わが家は母娘ともアスペルガーでネット依存症。落ち込む私を救った、医師や娘の言葉とは…?

ライター:ヨーコ
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現在高1の娘は小2から不登校でアスペルガー。ネットやゲームへの依存、1日25時間周期で睡眠時間が回転していく概日リズム睡眠障害があります。ところがつい最近、私も「ネット依存症と睡眠障害だね」と主治医に言われてしまいました。でも、ネットやゲームにのめりこむ時間は私の心を救ってくれてもいるのです。

健全な生活を目指さないといけないのではというあせりを抱える私と、医師や娘の言葉のやりとりを綴ります。

「あなたは依存症です」医師の言葉に救われた

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発達障害に詳しい病院に転院して約1年半が経ちました。先生のアドバイスは発達障害の特性を踏まえており、ときには痛いほど的をついてきます。

ある日の診察で「深夜になってもネットを止められないんです。1日の終わりに、ホッとリラックスしながら、満足するまでSNSをやったり、いろんなサイトを見て回ったり、ネットゲームを楽しまないと気が済まなくて」と言うと、「それなら時間を決めて無理やりパソコンをシャットダウンさせるソフトがあるから、それで止めるようにしてください」とアドバイスされました。

探してみると、Windowsでは「Wise Auto Shutdown」という無料ソフトがあり、時間を決めると5分前からカウントダウンが始まって、時間がくると容赦なくシャットダウンされます。ただこのカウントダウン、キャンセルボタンで止めることができるのです。

次の診察で「先生、ソフトを入れてみましたが、キャンセルボタンを押してついついそのまま続けてしまうんです。ひどい日には朝までやっていることもあります」と正直に言うと、

「あなたは依存症ですよ」

と衝撃的な一言を言われてしまいました。「え、娘がネットやゲームの依存症なのは分かっているけど私もなの?」とショックでした。

容赦なく先生の言葉は続きます。

「まぁね、発達障害がある人に、併発していることが多いんですけどね」
「先生、なんだか気分が重くなってきました」
「重くさせるように言ったんです。『大丈夫、いつでも止められますよ』なんて言われたら止めないでしょ?アルコール依存症などと一緒ですよ」

あきらめきれない私はなお先生に食い下がりました。

「ネット小説を読むのも大好きなんですけど、じゃあ本で読めば依存症じゃないんですか?」
「それなしではいられないのなら、やはり依存症ですよ」

あー、ばっさりやられてしまいました。くやしい。でも、私はそういう病気だったんだと分かったら、ふっと楽になったのです。

それから生活習慣をどうすればいいのかという話になりました。

すでに睡眠障害状態だった私は「早寝早起きをしなさい」と言われることを恐れていました。だって、それができるくらいなら苦労しないというか自分にできるとは全く思わなかったからです。

「先生、私は朝10時ごろに起きるのが精いっぱいなんですけど」
「それなら深夜2時に寝て朝10時に起きればいいです。できもしないような目標を立てても仕方ないでしょ。それと睡眠薬は増やしませんよ。そういう問題じゃないですからね」

この言葉は、目からウロコでした。そうか、自分にできる範囲で目標を立てればいいんだ!と気づいたんです。そして、このやりとりのおかげでずいぶん気が楽になったのでした。

ネットとゲームに救われた経験も。娘の不登校と引きこもりで悩む私の逃げ場だった

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とはいえ、ネットやゲームへの依存は悪いことばかりではないと思える出来事が私にはありました。

娘が小2で不登校になり、親子2人きりで家に閉じこもるような生活になってから、私はものすごいストレスに押しつぶされそうになっていました。仕事は辞めざるを得なかったし、娘は暗い顔で泣いてばかり。正直、何もかも放り出して娘と一緒にどこかへ消えてしまいたいと思い詰めるほどだったのです。

そんなとき娘の主治医のすすめで携帯型ゲーム機を買い、最初は娘が夢中で遊んでいましたが、私も一緒にゲームを楽しむようになりました。

ゲームに夢中になっている間はつらい現実を忘れることができる。現実には何も達成感はないけれど、ゲームでは達成感を味わうことができる。「現実よりこの世界の方がいい」と本気で思ったほどです。

ゲームをしているときは、娘とも親子という立場を離れて対等にコミュニケーションを持てるようになり、お互い笑顔で楽しく過ごすことができました。娘も私に教えることができて自信を取り戻したようです。

だから、一番つらい時期にいる子どもも大人もネットやゲームに避難することは決して悪いことではないとも思っています。

自分が起きたときが朝――。「体が、今何時だか分からなくなっている」とぼやく私に放った、娘の一言

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主治医のアドバイスも守ることができず、相変わらずネットやゲームにのめりこんでいった私の生活は、どんどん夜型になりました。朝5時に眠り、11時頃目覚めて朝ごはん。深い睡眠が得られないので、そのあとまたウトウトと昼寝してしまい本格的に活動し始めるのは夕方という生活。

でも正直に言うとこの生活の方が快適なんです。聴覚過敏がある私にとって、家の中で娘が走り回る音や、外で子どもが遊んでいる声が聞こえてくると耐えられないのです…。でも夜中なら静かだし、何か作業するにしても集中することができます。働けないことに罪悪感を感じることも、この生活リズムなら少しは楽ということもあります。昼間は、やはりコンプレックスが刺激されてしまうからです。

診断される前からそういうところはあって、仕事や育児をしていれば無理やり適応できるのですが、そうでなければ起きる気がしなくて寝てばかりいました。そして夜はやっぱりネットや本などに夢中になっていましたね。起きる目的がないと起きようという気にならないのです。

それでも、時には通院も必要ですし、ヘルパーさんもやってきます。できるだけ朝早い時間には用事を入れないようにしているのですが、そういう時は目覚ましを使って無理やり起きます。すると、よけい体内時計が無茶苦茶になってしまうのです。

ある日、昼夜回転(※)生活7年目の娘に「体が、今何時だか分からなくなっている」と相談してみました。

すると娘はきっぱりと一言「自分が起きたときが朝だ」と言ったのです。

なるほど、その思い切りが娘の元気の秘訣なのかと妙に納得したのでした。そして、そう言い切るまでに娘の心の中でもいろいろ葛藤があったのだろうなと思いをはせたのでした。

※1日25時間周期で睡眠時間が回転していく概日リズム睡眠障害による
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