眩しい!疲れる!便利なオンライン授業・会議も、視覚過敏・聴覚過敏の人にはつらい――「思いやり画像」で、やさしい社会のきっかけづくりを
ライター:加藤路瑛
感覚過敏があるために学校の授業や仕事の打ち合わせなどに苦労していた中学生社長・加藤路瑛が、視覚過敏や聴覚過敏がある人向けのオンライン授業・会議用の背景画像を作りました。
便利なオンライン授業や会議ですが、感覚過敏があるとつらいこともあります。感覚過敏をたくさんの人に知ってもらい、受け止めてもらえる取り組みをしています。
オンラインになって楽になったこと
新型コロナウイルスの感染拡大防止を目的に、オンラインの会議やオンライン授業が急速に増えました。
僕は中学生としてオンライン授業を利用していますし、中学生社長としてオンラインの会議やイベントに参加しています。オンラインで完結できることによって、楽になった部分と辛くなった部分があるので、それをお話ししようと思います。
僕は中学生としてオンライン授業を利用していますし、中学生社長としてオンラインの会議やイベントに参加しています。オンラインで完結できることによって、楽になった部分と辛くなった部分があるので、それをお話ししようと思います。
一般的には、移動時間の削減や仕事の効率化などが言われていますが、感覚過敏があると視点が少し違います。
移動がなくなったから疲れない
感覚過敏があると、学校や打ち合わせ場所、イベント会場に行くまでにかなり疲れます。たとえば、電車に乗れば、たくさんの人がいて、たくさんの音が耳に飛び込んできます。車内では、香水や食べ物やタバコのニオイが衣服についている人もいてニオイで気分が悪くなることもあります。移動だけでかなりの疲労度です。それが自宅から参加できるようになったのは体力的にとても楽になりました。
学校や打ち合わせ場所のニオイが気にならない
学校の教室、とくに給食後の食べ物の混ざったニオイを体験しなくていいのは助かります。仕事面では、打ち合わせをカフェにした際、コーヒーのニオイや喫煙エリアのタバコのニオイで具合が悪くなることが多かったので、カフェに行かなくていいのも楽です。さらにカフェで飲めるものが一切ないストレスからも解消されました。イベントの場合、会場がホコリ臭かったり、カビ臭かったりすることがあり、入った瞬間に気分が悪くなることがありましたが、そのような不安もなくなりました。
話し相手のニオイが気にならない
打ち合わせでお会いした方が香水や化粧品のニオイ、柔軟剤のニオイが強いなどの場合、話に集中できなくなってしまいます。相手にそのことを伝えることもできず、ストレスを感じていました。オンラインだと、ニオイの情報は全て遮断できるので助かります。
オンラインになってつらいこと
聴覚過敏発動
まずは、パソコンを通じて聞こえる音声が心地よいものではありません。僕には少し機械音な感じがして、ずっと聞いているのは辛くなります。そして、何人かで話をする場合は、声が重なってしまうので、聞き取れませんし、強いストレスを感じます。
僕が普段、友達とのグループ会話で使用するボイスチャットは、相手の声のボリュームを自分で調節できます。たとえば、数人で会話していた場合、Aさんの声が大きすぎるならAさんの声だけ音量を下げれます。またBさんの声が高くで自分の苦手な声だった場合はBさんの音量だけ下げることができます。
このような相手によって音声を調節できる機能は、今、一般的に使われているオンラインのコミュニケーションツールにはないので、数人が一度に会話できてしまう会議などは、参加していると聴覚の情報が多すぎて疲れてしまいます。
僕が普段、友達とのグループ会話で使用するボイスチャットは、相手の声のボリュームを自分で調節できます。たとえば、数人で会話していた場合、Aさんの声が大きすぎるならAさんの声だけ音量を下げれます。またBさんの声が高くで自分の苦手な声だった場合はBさんの音量だけ下げることができます。
このような相手によって音声を調節できる機能は、今、一般的に使われているオンラインのコミュニケーションツールにはないので、数人が一度に会話できてしまう会議などは、参加していると聴覚の情報が多すぎて疲れてしまいます。
視覚過敏発動
僕は、視覚過敏は少な目ですが、それでもパソコン画面の明るさは眩しいと感じます。パソコン画面の明るさを調整して我慢できるレベルなのでいいのですが、かなり暗い画面にしないと見ていられない人もいます。
画面共有される資料が、文字が多かったり、色の使い方が自分に合わない時は、見ているのが辛くなります。
もう1つ、オンラインの場合、見る場所が多いので視覚情報の多さに疲れます。たくさんの人の顔が映像として画面にうつり、みんなが動くと見ているのが疲れます。参加者の顔以外にも、チャットで文字のコミュニケーションも必要なので、そこも見なければならなりません。視覚情報が増えてしまうデメリットがオンライン会議や授業ではあります。
画面共有される資料が、文字が多かったり、色の使い方が自分に合わない時は、見ているのが辛くなります。
もう1つ、オンラインの場合、見る場所が多いので視覚情報の多さに疲れます。たくさんの人の顔が映像として画面にうつり、みんなが動くと見ているのが疲れます。参加者の顔以外にも、チャットで文字のコミュニケーションも必要なので、そこも見なければならなりません。視覚情報が増えてしまうデメリットがオンライン会議や授業ではあります。
視覚過敏や聴覚過敏にやさしいオンラインの世界になるために――背景画像をつくりました
世の中が急速にオンラインでの会議や授業になっているので、感覚過敏がない人でも慣れるのに苦労している人も多いと思います。
オンラインが当たり前の世界になるのも遠くないと思いますので、そうなる前に、視覚過敏や聴覚過敏などの理由でオンラインでのコミュニケーションが疲れてしまう人がいることも知ってもらいたいと思うようなり、オンライン会議や授業のための背景画像と説明資料を作成してみました。
オンラインが当たり前の世界になるのも遠くないと思いますので、そうなる前に、視覚過敏や聴覚過敏などの理由でオンラインでのコミュニケーションが疲れてしまう人がいることも知ってもらいたいと思うようなり、オンライン会議や授業のための背景画像と説明資料を作成してみました。
感覚過敏がある人のためのオンライン背景画像
少し文字が強いので、低刺激用の画像を僕が運営する感覚過敏研究所のコミュニティーのメンバーが作ってくれました。
これらの画像の英語版も作成しています。全て無料公開していますので、ダウンロードして自由にご利用ください。
SNSで公開したところ、たくさんの反響がありました。学校の先生や大学の先生など授業を提供する側の先生が、配慮が必要なことに気づいていただけたのは嬉しいことでした。
オンライン会議や授業が増えていますが、視覚過敏・聴覚過敏がある人には参加が辛い場合があります。辛さを伝え、辛さを受け止められる【Zoomの背景画像】を作りました。画像2~4をご自由にご利用ください。
— 加藤路瑛@中学生社長Crystalroad,Inc. (@crystalroad2006) April 17, 2020
修正していくので要望も是非!#感覚過敏 #視覚過敏 #聴覚過敏 pic.twitter.com/B0E4NgfZz3