です。

そこで大活躍なのが電子辞書。うちのオススメは「筆順辞典」と「例解学習国語辞典」。「筆順辞典」は字が大きくて見やすく、また書き順アニメーションが分かりやすく、長女も進んでなぞり書きの練習をしています。
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「例解学習国語辞典」【対岸】の項より。
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「例解学習国語辞典」は、辞書に好きな写真・画像を添えることができるスグレモノ。例えば「弟」の項に自分の弟の写真を添えたり、抽象的な言葉も「それって、こういうことだよね」と自分で理解したことを描いたラクガキをその場で写真で撮って記録できるので、実際の経験とつなげたり、イメージがあると覚えやすい子にはピッタリ。漢字や語彙の理解に役立ちます。

また、大人もよく使う技だと思いますが、あやふやな漢字や熟語をスマホなどの検索窓やメモ帳などで入力して、変換候補からさっと確認するのも手軽ですよね。

これで「字が出てこない」ストレスをかなり減らせるので、全体的な取り組みが良くなりますし、何度も参照・検索しているうちに覚えられる場合もあります。
「常用漢字筆順辞典」NOWPRO
https://www.nowpro.co.jp/menu/products/iphone/hitsujyun/pc.html
「例解学習国語辞典 第九版[+漢検過去問ドリル](小学館)」物書堂
https://www.monokakido.jp/japanese/reikoku/index.html

写真と動画で記録し、記憶をバックアップ

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「そろそろ観察しよう」と思い立った時には、既にこの状態に。
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基本機能の「写真」も、記録係として大活躍!短期の記憶の弱さを補ったり、過去の経験を参照する手がかりになります(うっかり屋の私も、ちょっとしたメモ替わりによく使っています)。

例えば、夏休みの宿題の定番「植物の観察記録」と「絵日記」!

もうね、面倒くさくて後回しにしてると、8月31日には時既に遅し!アサガオもミニヒマワリも、全身茶色に…。元気なうちに、写真だけでも撮っておきましょう(親も保険をかけて、自分のスマホでも撮っておきましょう)。

そして、日付順に変化を見比べたり、ズームで画面を超拡大して細かい部分をじっくり観察。動いているものや立体的な物を平面に描くのが苦手なお子さんでも、一旦写真にすれば少し描きやすくなると思いますよ。

「絵日記」も、うちの長男はせっかく家族でキャンプ旅行に行ったというのに、帰り道に寄ったカレー屋の絵を描いて「楽しかったです。」と一行殴り書き。…「一体、何しに行ったの!?」と言いたくなりますが、これも悪気はなくても最初の方のことはケロッと忘れちゃってるから。

だから、お出かけ先では、お子さん自身がスマホ等のカメラを使って、とにかく写真をいっぱい撮るべし!(リュックにこっそり宿題を詰めといたって、どうせやりませんしね…)

そして、いざ書く段階になったら、写真を参照しながら記憶を呼び起こしましょう。この時「このあと、こんなことがあったよね」「ここでは、何食べたんだっけ?」など、言葉でも思い出すお手伝いを。

そして、親子で会話をしながらメモを取るべし。アプリのメモ帳やマインドマップなどでもいいし、アナログの「ふせん」でもいいです。これを見渡してテーマを決めてメモを整理して並べ、「そして」「それから」「でも」などの接続詞でつなげれば(ふせんやカードに接続詞を書き出すのもテ)、文章のほうもなんとかそれらしいモノになります。

写真をきっかけに、音や味、ニオイなど、様々な情報が連想ゲームで出てくれば、文の表現も豊かになりますよ。

「読み書き」が苦手な子には、音声読み上げとワープロ活用を

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「読み」が苦手な子は、音声読み上げの活用スキルを是非身につけましょう。スマホもパソコンも標準機能でできます。設定さえすれば、大抵クリックひとつでOKです。
視覚のアクセシビリティ-VoiceOver(iPhone)|Apple(日本)
https://www.apple.com/jp/accessibility/iphone/vision/
テキスト読み上げの出力-Android Accessibility ヘルプ|Google
https://support.google.com/accessibility/android/answer/6006983?hl=ja
Windows 10 のアクセシビリティ機能|Microsoft
https://www.microsoft.com/ja-jp/enable/products/windows-default.aspx
「Google翻訳」は紙に書かれている文章を写真に撮り、選択してテキスト化・読み上げもでき、「日本語→日本語」の翻訳も可能です。宿題プリントや街の看板など、ちょっとした文を簡易的に読み上げてもらう…といった裏技も。
「Google 翻訳」Google
https://translate.google.com/intl/ja/about/index.html
読み上げ音声のついた電子書籍・動く絵本・朗読アプリも最近は沢山ありますし、Podcastで英会話や各種の講座や講義を聴くのも楽しいですよ。字を読むのが苦手でも、知識・教養の学びの幅が広がる時代になりましたね。
よくある質問:Podcastを楽しむには|Apple
https://www.apple.com/jp/itunes/podcasts/fanfaq.html
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長男の自由研究「パソコンの分解」より。困った時は実物カラーコピー作戦!
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「書き」が苦手な子には、早めにパソコンでWordなどのワープロソフトや、PowerPoint、Keynoteなどのプレゼンテーションソフトの使い方を教えてしまいましょう(パパもいいトコ見せるチャンス!)。自由研究などをきっかけにするのもいいですよ。

「紙とエンピツ」だと何時間もかかるので、最後は殴り書きになってしまう長男ですが、日頃からプログラミングとオンラインゲームで鍛えキーボード入力に慣れていて、タイピングスピードは驚異的。大人になれば直接紙に字を書く機会は減りますから、「字が書けない」はパソコンさえ使えれば全然大丈夫!

慣れるまでは、親がマンツーマンでWordの使い方を教えるのが大変ではありますが、やっといて損はありません。最近は小学校でも基本的な使い方は教えているので、今の子たちは吸収が早いかもしれませんね。

うちでは、高学年から自由研究のまとめにWordを使って文章(タイトル・解説・本人のコメントなど)をプリント出力し、大きめのスケッチブックに写真や色紙の吹き出しを切り貼り(最終的には親の気合でコラージュ!)したものを提出していました。

また、自由研究の写真素材がちょっと足りない時の荒技ですが、複合プリンターのコピー機能で、「実物大」で直接コピーしたり、カブトムシの写真を超・超・拡大コピーで乗り切ったことも。

キーボードによるタイピングが難しい場合などは、音声入力の機能やボイスレコーダーを利用しましょう。キカイに正確に認識してもらうには、正しい文法(主語・述語をはっきりと)や、聞き取りやすい発音を意識せざるを得ないので、コミュニケーション力UPにもなりますよ。
iPhone、iPad、iPod touch で音声入力を使う-Appleサポート|Apple
https://support.apple.com/ja-jp/HT208343
音声で入力する-ドキュメント エディタ ヘルプ|Google
https://support.google.com/docs/answer/4492226?hl=ja
Microsoft、Officeでの音声入力を可能にする「Dictate」[佐藤由紀子,ITmedia]
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1706/21/news091.html
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iPadなどのタブレットでの文章入力には外づけキーボードも便利です(うちではLogicoolのワイヤレスキーボードを使用)。
「Logicool ロジクール K480BK Bluetooth ワイヤレス キーボード マルチOS:Windows Mac iOS Android Chrome OS 対応」Amazon
https://www.amazon.co.jp/dp/B00N9M308A
ただし、ひらがなばかりでしたがギリギリ字が書けた長男は、作文・読書感想文などでワープロ打ちでの提出が認められない場合、ワープロ入力→プリントアウト→紙の原稿用紙に写し書き…というアナログ併用もしました。まあ「文章を考える」ことと「書く」ことを別々に行うので、同時にやるより多少負担感は減ります(と、ポジティブに考えざるを得ず…)。

それでも、自筆がとても困難なお子さんの場合には、学校と相談してみましょう。こういった小さな実績の積み重ねが、入試の際などの合理的配慮のための説得力ある材料・証拠にもなっていくと思いますよ。
ケガや障がい等、自筆での応募が難しい場合は、具体的な理由を明記していただければ代筆またはワープロソフト等による応募も受け付けます。

(読書感想文全国コンクール公式サイト-感想文Q&A「コピーやワープロでの提出が認められるのは?」の項より)
出典:http://www.dokusyokansoubun.jp/qa.html#3

2019年4月、ついに「デジタル教科書」導入が決定!

そして、LDのある子をはじめとする、学習上の困難さがあるお子さんに朗報!

ついに来年2019年4月から学校で「デジタル教科書」を導入できるようになりました。当面、端末の準備や環境整備、学校ごとの対応状況の差などの課題はあるとは思いますが、法的には「使ってOK」になったのですから、どんどん学校に相談していきましょう(デジタル教科書は、学校または自治体単位の導入が基本となるようですが、障害のあるお子さんは個人でも使用可能)。

障害のあるお子さんだけでなく、デジタル教科書の導入が進めば、荷物も軽くなるし「置き勉」もしやすく、先生もマルつけの負担が減るなど、みんなにメリットがあると思います。
小学校、中学校、高等学校等において、検定済教科書※の内容を電磁的に記録した「デジタル教科書」がある場合には、教育課程の一部において、教科書の使用義務に関わらず、通常の紙の教科書に代えて「デジタル教科書」を使用できることとする。 ※学習指導要領を踏まえた検定基準に基づく検定に合格した図書が教科書として使用される。

ただし、視覚障害、発達障害等の事由により通常の紙の教科書を使用して学習することが困難な児童生徒に対し、文字の拡大や音声読み上げ等により、その学習上の困難の程度を低減させる必要がある場合には、教育課程の全部において、通常の紙の教科書に代えて「デジタル教科書」を使用できることとする。

(文部科学省)
出典:http://www.mext.go.jp/b_menu/houan/kakutei/detail/__icsFiles/afieldfile/...
次ページ「未来の「同僚」と今から友達になろう!」

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