長時間移動はパニック必至…!?ASD息子に合わせた「総崩れ回避」策で、帰省を乗り切る…!
ライター:丸山さとこ
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帰省やレジャー、講習会や体験イベントなど、遠方へのお出かけが増えることも多い長期のお休み。私とコウも、2人で電車やバスを乗り継いで移動することが増えます。コウにとって、見るのは大好きな乗り物達。でも、実際に乗るのは…!?
わが家では、長時間の移動による”ストレスからの総崩れ”をできるだけ防ぐために、毎回小さな対策をしています。
監修: 森 しほ
ゆうメンタル・スキンクリニック理事
ゆうメンタルクリニック・ゆうスキンクリニックにて勤務。産業医として一般企業のケアも行っている(産業医のご依頼を随時受付中)。
・ゆうメンタルクリニック(上野/池袋/新宿/渋谷/秋葉原/品川/横浜/大宮/大阪/千葉/神戸三宮/京都/名古屋):https://yuik.net/
・ゆうスキンクリニック(上野/池袋/新宿/横浜):https://yubt.net/
・横浜ゆう訪問看護ステーション(不登校、引きこもり、子育て中の保護者のカウンセリング等お気軽に):https://yokohama.yuik.net/shinyoko-houkan/
見るのは大好きな乗り物達。でも、実際に乗るのは…?
帰省やレジャー、講習会や体験イベントなど、長期のお休みは普段よりも遠方へのお出かけが増える方も多いかと思います。
私は実家が少し遠方にあり、年に2~4回は帰省で片道約5時間の電車旅をすることになります。バスや在来線はまだ数十分の乗車で済むのですが、問題は新幹線です。乗車時間が長く、景色は流れが早すぎて子どもが飽きやすいため、イライラグズグズからのパニックになりやすいのです。
そんな新幹線を何とか無事にやり過ごそうと、毎年小さな対策を心がけています。基本的にはおもちゃやオヤツで気をひいたりと、ごくごく普通の対応をするだけで特別な秘策があるわけではないのですが、とにかく“ストレスからの総崩れ”に気をつけて過ごすようにしています。
移動中に“なんかヒマ”を作らない。
とにかく“なんかヒマ”をつくらないことが一番重要なのかなと思います。「なんかヒマ」が続いてしまうと、
・なんかヒマ→移動したい→座らされる
・なんかヒマ→他のオモチャで遊びたい→他にはもうないよ
という流れから、「こんな不自由な場所イヤだ!早く降りたい!!」とグズリが始まってしまいます。そうなってからでも一時的に気を紛らわすことはできますが、抜本的な解決(新幹線を降りる・家に帰る)はできないため、やがてパニックになるのもやむなしという状況に!そんな地獄絵図はできるだけ避けたいところです。
・なんかヒマ→移動したい→座らされる
・なんかヒマ→他のオモチャで遊びたい→他にはもうないよ
という流れから、「こんな不自由な場所イヤだ!早く降りたい!!」とグズリが始まってしまいます。そうなってからでも一時的に気を紛らわすことはできますが、抜本的な解決(新幹線を降りる・家に帰る)はできないため、やがてパニックになるのもやむなしという状況に!そんな地獄絵図はできるだけ避けたいところです。
その時の興味に合わせつつ、”NGなもの”を避ける。
新鮮なおもちゃは興味を引きやすいですが、コウは「いつものアイテム」に安心しやすい子であったのと同時に「一発退場なNGポイント」も多い子であったため、できるだけ一度は触らせて反応を見るようにしていました。
絵本は好きでも飽きるのが早かったため、小さい本を数種類持って行ったり、そこからクイズを出したりしていました。
絵本は好きでも飽きるのが早かったため、小さい本を数種類持って行ったり、そこからクイズを出したりしていました。
小さい頃はもちろん、今も有効なのは、スマホやタブレットに子ども向けアプリを入れたもの。お絵かきアプリがあると自分で線を引いたりして遊べるほか、記号や果物や動物を描いて、「さんかくは?」「ゾウは?」などと聞くことでマンネリを防ぐことができました。
(目を使うので、あらかじめ酔い止めを飲ませておくようにしていました。)
アイマスクやイヤーマフなどの“刺激を軽減できるもの”も、コウに試してもらった上で持っておくと親子共に安心できました。
(目を使うので、あらかじめ酔い止めを飲ませておくようにしていました。)
アイマスクやイヤーマフなどの“刺激を軽減できるもの”も、コウに試してもらった上で持っておくと親子共に安心できました。
食べ物を落とさない”ひと工夫”
また、パニック対策としては”食べ物をこぼさないようにすること”も重要でした。食べ物を口に運ぶ間、片手に持っている袋やテーブルの上の弁当箱を気にすることは、コウにとって難しいのです。
「お菓子を口に入れようとしたら袋が傾いて中身がこぼれてしまった」
「お弁当を食べている途中にお茶を飲もうとしたら、机の上をなぎ払って弁当を落としてしまった」
ということはよくあることです。コウは、落としてはいけないこと自体は分かっているため「どうしよう!落としちゃった!!」「床が汚れちゃう!」「食べるものがなくなっちゃう!」とパニックになります。
『そんなコウをなだめつつ床を片付けていたら足をバタつかせるコウに蹴られて、ついでにもう一つのお弁当まで落ちたりして私までパニックに・・・』という展開にならないために、“食べ物を落とさないor落としても散らからない”ためのひと工夫をするようにしています。
「お菓子を口に入れようとしたら袋が傾いて中身がこぼれてしまった」
「お弁当を食べている途中にお茶を飲もうとしたら、机の上をなぎ払って弁当を落としてしまった」
ということはよくあることです。コウは、落としてはいけないこと自体は分かっているため「どうしよう!落としちゃった!!」「床が汚れちゃう!」「食べるものがなくなっちゃう!」とパニックになります。
『そんなコウをなだめつつ床を片付けていたら足をバタつかせるコウに蹴られて、ついでにもう一つのお弁当まで落ちたりして私までパニックに・・・』という展開にならないために、“食べ物を落とさないor落としても散らからない”ためのひと工夫をするようにしています。
落としにくい食べ物と、落としても大丈夫な容器で!
まずは、基本中の基本の対策「食事は両手で食べるものにする」のが確実に有効でした。おにぎりや具の少ないサンドイッチ、惣菜パンなどの食べ物です。
カトラリーを使わずに手で掴むので、それだけでも「落としちゃった!」が減ります。おにぎらずやボリューミーなサンドイッチなどの“食べている途中で崩壊しやすいもの”は避けます。
カトラリーを使わずに手で掴むので、それだけでも「落としちゃった!」が減ります。おにぎらずやボリューミーなサンドイッチなどの“食べている途中で崩壊しやすいもの”は避けます。
おやつに対しては、容器で対策をしました。フタ付きの容器に入ったお菓子を選んだり、その空容器にボーロやラムネを入れて持ち運んだりすると、万が一床に落としても中身が大きくこぼれずに便利です。
赤ちゃんのおやつケースとして販売されている中蓋付きのタッパーも有効でした。中蓋に手を入れる感覚を嫌がるお子さんもいるかもしれませんが、平気であれば便利なアイテムだと思います。(私は少し苦手で、コウは平気でした。)
赤ちゃんのおやつケースとして販売されている中蓋付きのタッパーも有効でした。中蓋に手を入れる感覚を嫌がるお子さんもいるかもしれませんが、平気であれば便利なアイテムだと思います。(私は少し苦手で、コウは平気でした。)
最後は…覚悟!
それだけ対策をしてあっても、泣きぐずりやパニックでどうしようもなくなってしまうことはあります。そんな時は、とれたての魚のようになっているコウを抱えて車両連結部に行きました。
「最終的には車両連結部」の覚悟を持って乗車することで、少なくとも「もう打つ手がない!どうしよう!」と私までパニックになることは減らせます。「どうしよう!…仕方ない、連結部で叫ばせよう。」となれば、白目になりつつ時間はやり過ごせます。
そんな風に活きのいい魚みたいになっていたコウも、最近では自分で用意した本を読んだり編み物をしたりして時間を過ごすようになりました。
その間、ずーっと「ここ面白いよ」「見て!こんなに編めたよ!」「この間ねー」と話しかけられているので、今でも“手が離せるようになりました!”という感じではないのですが、「そんなに話しかけてくれるのも今の内だけかもしれないな…」と思いながら、『ねー!お母さん!』に応えています。
「思春期に入れば、『話しかけんなし!』というムード全開で離れた席に座ったりするのかな…?」などと想像しながら、今度の長期休暇の帰省に向けて準備を進めるこの頃です。
執筆/丸山さとこ
「最終的には車両連結部」の覚悟を持って乗車することで、少なくとも「もう打つ手がない!どうしよう!」と私までパニックになることは減らせます。「どうしよう!…仕方ない、連結部で叫ばせよう。」となれば、白目になりつつ時間はやり過ごせます。
そんな風に活きのいい魚みたいになっていたコウも、最近では自分で用意した本を読んだり編み物をしたりして時間を過ごすようになりました。
その間、ずーっと「ここ面白いよ」「見て!こんなに編めたよ!」「この間ねー」と話しかけられているので、今でも“手が離せるようになりました!”という感じではないのですが、「そんなに話しかけてくれるのも今の内だけかもしれないな…」と思いながら、『ねー!お母さん!』に応えています。
「思春期に入れば、『話しかけんなし!』というムード全開で離れた席に座ったりするのかな…?」などと想像しながら、今度の長期休暇の帰省に向けて準備を進めるこの頃です。
執筆/丸山さとこ
専門家コメント 森しほ先生(医師・公認心理師)
お子さんを連れての長時間の移動は、本当にみなさん悩まれることが多いポイントかと思います。
いちどパニックになってしまうと厳しく声がけをするのは逆効果、周りの目もいたい……となって、一家全員が疲弊してしまうこともありますよね。
パニックにならないための工夫の数々に加えて、覚悟を決めて親子共々の総崩れを防ぐようにしていた、という丸山さんの体験談に勇気づけられた読者の方も多いのではないでしょうか。うまくいかない日があっても、それも含めて子育てです。
長時間の移動は大人にとっても負担が大きいものです。そして、大人が思っている以上に子どもにとって負担になることがあります。特にASD(自閉スペクトラム症)の特性がある場合、見通しが立ちにくいこと、自由に動けないこと、音や光などの刺激が続くことが重なり、少しずつストレスが蓄積していくことがあります。
「なんかヒマ」をつくらないという工夫も、とても理にかなっています。暇そのものが悪いというより、「次に何をすればいいのか分からない」「いつまでこの状態が続くのか分からない」という見通しの立たなさが、不安やイライラにつながることがあるからです。
また、パニックになったときだけ対応するのではなく、そこに至る前の小さなサインを見つけて対策することも大切です。予防的な支援といえますが、本人を無理に変えるのではなく、環境を少し調整することで負担を減らすということですね。
「何かあったら対応する」よりも「何か起こりそうなところを先に減らしておく」のはとっても効果的です。
本人が安心できるいつものものを用意しておくことがお勧めですが、絵本、アプリ、音楽、お絵描きなど、いくつか選択肢を準備しておくと安心ですね。
長時間の移動では、全部を一度に出すのではなく、「次はこれにする?」と小出しにしていくと安心です。
刺激が多いとパニックになってしまうお子さんなら、イヤーマフやアイマスクなど、刺激を減らせるものを事前に試しておくのもいいでしょう。
何より大切なのは「パニックになった」「失敗」と考えないことです。
親も子どもも限界になることはありますが、「ここまで来たら途中で降りて休憩をとる」「デッキに移動する」といった逃げ道を決めておくだけでも、親側の焦りがかなり減ります。親が落ち着けることも、立派なケアの一つです。(監修:医師・公認心理師 森しほ先生)
いちどパニックになってしまうと厳しく声がけをするのは逆効果、周りの目もいたい……となって、一家全員が疲弊してしまうこともありますよね。
パニックにならないための工夫の数々に加えて、覚悟を決めて親子共々の総崩れを防ぐようにしていた、という丸山さんの体験談に勇気づけられた読者の方も多いのではないでしょうか。うまくいかない日があっても、それも含めて子育てです。
長時間の移動は大人にとっても負担が大きいものです。そして、大人が思っている以上に子どもにとって負担になることがあります。特にASD(自閉スペクトラム症)の特性がある場合、見通しが立ちにくいこと、自由に動けないこと、音や光などの刺激が続くことが重なり、少しずつストレスが蓄積していくことがあります。
「なんかヒマ」をつくらないという工夫も、とても理にかなっています。暇そのものが悪いというより、「次に何をすればいいのか分からない」「いつまでこの状態が続くのか分からない」という見通しの立たなさが、不安やイライラにつながることがあるからです。
また、パニックになったときだけ対応するのではなく、そこに至る前の小さなサインを見つけて対策することも大切です。予防的な支援といえますが、本人を無理に変えるのではなく、環境を少し調整することで負担を減らすということですね。
「何かあったら対応する」よりも「何か起こりそうなところを先に減らしておく」のはとっても効果的です。
本人が安心できるいつものものを用意しておくことがお勧めですが、絵本、アプリ、音楽、お絵描きなど、いくつか選択肢を準備しておくと安心ですね。
長時間の移動では、全部を一度に出すのではなく、「次はこれにする?」と小出しにしていくと安心です。
刺激が多いとパニックになってしまうお子さんなら、イヤーマフやアイマスクなど、刺激を減らせるものを事前に試しておくのもいいでしょう。
何より大切なのは「パニックになった」「失敗」と考えないことです。
親も子どもも限界になることはありますが、「ここまで来たら途中で降りて休憩をとる」「デッキに移動する」といった逃げ道を決めておくだけでも、親側の焦りがかなり減ります。親が落ち着けることも、立派なケアの一つです。(監修:医師・公認心理師 森しほ先生)
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