学校に通うだけで精一杯なADHD息子に「就活しなさい」と言わなかった母。当時就活やる気ゼロだったワケは、両立の難しさだけじゃなかった...!?
ライター:かなしろにゃんこ。
自動車整備士を目指す専修学校に通っていたADHDと広汎性発達障害があるリュウ太は、周りの友人が就活をはじめていても遊んでばかり…?のように見えたのですが、実は同時に複数のことを進行するのが苦手だったのでした。頭の中がやらなきゃいけないことで一杯になると現実逃避したくなってしまうようで、そのため就活と学業の両立ができないのでした。当時のことを大人になったリュウ太にも聞いてみたら、ほかにも理由があったようで...
専修学校で自動車整備を学ぶリュウ太。最後の1年は試験対策と就活で大忙しのはずが...
ADHDと広汎性発達障害があるリュウ太は普通科の高校へは進まずに、車の整備士を目指して専修学校高等課程に進学しました。
リュウ太の通っていた専修学校には普通科の授業と整備に関する授業の2種類のカリキュラムがありました。
普通科のカリキュラムでは、通信制の高校を利用しながら学習をすすめ、高卒資格を取得します。授業は教室で先生に指導してもらうので、一人で勉強をすることが難しい子でも、先生や友だちに相談しながら学習を進めていけます。3年間の高等課程を習得すると、その上に専門課程があり目指す資格に合わせて2年、3年、4年と学べるコースがありました。
リュウ太の通っていた専修学校には普通科の授業と整備に関する授業の2種類のカリキュラムがありました。
普通科のカリキュラムでは、通信制の高校を利用しながら学習をすすめ、高卒資格を取得します。授業は教室で先生に指導してもらうので、一人で勉強をすることが難しい子でも、先生や友だちに相談しながら学習を進めていけます。3年間の高等課程を習得すると、その上に専門課程があり目指す資格に合わせて2年、3年、4年と学べるコースがありました。
息子のリュウ太は2級整備士を目指す2年コースに通っていました。専門課程を修了すると卒業後には国家試験が待っています。そのため通常、専門課程最後の年は就活や国家試験で忙しい年になります。
発達障害があり注意散漫でいろいろなことに興味が移る傾向にある息子には厳しい1年となってしまいました。
学校では夏休み前には就活の授業が始まり、通常生徒たちは、ソーシャルスキルやビジネスマナー、就活マナーなどを学ぶサポート授業に積極的に参加して就職に意識を向けていくのですが…
発達障害があり注意散漫でいろいろなことに興味が移る傾向にある息子には厳しい1年となってしまいました。
学校では夏休み前には就活の授業が始まり、通常生徒たちは、ソーシャルスキルやビジネスマナー、就活マナーなどを学ぶサポート授業に積極的に参加して就職に意識を向けていくのですが…
まさかの「オレは就職しない」宣言!?そのとき母は...
リュウ太といったら就職する気がなく「オレは就職はしない、アルバイトでいい」と言います。
周りの人は夏からどんどん企業面接や企業実習に行き、積極的に動いていましたが、リュウ太は遊んでばかり…。
リュウ太が通っていた専修学校では、整備士として就職を希望する場合、まず企業面接を受け、その後に企業実習、マッチングしたら内定をもらい、春に採用となります。しかし、整備士になるためには国家資格である整備士資格の取得が必要なので、国家試験に合格して資格を取得できないと不採用になってしまいます。
周りの人は夏からどんどん企業面接や企業実習に行き、積極的に動いていましたが、リュウ太は遊んでばかり…。
リュウ太が通っていた専修学校では、整備士として就職を希望する場合、まず企業面接を受け、その後に企業実習、マッチングしたら内定をもらい、春に採用となります。しかし、整備士になるためには国家資格である整備士資格の取得が必要なので、国家試験に合格して資格を取得できないと不採用になってしまいます。
実習や国家試験対策授業など通常よりも忙しくなる中で、就活も並行して行うのは大変です。
リュウ太は就職をしないと決めて就活を破棄しましたが、母の見立てではこの子は両立ができないんだなと思ったのです。
リュウ太は、アルバイトもしていたせいか、学校に通うだけで精一杯だったようでした。
月曜日は毎週のように寝坊するので、月曜日の授業の単位は取れないし…また、勉強もついていけていないようで、成績は後ろから数えて5番目くらいです。
就活の前にまずは、きちんと授業に出ることや試験に向けて勉強をすることが必要でした。
リュウ太は就職をしないと決めて就活を破棄しましたが、母の見立てではこの子は両立ができないんだなと思ったのです。
リュウ太は、アルバイトもしていたせいか、学校に通うだけで精一杯だったようでした。
月曜日は毎週のように寝坊するので、月曜日の授業の単位は取れないし…また、勉強もついていけていないようで、成績は後ろから数えて5番目くらいです。
就活の前にまずは、きちんと授業に出ることや試験に向けて勉強をすることが必要でした。
卒業危機!国家試験の必須アイテムが…ナイ!ADHD息子の学校生活は最後まで波乱万丈で…
みんなと一緒に就活をして企業から内定をもらったとしても、学校を卒業できなければ国家試験を受験する資格をもらえないので、不採用になってしまいます。
狙うものを卒業1つに絞ることにして、私も「就活しなさい!」と言うのはやめました。
出遅れてしまうけれど、就活は卒業してからでもいいんじゃないかと思いました。
それに私自身もフリーランスで生きてきたので、特に会社員にならなくてはいけないという気持ちもなく(笑)、のうてんきです。
狙うものを卒業1つに絞ることにして、私も「就活しなさい!」と言うのはやめました。
出遅れてしまうけれど、就活は卒業してからでもいいんじゃないかと思いました。
それに私自身もフリーランスで生きてきたので、特に会社員にならなくてはいけないという気持ちもなく(笑)、のうてんきです。
リュウ太が卒業後もアルバイトのままでもいいと思うならそれでもいいし、本人に任せようと思いました。
周りの子がやっているからあなたもやりなさい!と言っても息子もこのころは二十歳で大人ですから、本人の自主性に任せるしかありません。
それに、ヤル気が出ないのに企業訪問をしても失礼ですし、ヤル気がない学生の態度なんて見破られてしまいますからムダでしょうしね。
とにかく卒業・国家資格取得!と目標を絞って学生生活最後の1年を過ごし、通常の授業や国家試験対策の勉強に集中した結果、無事卒業し、国家資格も取得できました。勉強と就活を同時に進められなかったリュウ太でしたが、資格を取得できたことでその後すぐに、自動車販売会社の整備士として就職することができました。
あのとき「就活しなさい」とガミガミ言っていたら、どれも中途半端でうまくいかなかったのではないかと思います。
周りの子がやっているからあなたもやりなさい!と言っても息子もこのころは二十歳で大人ですから、本人の自主性に任せるしかありません。
それに、ヤル気が出ないのに企業訪問をしても失礼ですし、ヤル気がない学生の態度なんて見破られてしまいますからムダでしょうしね。
とにかく卒業・国家資格取得!と目標を絞って学生生活最後の1年を過ごし、通常の授業や国家試験対策の勉強に集中した結果、無事卒業し、国家資格も取得できました。勉強と就活を同時に進められなかったリュウ太でしたが、資格を取得できたことでその後すぐに、自動車販売会社の整備士として就職することができました。
あのとき「就活しなさい」とガミガミ言っていたら、どれも中途半端でうまくいかなかったのではないかと思います。
就活やる気ゼロだったワケ、本人に聞いてみたら...
現在は新型コロナの影響で働く時間は縮小されていますが週4~週5で出社しています。
企業面接のことなど採用にいたるまでのお話は改めて別のコラムでお伝えしたいと思います。
2年前の就活期間について感想を現在の息子に聞いてみたら、「就職に魅力を感じなかった」といいます。
テレビやネットから深夜残業や過労死、パワハラによる自殺など暗いニュースばかりが目に入ってきて、 就職しても苦しいことしか待っていないと思っていたそうです。
確かに暗い情報にだけフォーカスしてしまうと、お先真っ暗な気分になりますよね。
親も就職した際に起こる「いいこと、得な部分」について5項目くらいしか挙げられなくて、就職は素晴らしいと言えずにいましたから、息子も周りに合わせて横一列に就活をして就職することが幸せではないと考え、自分の気持ちに素直になることを選んだのかもしれません。
ご縁があって小さなころからの夢だった自動車整備士として就職したあとは、職場環境にも恵まれて充実した毎日を送っている様子のリュウ太。勉強と就活の両立が難しかったけれど、その辛い日々を乗り越えて就職した自分の未来に明るいイメージがもてていたら、もしやもっと頑張れたのかも...?
働くことはツライことばかりじゃない、楽しいこともあるよ、ということをもっと子どもに伝えるべきだったというのが私の反省点です(汗)
企業面接のことなど採用にいたるまでのお話は改めて別のコラムでお伝えしたいと思います。
2年前の就活期間について感想を現在の息子に聞いてみたら、「就職に魅力を感じなかった」といいます。
テレビやネットから深夜残業や過労死、パワハラによる自殺など暗いニュースばかりが目に入ってきて、 就職しても苦しいことしか待っていないと思っていたそうです。
確かに暗い情報にだけフォーカスしてしまうと、お先真っ暗な気分になりますよね。
親も就職した際に起こる「いいこと、得な部分」について5項目くらいしか挙げられなくて、就職は素晴らしいと言えずにいましたから、息子も周りに合わせて横一列に就活をして就職することが幸せではないと考え、自分の気持ちに素直になることを選んだのかもしれません。
ご縁があって小さなころからの夢だった自動車整備士として就職したあとは、職場環境にも恵まれて充実した毎日を送っている様子のリュウ太。勉強と就活の両立が難しかったけれど、その辛い日々を乗り越えて就職した自分の未来に明るいイメージがもてていたら、もしやもっと頑張れたのかも...?
働くことはツライことばかりじゃない、楽しいこともあるよ、ということをもっと子どもに伝えるべきだったというのが私の反省点です(汗)
このコラムをかいた人の著書
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夢の整備士見習いになるも職場で大失敗。落ち込むADHD息子に、先輩が大切なことを教えてくれて…【後編】