自閉症の長男が大好きだったひいおじいちゃんの葬儀。不安もあったけど一緒に出てよかったと思った訳

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4月の初め、長男が大好きだったひいおじいちゃんが亡くなりました。しかし、そのことを私が泣きながら告げても、長男はぽかんとしていました。自閉症の長男には人が亡くなるということが理解できていなかったのです。それでも双子の次男とともに長男を連れて葬儀に向かいました。心の中では、厳粛な空気の中、長男はおとなしくいられるだろうかとー不安が募っていました。

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双子を可愛がってくれた、ひいおじいちゃん

今年の桜は例年より早く咲き、本来ならまだ満開であろう時期に散っていきました。時を同じくして4月の初め、わが家の双子を可愛がってくれたひいおじいちゃんが亡くなりました。

双子とひいおじいちゃんの関わりは深く、以前、コラムにもその様子を書いていました。
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連絡を受けた時、私はしばらく呆然としていました。頭の中には長男の頭を撫でてくれていたひいおじいちゃんの姿が駆け巡ります。知らぬ間に涙があふれ、私の隣りでは次男が悲しそうな顔をして膝を抱えていました。

楽しそうにテレビを見ている長男に「ひいおじいちゃん、死んでしまったよ。もう二度と会えないんだよ」と告げました。けれど長男はぽかんとして私の顔を見つめ、またテレビへと視線を戻しました。長男は死というものがどういうものか分かっていなかったのです。
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不安もある中、子どもたちと葬儀へ参列することに

葬儀には、子どもたちも一緒に参列しようと思いました。2人を大切に思ってくれたひいおじいちゃんのもとへ、どうしても連れて行きたかったのです。

そうは言っても、本当に大丈夫だろうか、長男は騒いだりしないだろうかーー。乗り込んだ新幹線の中で不安が募ったことを覚えています。
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パニックになってもおかしくない中、意外だった長男の姿

初めて入る葬儀場、そして大勢の人。長男にとってはパニックを起こす要素だらけの状況です。
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通夜がしめやかに営まれている間、私は多動の長男が騒ぎ出したりしないかと気が気ではありませんでした。ところが予想に反して、長男は握り締めた手を膝の上に置いて、きちんと座っていました。ひいおじいちゃんの遺影を見ながら、感じるものがあったのでしょうか。長男はじっと写真へと視線を注いでいたのです。
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なぜひいおじいちゃんはこの場にいないんだろうという寂しさがあったのかもしれません。周囲に漂う重い空気を察したのかもしれません。どちらにせよあの瞬間、長男はひいおじいちゃんの不在を心の底から哀しんでいたのです。

長男にとって、ひいおじいちゃんはやはり特別な人だったんだと改めて感じました。

ふっと2年前、最後にひいおじいちゃんと会ったときのことが蘇りました。

長男を丸ごと可愛がってくれた

長男が言葉を話せなかった7歳ごろは、頻繁に癇癪を起こしていました。それは夏休みに私の実家に帰省した時も同じでした。些細なことで泣き出す長男に対し、ひいおじいちゃんは「シュウの頭の中には言葉があふれているよ」と優しく言い続けてくれました。

そして冬休みに再び帰省した時のことです。皆と楽しい時間を過ごし、いよいよ家に帰る日。「また会おうな」と言って頭を撫でてくれたひいおじいちゃんに向かって、長男は「バイバイ」と言って手を振ったのです。その瞬間、ひいおじいちゃんは驚いた顔をしてぼろぼろと涙をこぼしました。これが初めて長男がひいおじいちゃんに向かってしゃべった言葉だったのです。

言葉があふれているよーーそう励ましてくれたひいおじいちゃんは、誰よりも長男の力を信じてくれていました。でも本当は話さない長男のことを誰よりも心配していたのだと思います。人前で決して泣くことのなかったひいおじいちゃんが、長男のために流した涙。その優しさは長男の心に届いていたのでしょう。
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長男が葬儀の席で静かに見送ることができたのは、ありったけの愛情で包んでくれたひいおじいちゃんに必死で応えたからだと思います。愛された記憶は、長男の心の中に宝物のようにしまわれているのかもしれません。

葬儀に参列できたことで、改めてひいおじいちゃんの残してくれた優しさが心に沁みていきました。そしてそれは長男も同じだったんだということに気づかされて、悲しみが少しだけ癒されていくのを感じたのです。
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