支援にすぐ使えるワークやカード、吃音やチックのある子を知る本、自閉症の女の子と家族のほのぼのエッセイまで!保護者も支援者も読みたい5冊

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【2019年7月の新刊紹介】今月は、お子さまの苦手にスモールステップでアプローチできるワークやカード、具体的な支援方法を知りたい支援者向けの本など、お子さまの特性を理解して支援をしていくための書籍の情報をお届けします。また、LITALICO発達ナビの連載コラムでもおなじみ、たなかれもんさんの初の書籍が発売されました!自閉症サンちゃんの特性に家族で向き合う姿にクスッとしたり背中を押されたり。ぜひ手にとっていただき、日々お子さまと向き合うヒントを見つけていただけたらと思います。

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特性にあわせた配慮、クラスの中でどう実現する?『ちょっとふしぎ 吃音・チック・トゥレット症候群のおともだち』

吃音、チック、トゥレット症候群は、症状の現れ方が非常に多様なため、クラスの友だちから理解されづらかったり、支援者も本人の困り感に気づくことが難しかったりするという問題を抱えています。本書は症状の現れ方から周囲の関わり方まで具体的に解説した、支援者に読んでいただきたい一冊です。

第1章ではそれぞれの症状のある6人のお友達が登場し、症状の現れ方と症状が出る理由、そして「こうしたらうまくいきそう」という対応方法が解説されています。症状に悩む当事者への配慮が必要なのはもちろんですが、学校生活のような集団の場では周囲の人もストレスなく過ごせる環境を作っていく必要があります。

本書に書かれている対応方法の例はクラスの中で実現しやすいものが多く、また症状が出たとき本人やクラスの友達はどんな気持ちでいるのかも書かれているので、クラスのみんなが過ごしやすい合理的配慮の実践に役立てることができます。

また第2章ではそれぞれの障害についてさらに詳しい解説が書かれています。症状を抱える本人の悩みに寄り添いながら、本人の自己肯定感を低下させず持ってる力を引き出せるような働きかけをするには、支援者の視点と周囲の理解が必要不可欠です。障害特性を理解し、学習や活動参加の機会を損なわないような環境づくりを考えるために活用したい一冊です。
ちょっとふしぎ 吃音・チック・トゥレット症候群のおともだち (あの子の発達障害がわかる本 4)
藤野 博 (監修)
ミネルヴァ書房

発達ナビコラムライターたなかれもんさんの著書が発売!家族の愛が詰まった一冊『つま先立ちのサンちゃん』

発達ナビでも2019年4月からコラムを執筆してくださっているライターのたなかれもんさんの著書が発売されました!

5歳の自閉症スペクトラムの娘サンちゃんと、3歳のワッくんとの4人家族の毎日が漫画形式で描かれています。内容は大きく「おうちでのサンちゃん」と「おそとのサンちゃん」に分かれており、普段の様子に加えてサンちゃんが通う療育園の仕組みなどもわかりやすく紹介されています。

発達ナビのコラムではいつもほのぼのしたタッチでサンちゃんの可愛らしいエピソードを描いてくださっている、たなかれもんさん。著書の中では現在のサンちゃん様子以外にも、サンちゃんに自閉症スペクトラムがあるとわかった経緯や、サンちゃんの個性的な行動をなんとかして理解しようとしたり、成長を促したりしていく家族の様子も描かれています。

夫婦で子どもたちの様子をよく見て、その行動の意味を理解して関わろうとする様子からは、どんな大変な状況でも愛情を持って接していることが伝わってきます。ゆっくり確実に成長していくサンちゃんと、愛情たっぷり見守るご家族。読み進めるほど、たなかれもんさん一家のことをもっともっと知りたくなる一冊です。
つま先立ちのサンちゃん
たなか れもん (著), 平岩 幹男 (監修)
扶桑社

お子さまの力を伸ばすあそびがきっと見つかる!『今日何してあそぶ? 脳と感覚を育てるあそびのカード144』

2017 年に刊行された、うまく遊ぶのがむずかしい子どものための遊びの工夫を紹介した『発達が気になる子の脳と体 をそだてる感覚あそび』。その中で紹介された感覚遊びを日常の中で取り組みやすくするために、子どもたちの感覚と機能をのばす遊びを144例紹介したカードが発売されました。

遊び方の説明とイラスト、使うもの、遊びを通して身につけたい力を記したねらいが書かれているので、お子さまにあった遊びを選んで取り組むことができます。

カードの特徴は縁に描かれたマーク。遊ぶ人数や場所、安全面への注意や大人の付き添いが必要かどうかや、どの感覚を育てるのに役立つ遊びかがそれぞれマークで示されてるため、そのときご家庭でできるかどうかや、お子さまの苦手にアプローチできるかどうかがすぐにわかります。また、カード上のQRコードを読み取れば遊び方の例の動画を見ることもできるので、初めての遊びは不安...というお子さまには、事前に動画を見てもらってから取り組みましょう。

体をうまくコントロールしたり、指先をうまく使って作業したりするのが苦手なお子さまに、遊びを通して成長を促すことができるカード。得意な遊びも織り交ぜながら、苦手にも楽しく取り組めるよう、活用してみてはいかがでしょうか。
今日何してあそぶ? 脳と体をそだてる感覚あそびカード144: 11の感覚・機能を発達させる
鴨下賢一 (監修), 高橋知義 (著), 小玉武志 (著), 池田千紗 (著), いとうみき (イラスト)
合同出版

「できた!」を実感しながら時計を楽しく学習しよう!『1日1歩 スモールステップ時計ワークシート』

筑波大学附属大塚特別支援学校 支援部教諭の佐藤義竹先生が作成した教材をもとに、時計の読み方を学べるワークブックが刊行されました。

時計を読めることは、スケジュールに沿って行動するためにとても役立ちます。本書は「手立て」と「問題」で構成されており、まず「手立て」のページで短針と長針が表す概念の説明やそれぞれの読み方から入り、スモールステップで時計についての理解を進めていくことができます。

「問題」のページでは、難易度や視覚的な補助の量が調整された問題が複数用意されています。教える人向けにそれぞれの問題のねらいの説明もついているので、理解度に合わせた問題をお子さまに提示することができますね。

また苦手意識を持っているお子さまも無理なく取り組めるような配慮として、1ページあたり問題は4問ずつと少ない分量での構成となっています。各ページには問題ができたらシールを貼る欄が用意されており、「がんばりシール」も付属されています。シールは「もうすこし・できた・ばっちり!」の3種類。お子さまが達成度を自分で振り返り、つまずいた箇所を先生や保護者と確認しながら、「ばっちり!」になるまで学習を進められるワークブックです。
1日1歩 スモールステップ時計ワークシート
佐藤義竹 (著), たきれい (イラスト)
合同出版

特性を理解して、早期の支援を――支援者が読みたい一冊『発達性協調運動障害(DCD): 不器用さのある子どもの理解と支援』

発達性協調運動障害(DCD)とは、発達障害の中でも身体の動きに特化した発達障害のことを指しますが、その特性について学べる書籍は少ないのが現状でした。本書は、1999年に刊行された『子どもたちの不器用さ―その影響と発達援助』の継承版として、DCDについてもっと深く具体的に知りたいというニーズに対応して刊行されたものです。

DCDへの支援としては、早期に発見して適切な支援方法を見出していくことと、現状本人が苦手とする部分とそれにより生じている困難を正確に把握していくことが必要だと本書では強調されています。DCD当事者の日常生活に置ける困りごとも紹介されているので、教育や支援に関わる人も保護者も、実例から当事者の困り感がどのような場面で生じるのかを具体的に知ることができます。

またDCDの特性は、ASD、ADHDのなどと併存する場合も多くあります。このように複数の特性がある当事者への支援のポイントについても、事例を交えながら解説されています。

幼少期・学齢期から日常生活や学校での活動で困難を抱えることのあるDCDですが、思春期以降はDCDの特性をもつ自分自身をどう捉えていくかという課題や、他の発達障害と併存している場合は生活の自立や就労などにも課題をもたらす場合があります。早期に合理的な配慮やスモールステップでの支援を受けることで本人の力を伸ばしたり生活しやすさを向上させたりすることの重要性から、思春期以降の適切な理解や支援まで、DCDのある人が成長していく中でどのような支援を受ける必要があるかを本書では知ることができます。

今後もより具体的な支援方法についての研究が求められていくDCDですが、まずはその特性や支援の重要性を支援者が知ることが重要です。運動面が気になるお子さまを支援している支援者が読んでおきたい内容が詰まった一冊です。
発達性協調運動障害(DCD): 不器用さのある子どもの理解と支援
辻井正次 (監修), 宮原資英 (監修), 澤江幸則 (著, 編集), 増田貴人 (著, 編集), 七木田敦 (著, 編集)
金子書房
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