「日記なんて書けない!」広汎性発達障害の娘と私の作文攻略法

ライター:SAKURA
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広汎性発達障害(ASD/自閉スペクトラム症)の娘は、文章を書くことが苦手。小学1年生の頃は、自分で文章が出てこない状態でした。しかし、ある方法で日記を書き続けた結果、少しずつ変わってきました。

日記、作文が苦手な発達障害のお子さんへのサポート方法について、専門家の解説と共にご覧ください。

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監修: 井上雅彦
鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
ABA(応用行動分析学)をベースにエビデンスに基づく臨床心理学を目指し活動。対象は主に自閉スペクトラム症や発達障害のある人たちとその家族で、支援のためのさまざまなプログラムを開発している。

日記、作文を書くのが苦手。どうサポートすればいい?

発達障害のお子さんを育てる保護者の方の中には、お子さんが日記や作文といった文章を書くことが苦手でどうサポートしたらいいかわからないと悩んでいる人もいるのではないでしょうか?
日記や作文が苦手な場合、その背景には、以下のような特性が影響している場合があります。
1、頭の中で考えをまとめることが難しい
2、「情報を整理しながら手を動かして書く」といった複数のことを同時に行うことに困難さがある
3、読むこと、書くことに困難さがある

このような場合、以下のようなサポートをするといいでしょう。

1、考えをまとめることが難しい場合
日記や作文を書いているうちに結論が分からなくなってしまうこともあると思います。そのような場合は結論部分を最初に書いてみる、というのも一つの方法だと思います。
例えば最初に「今日一番面白かったのは卓球をしたことでした。」と結論から書き、そのあとに「〇〇くんと△△くんと家のテーブルを使って卓球台を作りました。」など、書く順番を変えてみるという工夫をしてみるのも良いかもしれません。

2、複数のことを同時に行うことが難しい場合
このSAKURAさんのコラムのように最初は定型文を書き写すことから始めて、次にその文章をアレンジして書けるようにしていくなど、まず書くこと、考えることの抵抗を緩和しつつ、スモールステップで取り組むことが大切だと思います。

3、書くことが難しい場合
書くことが難しい場合、その工夫として文章を短くする、括弧埋め文章にする。例えば「誰」と「どこ」で、の部分などを空欄にしておき必要な部分のみ埋めるようにするなどが考えられます。そしてそれらをスモールステップで発展させていく方法があります。また代替できる手段を用いる方法として。タブレットやパソコンなどを利用する(キーボードで打つ)などがあります。
井上 雅彦先生(鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授)
井上 雅彦先生(鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授)
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以下からは、文章が書くのが苦手な広汎性発達障害(ASD/自閉スペクトラム症)のあーさんに対してSAKURAさんがどのようなサポートをしてきたか具体的なエピソードをお届けします。専門家のコメントと併せてご覧ください。

白紙の日記帳に呆然…!苦手な作文を何とかしたい!

広汎性発達障害(ASD/自閉スペクトラム症)の娘は、文章を書くのが大の苦手。宿題の日記や感想文、作文…どれも最後まで一人で書くことが難しい状態です。

小学生になって、この文章を書くという課題に度々つまずいてきました。少しでも書けるようになるため、私たちにできることはないかと考え…小学1年生の時、学校から帰宅後、学校の先生にあてた「先生あのね」という日記を書くことを始めました。
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「先生あのね」のルールは2つだけ!

娘が嫌がらないギリギリのところを考え、はじめに2つだけやり方を決めました。
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「。」が2つ付いたら終わりにするルールです。「好きなことを書いて」では、自力では書けない娘。何を書いたらいいかは、娘と話しながら、私が誘導するようにしました。
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2文目の「感想」の部分は娘に考えてもらい、娘が言った感想を、また私が紙に書きます。2つそろったらそれが見本になります。書いた見本を娘に見せ、最初はそれをただ写してもらうという簡単なものでした。

それでも、続ければ何かしら変わると信じて、続けていました。

続けていくうちに、口頭で文章を作れるように!

続けて数か月経つ頃…

1文目は出来事、2文目は感想のパターンに慣れ、私が紙に見本として文章を書く前に、内容を口頭で言うようになりました。試しに一人で書かせてみると、この2文のパターンなら、もう娘一人で書けるようになっていました。
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2年生になって、文字数も課題の難易度もアップ

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2年生になると、感想文や作文を書く機会も多くなり、日記の宿題でもらう用紙のマス目は細かくなりました。

2文なら書けるようになっていた娘ですが、長い文章を前に、一気に苦手意識を持ってしまいました。幼稚園の先生と続けていた文通のおかげもあって、言いたいことをどんどん書いていくことはできていましたが、文章の構成を考えながら書かなければならない作文は、娘にとって、難しかったようでした。

インタビュー形式で聞き取り!こうすれば難しくない!

そこで、長い文章にも慣れてもらうため、国語の授業で習った、文章の構成…「いつ」「だれと」「どこで」「何をした」「どう思った」の通りに、インタビュー形式で、私が聞いていくようにしました。
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まず娘に題材を決めてもらいます。「それはいつの話?」などと会話のような流れで質問に答えてもらい、それを私が紙に書きます。そしてそれを見て、娘が写していきます。私はまず『順番に書けば、長い文章も難しくない』と教えたかったのです。

苦手なことも、成長を信じてスモールステップで進もうね

それから数か月経った今、娘は見本がなくても、私がする質問に答えながら、少しずつ自分で書けるようになってきています。「て・に・を・は」の間違いはまだまだありますが、少しずつ減ってきています。
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集中力はなかなか続かないし、他の子より時間はかかりますが、娘はゆっくり確実に進んでくれています。数年後はもっと成長できていると信じて、引き続き娘のサポートをしていきたいと思います。
(執筆/SAKURA)

(監修:井上先生より)
苦手な作文を克服できてよかったですね。ご家族のチームプレーすごいです。お母さんが書いたものを写すところから始めることはスモールステップの最初の段階としてとても有効だったと思います。書き写すことに慣れてくれば作文の抵抗感も少なくなり、質問に答えながら書く、という次の段階にステップアップしやすくなるでしょう。
逆にお母さんにインタビューをしてお母さんの日記をお子さんが書いていくというのも楽しいかもしれないですね。
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