ビバンセの用法・用量
ビバンセはカプセルの薬で、20mg、30mgの2種類が用意されています。通常は、30mgから服用を始め、70mgを上限として必要に応じて増量していきます。増量の必要があるかどうかは診察のうえで医師が判断するため、自分で増量して服用することはやめましょう。
ビバンセには併用が禁止されている薬があることから、医師の診察では服用している薬を忘れずに報告してください。
ビバンセには併用が禁止されている薬があることから、医師の診察では服用している薬を忘れずに報告してください。
併用禁止薬
●モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤
セレギリン塩酸塩(エフピー)
ラサギリンメシル酸塩(アジレクト)
※モノアミンとは、ドーパミンやノルアドレナリンをはじめとする神経伝達物質の総称のことです。ビバンセは、ドーパミンやノルアドレナリンの作用に深く関係していることから、併用すると神経の外に神経伝達物質が増えてしまい、命に関わるほどの高血圧をもたらす可能性があります。
セレギリン塩酸塩(エフピー)
ラサギリンメシル酸塩(アジレクト)
※モノアミンとは、ドーパミンやノルアドレナリンをはじめとする神経伝達物質の総称のことです。ビバンセは、ドーパミンやノルアドレナリンの作用に深く関係していることから、併用すると神経の外に神経伝達物質が増えてしまい、命に関わるほどの高血圧をもたらす可能性があります。
併用には注意すべき薬
他にもビバンセを服用するにあたっては、併用に注意しなければならない薬があります。自己判断せず、必ず医師に相談しましょう。
●尿のpHをアルカリ化する薬剤
炭酸水素ナトリウム等
※ビバンセの有効成分d-アンフェタミンは腎臓から排出されるため、腎臓で排出される分が少なくなってしまい、作用が強くなりすぎてしまう恐れがあります。
●尿のpHを酸性化する薬剤
アスコルビン酸等
※尿のpHをアルカリ化する薬剤とは反対に、有効成分を過剰に腎臓から排出してしまうため、作用が弱くなりすぎてしまうことがあります。
●セロトニン作用薬
選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)
セロトニン・ノアルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)
三環系抗うつ薬等
※ビバンセを併用することで、セロトニン作用薬の効果が強まり、セロトニン症候群を発症することがあります。
●メチルフェニデート塩酸塩
コンサータ
リタリン
※ビバンセと同じ仕組みではたらく薬剤のため、作用が増強する恐れがあります。
●尿のpHをアルカリ化する薬剤
炭酸水素ナトリウム等
※ビバンセの有効成分d-アンフェタミンは腎臓から排出されるため、腎臓で排出される分が少なくなってしまい、作用が強くなりすぎてしまう恐れがあります。
●尿のpHを酸性化する薬剤
アスコルビン酸等
※尿のpHをアルカリ化する薬剤とは反対に、有効成分を過剰に腎臓から排出してしまうため、作用が弱くなりすぎてしまうことがあります。
●セロトニン作用薬
選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)
セロトニン・ノアルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)
三環系抗うつ薬等
※ビバンセを併用することで、セロトニン作用薬の効果が強まり、セロトニン症候群を発症することがあります。
●メチルフェニデート塩酸塩
コンサータ
リタリン
※ビバンセと同じ仕組みではたらく薬剤のため、作用が増強する恐れがあります。
ビバンセの有効性
ビバンセが、ADHD(注意欠如多動症)に対して有効であることは国内、海外においても確立しています。また、海外のデータからは、ビバンセの効果は他のADHD(注意欠如多動症)の治療薬よりも強力であることが報告されています。
国内の6歳~18歳の小児162人を対象として、53週間にわたってビバンセを服用したグループと見た目の違わないカプセル(プラセボ)を服用したグループとを比較し、薬の効果と安全性を調べる試験が行われました。
その結果、服用後1週間からビバンセのグループではプラセボを服用したグループに比べてADHD(注意欠如多動症)の症状が有意に改善したことが認められました。さらに53週後まで効果が減弱しないことも報告されています。
国内の6歳~18歳の小児162人を対象として、53週間にわたってビバンセを服用したグループと見た目の違わないカプセル(プラセボ)を服用したグループとを比較し、薬の効果と安全性を調べる試験が行われました。
その結果、服用後1週間からビバンセのグループではプラセボを服用したグループに比べてADHD(注意欠如多動症)の症状が有意に改善したことが認められました。さらに53週後まで効果が減弱しないことも報告されています。
ビバンセの期待される位置づけ
ADHD(注意欠如多動症)の治療薬は、大きく分けて中枢刺激薬と非中枢刺激薬のふたつに分けられます。
アメリカのADHD(注意欠如多動症)の治療のガイドラインでは、コンサータやビバンセをはじめとした中枢神経刺激薬が第一選択で、非中枢刺激薬よりも優先されます。しかし、国内のガイドラインでは、中枢刺激薬と非中枢刺激薬を同列に第一選択としています。
そもそも薬剤は、治療効果の強さだけでなく、症状の強さはどれほどか、どういった時間に困難がみられるか、早急に症状を改善しないといけないのか、過去にADHD(注意欠如多動症)の治療薬を服用した際の副作用はどうか、治療費用の負担はどうなのか、身体的な状況から見て服薬に伴うリスクはどう見積もられるか、他の精神疾患を合併しているか、可能な通院頻度はどの程度か、患者の希望はどうかなど、さまざまな観点から、医師と患者(あるいは家族)とともに相談して決定していくものです。
ビバンセは、効果が明確で、また、海外では第一選択に位置づけられるなど、強力な治療選択肢の一つです。しかし、ビバンセがプロドラッグであり依存リスクが軽減されているとはいっても、体内でアンフェタミンへ変化する物質であるということになりますと、患者さん側の思いとしても慎重になるでしょうし、患者さんが不安を感じる薬剤については医師も慎重になりがちです。
日本では、海外に比べて厳格な流通規制を敷いていますし、添付文書にも「使用実態下における乱用・依存性に関する評価が行われるまでの間は,他のADHD(注意欠如多動症)の治療薬が効果不十分な場合にのみ使用されるよう必要な措置を講じること」と書かれています。
これらの理由から、当面はビバンセの使用は、アメリカなどとは異なり他のADHD(注意欠如多動症)の治療薬が効果不十分な場合に限定されることになると思われます。
アメリカのADHD(注意欠如多動症)の治療のガイドラインでは、コンサータやビバンセをはじめとした中枢神経刺激薬が第一選択で、非中枢刺激薬よりも優先されます。しかし、国内のガイドラインでは、中枢刺激薬と非中枢刺激薬を同列に第一選択としています。
そもそも薬剤は、治療効果の強さだけでなく、症状の強さはどれほどか、どういった時間に困難がみられるか、早急に症状を改善しないといけないのか、過去にADHD(注意欠如多動症)の治療薬を服用した際の副作用はどうか、治療費用の負担はどうなのか、身体的な状況から見て服薬に伴うリスクはどう見積もられるか、他の精神疾患を合併しているか、可能な通院頻度はどの程度か、患者の希望はどうかなど、さまざまな観点から、医師と患者(あるいは家族)とともに相談して決定していくものです。
ビバンセは、効果が明確で、また、海外では第一選択に位置づけられるなど、強力な治療選択肢の一つです。しかし、ビバンセがプロドラッグであり依存リスクが軽減されているとはいっても、体内でアンフェタミンへ変化する物質であるということになりますと、患者さん側の思いとしても慎重になるでしょうし、患者さんが不安を感じる薬剤については医師も慎重になりがちです。
日本では、海外に比べて厳格な流通規制を敷いていますし、添付文書にも「使用実態下における乱用・依存性に関する評価が行われるまでの間は,他のADHD(注意欠如多動症)の治療薬が効果不十分な場合にのみ使用されるよう必要な措置を講じること」と書かれています。
これらの理由から、当面はビバンセの使用は、アメリカなどとは異なり他のADHD(注意欠如多動症)の治療薬が効果不十分な場合に限定されることになると思われます。
ビバンセの副作用
ビバンセの安全性を確かめる試験では172例中、154例(89.5%)で有害事象が認められました。有害事象は、その試験に参加している間に生じる有害な事象、ということで、必ずしも薬剤との因果関係があるわけではありません。特に注意が必要なのは、頻度の高い副作用、プラセボに比べて有意に高い頻度で認められる副作用です。
代表的な副作用は、食欲減退 136 例(79.1%),不眠 78 例(45.3%),体重減少 44 例(25.6%),頭痛 31 例(18.0%),悪心 19 例 (11.0% )でした。
成長期のお子さんですので、一番頻度も高く、ご心配になるのは、食欲減退、それに伴う体重減少でしょう。特に、薬剤が作用している昼の食欲が下がりますので、朝食や夕食、あるいは薬が切れてきた時間の間食などで補う必要があることもあります。
代表的な副作用は、食欲減退 136 例(79.1%),不眠 78 例(45.3%),体重減少 44 例(25.6%),頭痛 31 例(18.0%),悪心 19 例 (11.0% )でした。
成長期のお子さんですので、一番頻度も高く、ご心配になるのは、食欲減退、それに伴う体重減少でしょう。特に、薬剤が作用している昼の食欲が下がりますので、朝食や夕食、あるいは薬が切れてきた時間の間食などで補う必要があることもあります。
重大な副作用
以下に挙げる副作用は、安全性を確かめる国内外のいずれの試験でもあらわれていないため頻度は不明ですが、可能性として考えられるので注意が必要です。
・ショック,アナフィラキシー
・皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson 症候群)
・心筋症(頻度不明)
・依存性(頻度不明)
・ショック,アナフィラキシー
・皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson 症候群)
・心筋症(頻度不明)
・依存性(頻度不明)