努力してもつまずくことの連続…ASD息子の毎日を前向きに変える、ファンタジーのエッセンスとは?

ライター:丸山さとこ
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発達に凸凹がある息子のコウは、「皆が当たり前にできるはずのこと」をするために努力が必要なことがしばしばあります。

努力をしても中々うまくいかないことや時間がかかることは多く、心がポッキリと折れてしまうことも珍しくありません。

「もう嫌だ、頑張りたくない!」「僕はダメなんだ…!」とすっかり嫌になってしまった彼に私がとった方法は、彼が好きな“ファンタジー”を心の添え木にする方法でした。

つまずくことの多い毎日の中で、心が折れることも…

心が折れそうな息子に声をかける母
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基本的には「授業も勉強も好きだ」と言うコウですが、実際にはつまずくことや苦手なことは多く、宿題に対しても嫌になってしまうことはしばしばあります。

作文の清書の為にお手本の原稿を作って細長く畳んだり、教科書を書き写す時は定規を使ったりと色々工夫をしながら取り組みますが、そのような工夫以外にも、心が折れたコウには“気持ちの立て直し”が必要でした。

心の添え木には“ファンタジー”が有効でした

恐竜の人形を使って会話形式でサポートする様子
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コウの心が折れた時は、あまり「なぜそれをやらなくてはいけないのか」の必要性を説くような説教や励ましはしないようにしています。本人もそんなことは分かっているので、かえって落ち込んだり荒れたりする可能性が高いからです。

そんな彼の心を添え木として支えてくれるもののひとつが、“ファンタジーな物語”です。

自分の失敗について客観的に状況を見たりシミュレートしたりする時に、ぬいぐるみを使って説明をすると落ち着いて話を聞けるくらい、コウはファンタジーな表現が大好きです。

ファンタジーな味付けをすると、事実を受けとめやすくなる!

漢字を枠内に掛けない、数字の8が∞になる様子
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コウは字を書くことが少し苦手です。空間の把握が難しいようで、”心”の字が部首のようになったり、数字の“8”が横倒しになったりするのです。

漢字の書き取りノートや計算ドリルなどの宿題が出ていると、何度も消しては書き直すことになります。面倒な上に、消しゴムかけで紙を破ってしまったりして…彼はすっかり嫌になってしまいます。
8を擬人化して伝える様子
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そんな時はファンタジーの出番です。「心が書けない!」とグズつくコウに、「心をゆっくり育ててねー。焦らなくていいんだよ。」「今、心が疲れちゃって横になって休んでるのかな?」と話しかけると、彼は「無理して頑張ると、心もプレッシャーで大きくならないよね…。」と落ち着いて返事をしてくれます。

一度冷静になれば、後は「ゆっくり大きくなるんだよー。」と心の字を励ましながら(?)頑張ることができます。上手くいかなかったとしても、「ちょっと今日は『心』がごろんとしてるんだよねー。疲れちゃったのかなー。」と笑いながら“上手くいかないこと”を受けとめることができます。
横倒しになった8をちょうちょに例える様子
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数字の8が横倒しになる時は、「ちょうちょになって飛んでいっちゃいそうだね。」と言ってみたら、それまでは「えー、また書き直し?」と渋っていたコウも、「飛んでいっちゃわないように書き直そう!」とやる気を取り戻していました。
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