帰省が鬼門!不登校の娘と私の「無理しない」お正月

ライター:ヨーコ
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お正月やお盆といえば普段なかなか会えない親戚が集まってごちそうを食べながら近況報告に花を咲かせる、そういうほのぼのとした団らんのイメージがあります。ですが、そういう場でありがちの「何年生になったの?」「いとこの○○ちゃんは○○大学に入ったよ」という会話がたまらなく苦痛な親子がいます。そう、不登校の親子はそういう場では答えに窮してしまうし、真実を告げれば親戚からの無責任なお説教が待っていたりするのです。
小2から不登校の娘と私が選んだ付き合い方は?

不登校の親子にとって帰省や親戚づきあいは鬼門

不登校当事者やその親からこの時期よく出る話題が「お正月どうするか」ということ。

私のまわりでも、不登校の子どもたちは「祖父母や親戚から学校のことを聞かれるのが嫌」「お説教をされるのが苦痛」と語っています。また心身のエネルギーが不足しているので長距離の移動に耐えられない、昼夜逆転している場合が多いので他の人のリズムに合わせるのがつらい、という事情もあります。

母親からすると、自分の親や義理の親から「お正月なのに孫の顔も見せに来ないの」と責められ、「行きたくない」という子どもと自分の親の板挟みになるつらい行事となりがちです。

シングルマザーであるわが家も例外ではありませんでした。

娘と私のお正月

お正月に私の実家に集まるのは母と私の兄弟、そして娘と私だけです。

小学2年生の2学期から娘が不登校になってからは、せっかく集まっても不登校に理解が全くない兄弟と理解できない母に責められてばかり。特に兄弟が厳しく冷たい口調で、一度にごはんを食べられない娘に「なんだそのごはんの食べ方は!行儀が悪い!」と声を荒げたり、「お前はまだ学校へも行けないのか」とチクチク言うようになってお正月気分どころではありません。娘は食欲も失ってトイレや別室にこもりきりになり、私も怒り狂って喧嘩別れするように娘を連れ帰ることが続くように。

それでも我慢して元旦は顔を出していたのですが、娘が中学2年生のとき、ついにはっきりと「お正月、実家に行きたくない」、「お腹の調子が悪い」と言いました。そして、その年のお正月は娘は一度も実家に行きませんでした。

私だけ義理を立てるために顔を出したのですが、母と兄弟に娘のことや私たちの生活についてさんざん非難され、帰ってから何日も寝込む羽目になったのでした…。

本当にお正月は帰省するもの?みんなでおせちを食べるもの?

娘が不登校を始めた当時は、私自身「正月くらい自分も実家でのんびりしたい」という気持ちが強く、「ママ、おうちに帰りたい」という娘を叱り飛ばしていました。今から思うと、食事も喉を通らず、落ち着ける場所もなく、どれだけつらかったでしょう。

母子で何度も苦い思いを重ね、娘が中学生になってからようやく「実家にこだわらず娘と二人でのんびり平和にお正月を過ごせたらいいんだ」と気づいてからは、自宅でおせちを用意して自分がのんびりできるような体制を整えるようになったのです。

特に凝ったことはせずに娘の大好きなローストビーフを奮発し、後は簡単なお惣菜を作り置くだけのお正月。生活リズムもバラバラなので改まって挨拶することもなく、各自のペースで好きなものを食べるだけだけど、娘はホッとした笑顔で私もなんだか幸せで「これでよかったんだ」と心から思いました。

「お正月は帰省してみんなでおせちを食べる」という常識に縛り付けられていたのは私だったのです。一番守らなければならなかったのは娘の心だったのに。
次ページ「現在高1の娘、お正月を語る」

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