子どもが病院を嫌がったときは「代理受診」を。病院とつながり続けるメリットとは?親のケアや将来の年金にも関わる!?

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わが子が不登校になったとき、病院へ連れて行くという人も多いと思います。うちの場合も、娘を幼児期から知る私の主治医から「すぐに児童精神科にかかるように」とアドバイスを受けて連れて行きました。

でも「登校できない」「子どもが病院を嫌がる」といった理由で病院から遠ざかってしまう人も多いのです。私も病院に行こうとしない娘に心折れそうになりましたが、1人で代理受診を続けてきました。

でもこの代理受診のおかげで、私自身がどれだけ救われたことか…。

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孤立しがちな子育ての伴走者としての医療

娘が小2で不登校になったとき、母子2人きりの家庭だったわが家は、周りに理解者も味方もなく、たった1人で混乱と不安の中に突き落とされたような気持ちでした。

のちに親の会でたくさんの仲間に出会いましたが、子どもが不登校でも発達障害でも、学校や相談機関との対応を引き受けることになるのはほとんどが母親。子どもからやるせない気持ちやときには暴力をぶつけられるのもやはり母親が一番多かったのです。

そんな母親たちは孤独で疲れ切っており、親の会で初めて話すときはポロポロと涙をこぼす人も多く、「自分自身が精神的に病んで精神科に通っている」という声もよく聞きました。

子どもが学校に行かなくなったとき、病院を受診する家庭が多いと思います。私の場合、自分自身が精神科にかかっていたので、同じ総合病院内の児童精神科医を紹介してもらえ、娘もすぐに医療につながることができました。

学校からは登校を迫られる中、娘の主治医は「今は無理に登校させるべきではない」という意見書を書いてくれたり、私たち親子が疲れ切ったときにはリフレッシュのために入院させてくれたりしました。

また、私の精神状態が悪化して「死にたい」と訴えたときには、児童相談所での一時保護や入院を提案してくれ、まさに最後のセーフティネットとして助けてくれたのです。

こういった難しい子育てに臨む親は追い詰められ、孤立しがちです。医療機関にはそういった親に寄り添い、共に歩む支援者としての一面もあるのだということに気づくことができた体験でした。

代理受診をチャンスに変える

わが家もそうですが、同じ境遇に置かれた人たちの悩みで多いのが「子どもが病院に行きたがらない」ということです。娘も3度の入院を終えるまでの最初の1年半くらいは素直に病院についてきていましたが、次第に「自分はどこも悪くない」「病院は嫌い」と言って行かなくなってしまったのです。

これは親にとってなかなか心折れることで、「本人が行かないのならしょうがない」と通院をやめてしまう人も。

でも私は、1人で代理受診を続けました。そしてそれは、思わぬいい結果を生み出してくれることになります。

親の悩みを受け止めてくれる場

多くの病院は代理受診を認めてくれます。特に精神科は本人が受診できないケースも多いですから。

私は娘の代わりに受けた診察で、「娘が『死にたい』って言ってるんですけど大丈夫でしょうか?」など、気になる言動について相談し続けていました。こんな状況、自分1人で娘と向き合い、受け止めるには重すぎますから。そんなとき、「大丈夫ですよ」と先生に言われるだけでホッとしたのを覚えています。

また、娘のためのセラピーにも、娘抜きで行っていました。そこではまるで自分がカウンセリングを受けているかのように、「もうつらい」「どうしたらいいのかわからない」といった気持ちを吐き出すことも多くありました。カウンセラーの先生はいつも静かに話を聞いてくれて、本当に救われた気持ちになりました。また、臨床心理士ならではの「娘さんは今こういう気持ちなのでは」といった解説も、心を楽にしてくれたものです。

親として抱えきれないさまざまな悩みを受け止めてくれた先生方には、感謝してもしきれません。

定期的な報告で育ちを見守ってもらおう

主治医が退職したのを機に、総合病院から発達障害を診ることができるクリニックに転院しましたが、そこでも代理受診は続きました。

月一度ペースで通い、その間の娘の様子を報告するといった診察でしたが、ふとした拍子に「娘さん、こんなところが成長していますね」「それができるのは視覚的処理が非常に優れているということですよ」といったように、母親の私が気づくことができないことを教えてもらえることがありました。

それは思った以上に私を勇気づけてくれました。学校に通っていないと他人が娘を評価してくれることはめったにありません。先生の何気ない言葉は「一緒に育ちを見守ってくれている」という心強さを私に与えてくれたのでした。

親子関係の悩みには専門家のアドバイスが有効

娘が思春期に入ってからは対応のしかたに悩むことも増えてきました。

そんなときも、継続的に様子を報告し続けている先生に「娘も他人相手だと割り切れるみたいなんですけど、私相手だとうまくいかないみたいなんですよね」と相談してみると、「親子だからこそ難しいんですよ。お互いに別々の時間を大切にするとか、親子の距離を置くようにしていったらどうでしょう」という提案が。

そういうところが、さすがなのです。専門家として距離を置いて見ているからこその目線です。

不登校の子の家族にはなかなか外からの風が入ってきません。だからこそ、風通しを良くしてくれる他者が大切なのだと思います。

障害年金受給なども見据えて

障害年金の問題も忘れずに

最初の主治医が退職したことをきっかけに、障害基礎年金申請のことも見据え、大人の精神科も併設した発達障害に強いクリニックに転院しました。障害基礎年金の申請には、専門のドクターに書類を書いてもらう必要があります。不登校期間が長く、発達障害もある娘には年金のことも考えておく必要があったのです。

先生には私の考えを伝えてあり、本人の気持ちや様子を見ながら再度の発達検査や精神障害者手帳の手続きなどを考えていこうということになっています。

将来、娘が福祉を必要としたときに、きちんとつながることができるようにするためにも、医療機関との関わりは重要なのです。
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子どもが「行こうかな」と思ったときに気負わず受診できる

私は代理受診をしていることを娘に話していました。そして「今日は先生とこんなことを話したよ」「先生が気が向いたらおいでって言っていたよ」と軽く声をかけ続けたのです。

すると、新しいクリニックに変わって1年くらいたったある日、メールで先生に相談したいことを送ってきて「これを先生に見せて」と頼んできたではありませんか。びっくりしましたが、何度かその方法で先生と伝言ゲームをした後、ついに娘がクリニックを受診したのです。

少し緊張していましたが、私の話を通して先生に親しみを持っていた娘はしっかりと先生の目を見て話していました。それからは3回に1回くらいのペースで娘も受診しています。まさかこんな日がくるなんて。

細くてもいい、長くつながり続けることの大切さ

しんどい子育てをしている家庭は孤立しがちです。だからこそ、社会とつながる支援の手はひとつでも多い方がいいといえます。

しんどいからこそ、ときには支援につながることに疲れてしまうかもしれません。そんなときは少し距離を置いてもいい。でも細く長くでいいから決して手を離さないでほしい。これは、代理受診でつながり続けてきたわが家が、今、切実に感じていることです。
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