決めるのは『食事・起床・就寝』時間だけ!ASD親子の冬休みは、ゆるめ時間割で切り抜けろ

ライター:丸山さとこ
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日々宿題をこなし支度を整え、夕方辺りから早々に電池切れを起こすことも多い息子。「登下校するだけで精一杯!」という感じで毎日を過ごしています。

一方、学校が長期のお休みに入れば楽になるかといえば、生活リズムの崩れに追われてこれはこれで中々大変だったりします。

そんな”普段の学校生活とは違う苦労”のある長期休暇ですが、そこには長期のお休みならではのメリットもありました。

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監修: 新美妙美
信州大学医学部子どものこころの発達医学教室 特任助教
2003年信州大学医学部卒業。小児科医師として、小児神経、発達分野を中心に県内の病院で勤務。2010年信州大学精神科・子どものこころ診療部で研修。以降は発達障害、心身症、不登校支援の診療を大学病院及び一般病院専門外来で行っている。グループSST、ペアレントトレーニング、視覚支援を学ぶ保護者向けグループ講座を主催し、特に発達障害・不登校の親支援に力を入れている。 多様な子育てを応援するアプリ「のびのびトイロ」の制作スタッフ。

一度崩れた生活リズムは立て直すのが大変

息子が長期の休みに入ると、親子共々生活リズムが崩れやすくなります。息子本人はもちろんのこと、普段日中はいない彼がいることで私自身も生活の形が変わるのを感じます。
アワアワしたりイライラしたりするコウ。
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生活リズムが崩れることによって、コウは機嫌が悪くなったりパニックになったりしやすくなります。一度そういうコンディションになった彼相手に生活リズムを整えようとするのは大変なので、極力「崩さない」をモットーに休みを乗り切りたいところです。

「起床・食事・就寝」 時間を決めるのは3つだけ!

「ねーねー、おかーさん!」
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とはいえ、コウだけではなく私もまた発達に凸凹のある成人当事者です。

食事の支度が増えたり、作業中に子どもから声をかけられることが多くなったりする長期休みの生活。私自身も自分の生活リズムを保つだけで精一杯になりやすく、自分のことに加えて「保護者として子どもの生活リズムを管理する」というのは負担が大きく、難しいところがあります。
大まかな予定を作ります
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そのため、長期のお休みがある時は“生活が大きく崩れなければよし!”ということで、『食事・起床・就寝』の時間だけは決めて過ごすようになりました。

気持ちや行動の切り替えが苦手な私とコウにとってはその3つを守るだけでも大変だったりするのですが、その3つが崩れると立て直しが本当に大変なので、「何とかそこだけは!」という気持ちで守るようにしています。

また、その3つの時間に関しても、「夕飯は6時から7時の間」という感じで幅を持たせて決めるようにしています。あまりきっちり決めていると、予定変更が続いた時に形ばかりのルールになってしまい、ルールが存在する意味が無くなってしまうからです。

お手伝いで“生活のリズム”を意識する。

お手伝いが生活のリズムを助けます
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コウには、普段から役割として頼んでいるお手伝いがあります。リビングのカーテンを朝開けて夕方閉めることと、お風呂掃除です。

彼は時間を意識することや周囲の変化に気付くことが苦手です。すっかり日が沈んで暗くなった部屋でデスクライトだけをつけて黙々と折り紙をしていたりします。
レースカーテンの向こうは・・・?
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そんなコウですが、”朝起きたらカーテンを開ける、暗くなったらカーテンを閉める”という作業を役割として任せられることで、少しずつ”窓の外の明るさ”や、それが季節や天候によって変わることを意識できるようになってきました。

好きなことに夢中になれるのは彼のよいところですが、ふっと集中の途切れた時やタイマーの鳴った時など、周りが目に入る瞬間だけでも「生活のリズム」を意識できたらいいかなと思っています。
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息子の時間割は息子のもの

「ここでドリルやるから、休憩は・・・」
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学校生活での長期休暇について、あらかじめコウには「暑さ・寒さ・進級準備のために学校を休んで家庭学習をする期間なので、ただの休みの日ではないんだよ。」と伝えています。

「だから、学校がある日のように時間割は大事だよ。」という形で、前述の”生活リズムを崩さないための基本ルール”以外の計画表はコウ自身に作ってもらっています。

立てた計画が雑でも、1回はその通りに行動して、うまくいかなければその時点で話し合います。自分が思っているよりも行動に時間がかかったり切り替えられなかったりするのだと自覚することは、予定を立てる上で大切なことだからです。
気分・体調・行動にかかる時間は、その時々で変わります。
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自分の気分・体調・行動にかかる時間などが分かってくると、体調や時間の管理がしやすくなり気持ちのメンテナンスもできるようになります。

長期のお休みは普段の生活リズムが崩れやすい大変な期間ではありますが、同時に“子どもの素の生活リズム”を知った上で安心して失敗することのできる絶好のチャンスでもあります。

子ども自身が「できると思って作った時間割」と「実際の自分の姿やスケジュール」とのズレに気づいて修正していくことは自己管理力を身に付ける上で1つの方法になりますし、親の方にとっても「手を出さずに見守ること」のよい練習になっているのを感じます。

何かと負担が増えがちな長期のお休み!親子共々生活リズムを意識しつつ、手を抜けるところはズバズバ抜きながら今度のお休みも切り抜けようと思います。

執筆/丸山さとこ

専門家コメント 新美妙美先生(小児科医)

長期休みの過ごし方について、実践されている工夫を詳しく聞かせてくださりありがとうございます。
長期休みは、学校の時間割から解放されてゆっくり過ごせる反面、生活リズムが崩れがちです。一方で、普段より時間に余裕があるからこそ、自分で予定を立てたり、試行錯誤したりする経験ができる貴重な機会でもあります。
記事の中で特に印象的だったのは、「起床・食事・就寝」という生活の土台だけは家族で共有し、それ以外の時間割はコウくん自身が考えている点です。生活リズムの基本だけは守りながら、それ以外は本人に任せるというバランスは、とても理にかなった方法だと感じました。低学年のうちは、保護者が一緒に予定を立てながら「見通しを持って過ごす経験」を積み重ね、高学年くらいになったら、このように少しずつ本人が主体となって予定を考えていくことは、自立に向けた大切なステップになります。
また、計画どおりにいかなかった時も、それを「失敗」と捉えるのではなく、「思ったより時間がかかったね」「ここは予定を変えたほうがよさそうだね」と一緒に振り返っている点も素晴らしいですね。長期休みは、時間にゆとりがあるからこそ、自分のペースや集中できる時間、休憩の取り方などを知る絶好の機会でもあります。こうした試行錯誤を繰り返すことが、将来の自律、自己管理につながっていくのでしょう。

さらに、カーテンの開け閉めやお風呂掃除などのお手伝いを生活の中に取り入れていることも印象的でした。「朝起きたら」「暗くなったら」といった自然の変化を目安にした役割は、季節や天候、生活全体の流れを意識するよい機会にもなりますね。決められた時刻だけではなく、周囲の変化に目を向ける力を育てる工夫としても、とても参考になりました。
長期休みは「生活リズムを崩さないこと」と「自由な時間を楽しむこと」の両立が難しい時期ですが、丸山さんの実践は、そのバランスを上手に取りながら、お子さんが少しずつ自分で生活を組み立てる力を育てていく素敵な取り組みだと感じました。焦って完璧を目指すのではなく、その時々の発達段階に合わせて少しずつ「任せる部分」を増やしていくことの大切さを、改めて教えていただきました。(監修:小児科医 新美妙美先生)
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