【ルポ】「これはシンドイ!」自閉スペクトラム症の人の「感じ方」を学びに、VR知覚体験ワークショップに行ってみた

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自閉スペクトラム症のある人の「感じ方」を、工学技術とのタッグで解析し、支援に役立てていく「CREST認知ミラーリング」プロジェクト。9月某日、このプロジェクトの一環で行われているワークショップに、LITALICO発達ナビで連載するイラストレーターのひらたともみが参加。ワークショップの様子をルポします!

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ひらたともみ
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自閉スペクトラム症(ASD)の人の感じ方を体感するワークショップへ

このワークショップは、自閉スペクトラム症(以下、ASD)の特徴の一つである視覚過敏症状を「ASD視覚体験シミュレータ」を通して疑似体験したり、第一線で研究する専門家の講義を聞けたりするというもの。
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ワークショップが行われたのは、東京大学先端科学技術研究センターです。会場では、ひとつのテーブルに5~6人がグループとなって着席。最初に、認知ミラーリングシステムを用いたシミュレータ開発を行う、情報通信研究機構の長井志江(ながいゆきえ)先生による講義がありました。

自閉スペクトラム症(ASD)ってなに?どんな特徴があるの?

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ASDのある人がどのような世界を見ているかを研究されてきた長井先生。視覚や聴覚など「感じ方」について分かりやすくお話してくださいました。

スクリーンにASD当事者の「見え方」を映しながら具体的に解説 「見え方」の違いは「瞳孔のサイズ」にあった!

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ASDがある方は、瞳孔サイズの調整能力が弱い傾向にあることが分かっているそう。収縮率が低く、収縮のスピードも遅く、また瞳孔サイズが大きい。明るいところに行っても、瞳孔が小さくなりづらいので、まぶしさが強く長く続きつらく感じる人が多いんだとか。

また、情報を統合する力にも特徴があり、人の顔をなかなか記憶できないというケースがあるとのこと。「顔」という複数のパーツが統合されたものを認識するより、目、鼻、口と、ひとつひとつのパーツに目が行ってしまい、パーツごとにバラバラにしか認識できないので、「顔」を認識しづらいし、表情の変化も分かりにくい。そのために、「人の気持ちを表情から読む」ことが難しいんですって!

文字も、ひとつの塊としてではなく、一本一本の線としてとらえてしまい、うまく読めなかったり書けなかったりすることがあるので、板書ひとつとっても、困難になるのだそう。

いざ体験!ASDのある人が見ている世界とは!?

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ヘッドマウントディスプレイ型ASD視覚体験シミュレータに映し出されるのは、3本の動画。まずは通常の視覚で見る周囲の様子が流れ、次に同じシチュエーションでのASDの見え方が映し出されます。

1本目のマンションの室内編では、屋内から一歩外に出たときの真っ白な世界を体験。2本目の駅のホーム編では、ホームを通過する電車がカラーからモノクロに変化する様子を体験。そして3本目の学食編は、想像を超えて、恐怖すら感じるほどでした…。
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同じグループの中学生は、「にぎやかな場所はつらいかもしれない。遊びに行く場所も、相手のことを考えて決めないといけないと思った」と、具体的に自分のやるべき行動レベルにまで落とし込んで考えられていました!

私は今まで、駅や街中で大声で叫んでいる子や、何もない場所でおびえて耳をふさいでいる子を見かけても、対応方法どころか、理解すらしていませんでした。視覚や聴覚に特性があると、天気のいい日、一歩外に出ると一面真っ白に見えたり、カラフルな色の食材はコントラストが強すぎて、とてもおいしそうに見えなかったり。屋外やにぎやかな場所では、人の顔に暗い影がかかってしまい、真っ白な歯だけがぼんやり見えたりする…。

シミュレータで体感した世界は、私には「恐怖」としか言いようがありませんでした。そして当事者がそんなふうに「感じている」なんて想像もしていませんでした。

グループワークで参加者のみなさんとお話しさせてもらったのですが、みんな「学校でこういう授業をしてほしい!」と言っていたことがとても印象的でした。
 
ワークショップでは、ASDがある人に多い「感じ方」を科学的に研究して分かったことを教えてくれます。そして、シミュレータで「疑似体験」ができます。だから、理解しやすい!こうした学び・体験の機会はとても大切だと痛感しました。

他の人を理解するためには「知ること」がまず第一歩だと思います。まして、「感じ方」に特性がある人の場合、ただ想像するだけでは難しい…。貴重な体験の機会に恵まれた私ですが、今後は自分が「体験」したことを、言い広めてゆくのが私の役目だと思っています!
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