ASDへの理解を深めるセミナーで、具体的な支援の手だてを伝える――児童精神科医・内山登紀夫先生

ライター:内山登紀夫
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2020年も、私が院長をつとめるよこはま発達クリニックとよこはま発達相談室では、さまざまなセミナーを開催していこうと考えています。そして、自閉症がある人に関わるさまざまな人たちに、具体的な支援の手だてを丁寧にお伝えしたいと考えています。

知的な遅れのあるASDのある人を支援したい人へ――WEB講座をひらきます

私が院長をつとめるよこはま発達クリニックでは、2020年にいくつかの講座を行います。どれも、自閉症がある人の支援の質をよりよくしていくために生かしていただきたいという思いでひらきます。今日はその内容について、ご紹介したいと思います。

自閉症スペクトラムは、40年ほど前に、ローナ・ウイングとジュディス・グールドがイギリスのある地域の子どもたちを調査研究した結果から提唱された概念です。

最近では、自閉症スペクトラムの概念が社会の中に広がり、正常知能域(高機能)や成人、女性の自閉症スペクトラムに注目が集まっています。年齢や性別、知的な水準によってさまざまな現れ方をする自閉症スペクトラムの支援目標や支援の実際は、多岐に渡ります。

そのような中で、知的な遅れの明らかな自閉症の人たちが感じている世界を知り、彼らの困難を理解することは、わたしたちが、自閉症スペクトラムを理解し支援を考えるための基本となると考えています。

そこで、知的な遅れのある自閉症スペクトラムの人たちを理解するための基本および支援の原則について、わたしたちが日頃大切にしている考えを連続講座としてまとめました。これから受講が可能な講座は、次の3つです。

◇知っておきたい福祉制度や親亡き後のこと/佐々木康栄(2020年1月17日~24日開講)
◇問題行動に対する対応の原則/内山登紀夫(2020年2月14日~21日開講)
◇知っておくべき医学的問題~てんかん、カタトニア、薬物療法~/蜂矢百合子(2020年3月6日~13日開講)

自閉症スペクトラムの人々を理解するためのエッセンシャルー本質と基本を考えるための講座です。

2020年春のセミナー「自閉症スペクトラムの理解と支援」を開催

私たちは、毎年夏に一般の方に向けたASDに関するセミナーを行っています。

1997年に当時としては珍しい発達障害を専門にする「仲町台発達障害診療所」を立ち上げ、2000年に現在のよこはま発達クリニックに改称し、以来20年以上にわたってASD(自閉症スペクトラム)を中心に発達障害の医療と支援を行ってきました。

クリニックを受診される方々を支援するときに常に大事にしてきたのは「ASD(自閉症スペクトラム)でok」、「親子で穏やかな生活を目指す」、「家族と協力して子どもを支援する」、「一人ひとりの特性や興味・関心に合わせた無理のない設定をする」、「環境を整える」ということ。そのためには、より多くの人たちの理解が必要となります。

ですから、診療所開設からこれまでの間、私たちは毎年「夏のセミナー」を続けてきました。

2020年は、夏にオリンピック・パラリンピックが開催される関係で時期を少しずらし、春に「自閉症スペクトラムの理解と支援」セミナーを開催する運びとなりました。私、内山をはじめ、よこはま発達クリニックに所属する6人の医師や専門家がお話をします。

春のセミナーのテーマは次の3つです。
◇基本特性の理解と評価/蜂矢百合子・北沢香織
◇支援の原則と実際 構造化/佐々木康栄・飯塚直美
◇問題行動とそれへの対応/宇野洋太・内山登紀夫


この3つに焦点をあて、具体的な支援の方法についてもご紹介する予定です。ぜひお越しください。

春のセミナー

日時:2020年3月20日(金)~22日(日)
場所:大正大学(東京都豊島区)
費用:各日11,000円(税込)
定員:150名(先着順)
よこはま発達クリニック
https://www.ypdc.net/

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