自閉症の息子、「学校とも会社とも違う2年間」でどんな力を身につけられる?高等部卒業後の充実した毎日

ライター:立石美津子
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自閉症の息子は12年間の学校生活を終えて、2ヶ月が過ぎました。進路先は就労移行支援事業所です。

将来の自立に向け、支援をうけながらPCスキルの習得につとめ、昼休みには一人ランチも楽しんでいるようです。

社会へと足を踏み出した息子

『発達障害に生まれて』(松永正訓著/中央公論新社)のノンフィクションのモデルとなった立石美津子です。

知的障害のある自閉症の息子は、特別支援学校高等部を3月に卒業し、就労移行支援事業所に通っています。

学校のように、休み時間が50分ごとにあるわけでも、体育や音楽があるわけでもないので、正直「続くだろうか」と心配していたのですが、毎日、機嫌よく通っています。
特別支援学校では職場マナーなどきめ細かに指導してもらっていたので、それらが随分と役立っています。たとえば、次の「7つのことば」。下段には「言いながらお辞儀はしません」と注意書きがありますが、あいさつや依頼、お礼の言葉に加えて“言葉が先でお辞儀はあと=語先後礼(ごせんごれい)”のルールも、特別支援学校時代にしっかり身につけることができたもののひとつです。

特別支援学校卒業後の進路

さて、息子の通う特別支援学校の卒業生の進路は、下記のようにわかれています。

・生活介護…常に支援が必要な人に対して社会生活能力を向上するための場
・就労継続支援B型…一般就労が困難な人が働く作業所。工賃として支給される
・就労継続支援A型…事業所から雇用される。最低賃金が保証される
・就労移行支援…一般就労を目指す就労訓練の場。2年間限定で利用
・一般就労…法定雇用率による障害者枠で就労
・専門学校…専門学校に進学し、専門分野のスキルを身につける

息子の場合は、企業就労での採用は難しかったので、就労に向けてさまざまなスキルを身につけることができる、就労移行支援事業所が進路先になりました。

就労移行支援の支援内容は事業所ごとに特徴がある

一言に「就労移行支援事業所」と言っても、それぞれの事業所によって行っている支援内容はさまざまです。

ある事業所に見学にってみると、そこは就労継続支援B型事業所と就労移行支援事業所が併設されおり、10時~16時まで利用者は封入作業に取り組んでいました。B型事業所を利用する人も移行支援事業所を利用する人もまったく同じ作業をしていたので、「違いは何ですか?」と私が職員に質問すると…

「企業就労を目指す就労移行支援事業所に通う人たちは体力が必要です。ですからB型事業所を利用する方たちと同じ作業を”立って”やってもらっています」という答えでした。

息子の特性を鑑みても、この支援内容だと合わないのではないか?と考え、他の事業所の見学に行ってみることにしました。
次ページ「就労移行支援事業所を10ヶ所ほど見学」

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