障害がある子の水泳指導や感覚統合、学習支援に役立つ本から育児コミックまで!8月の新刊は幅広いラインナップでご紹介

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今月は、水泳指導、感覚統合、学校の中でのADHDやLDの特性に配慮したサポートなど、発達が気になる子どもへの支援の際に役立つ手立てが詰まった本を中心に、8冊の本をご紹介します。また、子育てのお悩みに精神科医が答える一冊や、漫画『ムーちゃんと手をつないで』の第2巻、障害の有無に関わらず身近な人との関わりの中で生きるコミュニティの事例を紹介した書籍など、発達が気になる子どもの育児に悩む保護者が読みたい書籍の情報も。ぜひチェックしてみてください。

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環境の変化、できないことに戸惑う日々...手探りで取り組む子育ての苦悩『ムーちゃんと手をつないで』2巻

2019年2月に1巻が発売されたみなと鈴さんの『ムーちゃんと手をつないで』の2巻が発売されました。わが子ムーちゃんに自閉症があることが分かり、受け入れきれずに苦悩する家族の様子が赤裸々に描かれた1巻。2巻は、ムーちゃん家族が引越しをして新しい療育園に通い始めるところから始まります。

環境の変化、他の子どもとの違い、弄便...悩みの尽きない日々は決して明るく前向きなものではありません。それでもムーちゃんのためにできることに必死で取り組んでいく姿には、共感できる方も多いのではないでしょうか。

そんなムーちゃんと母には、通っている療育園でいつも厳しく接してくる先生が。先生との今後の関係性も気になるポイントです。
ムーちゃんと手をつないで(2)
みなと鈴
秋田書店

子どもの不可解な行動、本人に聞いてみたら...『発達障害 僕にはイラつく理由(ワケ)がある!』

LITALICO発達ナビの連載でも人気の漫画家、かなしろにゃんこ。さんの新刊が発売されました!

ADHDと軽い自閉症スペクトラム障害がある息子リュウ太くんの、「キレやすい」「おしゃべりが止まらない」「謝らない」「物をなくす」といった行動に悩まされていたかなしろにゃんこ。さん。子どもの行動に困ったとき、どうしてこんな行動をするんだろう?とその理由が知りたくなりますよね。本書では、大人になったリュウ太くん本人に聞いた行動のワケと、公認心理師でもある前川あさ美先生(東京女子大学教授)による解説から、「行動の理由や背景」を解き明かしていきます。

漫画で綴られるリュウ太くんとかなしろにゃんこ。さんの子ども時代の具体的なエピソードの数々には、共感できる方も多いのではないでしょうか。そこに前川先生の保護者に寄り添った目線での解説が加わることで、楽しく読み進めながらも、子どもの行動や気持ちに向き合って育てていくヒントを得ることができそうです。
発達障害 僕にはイラつく理由がある! (こころライブラリー)
かなしろにゃんこ。 (著), 前川 あさ美 (解説, 監修)
講談社

子育ての悩み、100の質問に小児精神・神経科医が答える『発達・子育て相談のコツ』

子育ての悩みというのは、一つ成長するとまた新しい心配事が生まれ…悩みが尽きないという方も多いのではないでしょうか。本書には子育て相談でよく聞かれる100の質問とその回答が掲載されています。回答している筆者は小児精神・神経科医。悩みの種類は発達障害がある子どもに限ったものではありませんが、回答は発達・心理面の視点を織り交ぜた内容なので、発達が気になる子どもの子育ての中でも参考になるポイントが多くありそうです。

質問は、「Ⅰ乳児期・幼児前期」「Ⅱ幼児後期」「Ⅲ学齢期」「Ⅳ思春期・青年期」と、おおよその年齢順に並べられています。「七ヶ月の息子が目を合わせてくれない」「4歳の娘が幼稚園でよく喧嘩をする」「小学6年、忘れ物が多い」「高校生の息子がスマホゲーム依存症?」など、目次から気になる質問を探して目を通すことができます。

お子さんによって、また環境によってもお悩みに対しての解決方法はさまざまあり、答えは一つではありません。本書では考え方や視点を複数提示する形で筆者が答えているため、子どもの特性や環境に合ったお悩み解決方法を見つけていくのに役立ちそうな一冊です。
発達・子育て相談のコツ―小児精神・神経科医の100問・100答
広瀬 宏之
岩崎学術出版社

誰もが自然体で集える場所、そこに関わる人の想いとは『庭に小さなカフェを作ったら、みんなの居場所になった。』

富山県砺波市にある「みやの森カフェ」そこには老若男女問わず地域のさまざまな人々が日々集いますが、あくまで支援の場ではなく、働く人とお客さんで成り立つ"カフェ"という場所です。心地よい距離感で人が集うカフェがどのようにつくられ、関わる人々がどのような思いでいるのか。オーナーの加藤愛理子さん、水野カオルさんをはじめ、働くスタッフ、お客さんなどカフェに集うさまざまな人たちへのインタビューを通して知ることができます。

生きてきた環境や障害の有無なども関係なく、集う人それぞれを受け入れて当たり前のように接することができる場が、カフェで食事をとる中での繋がりを通して形成されていく。そこでのコミュニケーションは程よい距離感で、捉え方や関わり方もとても自然体であることが、本書を通して伝わってきます。誰もが地域の中で支えあいながら生きていくことや、肩の力を抜いたコミュニケーションの取り方のヒントを見つけることができそうです。
庭に小さなカフェをつくったら、みんなの居場所になった。~つなげる×つながる ごちゃまぜカフェ
南雲明彦 (著), みやの森カフェ (著)
ぶどう社

苦手意識を持ちやすい水泳、視覚支援を使いながら親子で練習できる!『発達が気になる子への水泳の教え方』

学校の授業や夏休みのお出かけでプールに入る機会も多い時期。水泳はさまざまな感覚を刺激し、また全身をさまざまに動かす必要があるため、発達障害のあるお子さんにとって苦手意識を持ちやすいスポーツかもしれません。本書では、Part1は水慣れの練習、Part2は水の世界を感じる練習、Part3は泳ぎにつなげる練習と、それぞれのお子さんの状況や達成度に合わせた練習方法が紹介されています。

プールに入ること自体が苦手・怖い場合にはまず恐怖心を少しずつ減らしたり水の感覚に慣れたりするための練習、泳ぎがうまくできない場合にはそれぞれの泳法の練習が、写真やサポートのポイント付きで紹介されており、お子さんの苦手にあわせてサポートすることができます。水泳に取り組む際、発達障害のあるお子さんにはどんな指示が伝わりやすく、どんなポイントを意識して指導をすると楽しく練習ができるのかなど、指導者が心がけたい内容もまとめて解説されています。

また巻末には、どうしても口頭での指示が多くなりやすいプールの場面で視覚補助として使えるコミュニケーションカード付き。切り取ってラミネート加工などを施してプールサイドに持っていけば、集団指示が苦手なお子さんに次の行動を伝えるのに役立ち、安全の確保にも繋がりますね。
発達が気になる子への水泳の教え方: スモールステップでみるみる泳げる!
植田 敏郎 (監修), 酒井 泰葉 (著)
合同出版

学校での場面をもとに、子どもの気になる行動を考えよう『発達と障害を考える本』シリーズ

ふしぎだね!? 新版 LD(学習障害)のおともだち(発達と障害を考える本3)

ふしぎだね!? 新版 ADHD(注意欠陥多動性障害)のおともだち(発達と障害を考える本4)

学校の場面に合わせて、特性のある子どもの気になる行動と、その理由や支援の手立てを解説するシリーズ「発達と障害を考える本」からADHDとLDについてまとめた新刊がそれぞれ発売されました。

「いつも忘れ物をしてしまう」「授業中にどうしても立ち歩いてしまう」「約束を忘れてしまう」「一方的におしゃべりをしてしまう」...そんなADHDの特性による困りごとがある5人の小学生のストーリーが、ADHDに詳しい先生の解説を交えて記されている『ふしぎだね!?新版ADHDのおともだち』

『ふしぎだね!?新版LDのおともだち』では、「教科書が読めない」「文字がうまく書けない」「発表や会話がうまくできない」「算数だけが苦手」など学習の中でのつまずきについて、個別サポートを取り入れながら授業の中でも自信を持って取り組めるようにサポートしていく方法が解説されています。

それぞれの障害特性についても詳しく解説されているので、特性を理解した上で子どもの苦手に対する支援を実践していくために役立てられそうです。
ふしぎだね!? 新版 ADHD(注意欠陥多動性障害)のおともだち (発達と障害を考える本 4)
内山登紀夫 (監修), 高山恵子 (編集)
ミネルヴァ書房
ふしぎだね!? 新版 LD(学習障害)のおともだち (発達と障害を考える本 3)
内山登紀夫 (監修), 神奈川LD協会 (編集)
ミネルヴァ書房

気になる行動に、感覚統合の視点を取り入れた支援を実践!『子ども理解からはじめる感覚統合遊び 保育者と作業療法士のコラボレーション』

保育者と作業療法士から構成される「NARA感覚統合研究会」が保育の現場などで見られる子どもの気になる行動に対して焦点を当てて構成した、感覚統合の実践のための本が発売されました。Part1では感覚統合についての説明、Part2では「保育活動 トラブル別感覚統合遊び」と、感覚統合について知り、現場で取り入れていくための実践的な内容がまとめられています。

特にPart2では、お子さんの苦手について「姿勢を保てない ぐにゃぐにゃタイプ」「手先が不器用なブキッチョタイプ」など10のタイプに分け、苦手の理由と支援の方向性、支援に役立つ遊びや道具の工夫が紹介されています。クラスにいる行動の気になる子に近いタイプを見つけ、日頃の保育や関わりの中に支援方法を取り入れてみてはいかがでしょうか。

各ページに写真やイラストが多く使われており、感覚統合の視点を保育や支援の現場で取り入れたいけれど、子どもの苦手にあわせて楽しく取り組める方法が分からないという支援者はもちろん、保護者が読んでも分かりやすい一冊です。
子ども理解からはじめる感覚統合遊び 保育者と作業療法士のコラボレーション
高畑 脩平 (著), 萩原 広道 (著), 田中 佳子 (著), 大久保 めぐみ (著), 加藤 寿宏 (監修)
クリエイツかもがわ
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