発達障害の男の子、思春期はどんな時期?変化の内容や大人の関わり方のポイントを解説!
ライター:発達ナビ編集部
思春期は、子どもから大人への変化を遂げる時期。見た目の変化に加え、精神面では子どもらしさと大人らしさの両面性を持つようになります。変化が大きい時期には、特性による困りごとの表れ方にも変化があらわれます。一口に「思春期ならではの問題」といっても、その背景にはさまざまな要因があり、男女の性差がある場合もあります。今回の記事では、思春期を迎えた男子の保護者や支援者などが感じやすい問題、発達障害に関連した困りごと、その対処法を紹介していきます。
監修: 井上雅彦
鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
ABA(応用行動分析学)をベースにエビデンスに基づく臨床心理学を目指し活動。対象は主に自閉スペクトラム症や発達障害のある人たちとその家族で、支援のためのさまざまなプログラムを開発している。
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
男の子の思春期とは?
思春期とは、子どもから大人への変化期間で、男の子の場合は11~18歳頃を指します。この時期の変化は大きく分けて、「体、心、社会的役割」の3種類となります。第二次性徴、と称される体の変化から始まり、精神面にも、社会で担う役割にも変化が訪れ、考え方や行動を改めていく必要が出てくるのです。
発達障害のある子どもにとっては、この変化が怖く感じられることもあるでしょう。そして、混乱から困った行動につながってしまうこともあるかもしれません。
思春期の混乱によって出てきた困った行動には、その背景要因や個人差に加え、男女のちがいも含まれます。異性である母親にとっては、どのように関わったらいいか迷う場面も増えることもあるでしょう。体の成長への対応、勉強や交友関係、ゲームとの関わりなど、発達ナビで行った「みんなのアンケート」でもさまざまな声が挙げられました。
成長段階、性別、発達障害、環境など、さまざまな要素が絡むことで、問題が複雑に見えるかもしれません。ですが、この時期ならではの変化について学んでおくことで、状況の理解が進み、対処がしやすくなります。
そこで、次の章から、思春期を迎えた男の子に起こる変化の内容や対処法について説明していきます。
発達障害のある子どもにとっては、この変化が怖く感じられることもあるでしょう。そして、混乱から困った行動につながってしまうこともあるかもしれません。
思春期の混乱によって出てきた困った行動には、その背景要因や個人差に加え、男女のちがいも含まれます。異性である母親にとっては、どのように関わったらいいか迷う場面も増えることもあるでしょう。体の成長への対応、勉強や交友関係、ゲームとの関わりなど、発達ナビで行った「みんなのアンケート」でもさまざまな声が挙げられました。
成長段階、性別、発達障害、環境など、さまざまな要素が絡むことで、問題が複雑に見えるかもしれません。ですが、この時期ならではの変化について学んでおくことで、状況の理解が進み、対処がしやすくなります。
そこで、次の章から、思春期を迎えた男の子に起こる変化の内容や対処法について説明していきます。
思春期の男の子に起こる変化
思春期には、体、心、社会的役割に変化が訪れます。一般的な特徴を次に示します。
体の変化
思春期に起こる体の変化を、第二次性徴と呼びます。生まれてすぐわかる男女の性器にみられる特徴(精巣や陰茎、女性の子宮、卵巣)が第一次性徴であり、第二次性徴は、性器以外の身体の各部分にみられる男女の特徴のことを指します。
具体的な内容を、起こる順番と共に紹介します。
具体的な内容を、起こる順番と共に紹介します。
胸のふくらみや生理が始まる女性と比べ、男性の体の変化は目立ちにくいとされていますが、全体的にがっしりし、体毛が濃くなることが特徴です。
心の変化
心の変化として代表的なものは、自意識の芽生え、恋愛感情を覚えること、イライラや不安を覚えやすくなるという点です。
社会的な役割に変化が出てくることで「自分は一人の人間なんだ」という自意識が芽生えます。また、第二次性徴による体の変化に伴い「異性」「同性」という概念をより意識することで恋愛感情が生まれます。
このような変化を受け、子どもの心は複雑になっていきます。心が複雑になることで、自分の中では扱いきれないテーマや感情を抱えるようになることも増え、精神が不安定になったり、イライラを覚えたりするのです。
発達障害がある子どもの場合、このような変化に認知の特性が加わることで、極端な感情を持ったり、行動にうつしてしまうことがあるかもしれません。
自分の内外における変化の複雑性に耐え切れず、不安定になっている点が思春期の特徴です。
社会的な役割に変化が出てくることで「自分は一人の人間なんだ」という自意識が芽生えます。また、第二次性徴による体の変化に伴い「異性」「同性」という概念をより意識することで恋愛感情が生まれます。
このような変化を受け、子どもの心は複雑になっていきます。心が複雑になることで、自分の中では扱いきれないテーマや感情を抱えるようになることも増え、精神が不安定になったり、イライラを覚えたりするのです。
発達障害がある子どもの場合、このような変化に認知の特性が加わることで、極端な感情を持ったり、行動にうつしてしまうことがあるかもしれません。
自分の内外における変化の複雑性に耐え切れず、不安定になっている点が思春期の特徴です。
社会的な役割
ライフステージが上がるごとに、社会から与えられる役割はより複雑になります。
例えば、以前なら許されていたわがままも「もう大きいんだから我慢しなさい」と、とがめられたり、他人、特に異性である女性との距離感を調節する必要が出てきたりします。
このように、年齢、性別、自身の性格によって社会的な役割が複雑になっていくことを認識し、それに見合った行動を取ることが求められるのです。
例えば、以前なら許されていたわがままも「もう大きいんだから我慢しなさい」と、とがめられたり、他人、特に異性である女性との距離感を調節する必要が出てきたりします。
このように、年齢、性別、自身の性格によって社会的な役割が複雑になっていくことを認識し、それに見合った行動を取ることが求められるのです。
男の子の思春期、困りごとは?男女差や個人差はある?
思春期は、自立心の芽生えから自己主張が強くなり、大人の指示に対して反発することが目立ちはじめます。
思春期の男の子を育てる保護者からは「人間関係、家庭内での暴言・態度ゲーム・ネットへの依存」などにまつわる悩みが多くあげられています。
発達ナビの「みんなのアンケート」でも、男の子の思春期についてさまざまな悩みや不安が寄せられました。
思春期の男の子を育てる保護者からは「人間関係、家庭内での暴言・態度ゲーム・ネットへの依存」などにまつわる悩みが多くあげられています。
発達ナビの「みんなのアンケート」でも、男の子の思春期についてさまざまな悩みや不安が寄せられました。
第二次性徴による心と体の成熟のスピードなどはそれぞれ異なります。
心と体の成熟スピードのアンバランスさから困難を感じている場合もあります。体は大きく成長しているのに心は幼い場合や、体の成長に対して心がませている場合もあります。
男女差だけでなく、子どもに起きているトラブルの背景に何があるのかを、保護者や支援者はしっかりと見極め、無理をさせすぎないよう留意しながら年齢相応な行動ができるよう、対応していく必要があります。
次に、どのように対応すればよいのかについて紹介します。
心と体の成熟スピードのアンバランスさから困難を感じている場合もあります。体は大きく成長しているのに心は幼い場合や、体の成長に対して心がませている場合もあります。
男女差だけでなく、子どもに起きているトラブルの背景に何があるのかを、保護者や支援者はしっかりと見極め、無理をさせすぎないよう留意しながら年齢相応な行動ができるよう、対応していく必要があります。
次に、どのように対応すればよいのかについて紹介します。