休校で体調も勉強も絶好調…!?ASD中学生いっちゃんの睡眠問題、13年の歴史を振り返る。「解決までの最短ルート」を求めなかったわが家の今

2020/05/25 更新
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でこぼこ兄妹の妹、いっちゃんはASDの他に、睡眠障害もあり、眠る時間が安定しません。睡眠障害といえども睡眠は睡眠。遅刻しないように起こせば起きるんじゃないの?と、思うかもしれませんが、そう単純でもないのです。今回は、いっちゃんの小さい頃からの睡眠の歴史を書いてみたいと思います。

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寺島ヒロ
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小さい頃からなかなか眠ることができなかった娘

いっちゃんは、赤ちゃんの頃から眠りが浅く、小さな音で驚いてすぐに目を覚ましてしまっていました。しかも、目を覚ますとなかなか寝付かず、両親とも眠れない日々が何ヶ月も続きました。
 
一般的に夜泣きがおさまると言われる9〜10ヶ月頃になっても夜中に起きて泣くのは変わらず、寝付きの悪さがますます際立ってきました。眠いのに眠れず、顔を真っ赤にしてひたすら泣き続ける娘を車に乗せて、幾度となく深夜のドライブに出かけたものです。
 
この頃、「子どもが寝ないので車に乗せている」と人に話すと、「お母さんが抱っこしてあげたら?」とか「おんぶして仕事をしていたらいつの間にか寝ているものよ」などとアドバイスをしていただいたのですが、どうもそういう問題ではないらしい...と薄々感じていました。
抱っこが嫌いで泣きやまない娘と、抱っこされないと眠らない息子
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幼稚園に行くようになっても寝付きの悪さは変わらず、毎日のように遅刻を繰り返していました。

しかしその中でも、月に数日は夜8頃に寝て、朝6〜7時に起きる日があるのです。今思えばその頃から既に睡眠時間が安定しない傾向は出ていたのだと思います。
おやすみなさいと言った後も延々遊び続ける娘
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娘、自分のタイミングでなら問題なく眠れる
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小学校時代、「眠れない」と泣く娘をみるのがつらかった

小学生になると、遅刻こそ少なくなりましたが、睡眠の問題はいよいよ顕著になってきました。娘も少し成長したので、眠れないことを自分でも気にするようになり、また小学生になると出席を加味して成績がつくようにもなるので、祖父祖母や先生たちも遅刻をしないようにと厳しく言うようになりました。
 
夜中に虚な目で起きてきて「眠れないんだけど…どうやったら眠れるの…。」「遅刻したら怒られる…。」と泣く娘を見ていると、私まで泣きそうになりました。いっちゃんはASDということもあり、性格はとても真面目で、なんでもきちんとやりたい方なのですが、学校では「いつもサボる子」「甘やかされて我がままな子」という扱いをされがちで、そのギャップに傷つくこともしばしば。でも、心掛けや睡眠導入剤では早く眠ることはどうしてもできませんでした。
しかも、ここからがもっと重大な問題なのですが、一度寝付くと、今度はどうやっても起きないのです。気を失うというほど瞬間的ではありませんが、「眠くなってきた…」と言って布団に入ると、次に見たときには寝ています。そして一気にすごく深く眠ってしまうのです。くすぐっても間違って踏んでも微動だにしません。本人に聞いたところ、ほとんど夢も見ていないと言います。
眠りが深く起こされても起きられない
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中学校では先生たちにも理解してもらい...

中学校に入る頃には、発達障害と睡眠障害の診断が出ていましたので、入学前に学校の方に相談して、"少しずつ改善はしているものの、自分のタイミングで起床、就寝をするため登校が難しいときがある"ということを伝えました。

学校からは、娘の事情を理解していただいた上で「できるだけ登校はしたほうがいい。起こして連れてきてもらえれば、学校にはスタッフもいるし、どうしても眠いときには保健室登校ということもできる。」「お家だったら甘えも出るけど、学校でお友達に囲まれていればそうそう寝ないだろうし、昼間起きていればいずれ夜寝るようになるのでは。」と言われました。
とにかく登校してしまえば眠らないかと思ったけれど無理でした
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眠い時に登校させると危険なことも…
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思惑通りにはいかない・・・。

解決に向けて頑張るよりも、心身の健康を優先に

残念ながら、今でもいっちゃんの睡眠障害はあまり改善されてはいません。しかし、周囲の人が「これは仕方ない」と納得してくれたことでずいぶんストレスが軽減されたようで、眠れなくて不安になるようなことはなくなりました。

ちょっと言いにくいことではあるのですが、最近は新型コロナウイルス感染症の影響で、学校が休校になっているため、ずっと自分のタイミングで寝起きすることができており、大変ご機嫌です。体調が良いので宿題のプリントもサクサク進めており、趣味のMMDもモデルを自作できるまでになりました。本人は「人生のボーナスタイムだ」と言っています。
私たちはつい、充分な時間眠っていれば、朝から夜までは起きていられるはずだと考えてしまいます。だから、充分な時間眠らせるために寝かしつけを頑張ってしまうのですが、たとえ薬などを使って夜寝ていたとしても、娘の場合は『自分のタイミング』が昼間にきたらやっぱり寝てしまうようなのです。

この体内時計がずれたままになってしまうタイプの睡眠障害は、今のところまだ原因もメカニズムも分かっていないそうです。なので、あまり働きかけなどはせず、子どもの体調維持を最優先に考えて過ごした方が良いのかもしれません。
発達障害と睡眠障害に関係があるのかどうかも、まだはっきりしていない部分が多いのだそうです。しかし私の印象ですが、発達障害のある人で睡眠の問題を抱えていらっしゃる人はかなり多いように思います。寝付きが悪いだけではなく、子どもの頃寝相がすごく悪かったという話も聞きます。
様々な変わった寝相で眠っている娘
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眠ってしまった娘をいつも運んでくれる息子
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分からないことが多いのですから、どんなに良かれと思っての働きかけも、後でやってはいけないことだったと分かるかもしれないですよね。

何かができていない!足りない!と感じるときはどうしても最短距離を探しがちです。だって遅れてるんですから。

でも、そういうときこそ冷静になり、性急に解決法を求めない、という心構えも大事なのかもしれないと思う今日この頃です。

このコラムをかいた人の著書

うちのでこぼこ兄妹 発達障害子育
寺島ヒロ (著)
飛鳥新社
ボクの彼女は発達障害 (ヒューマンケアブックス)
くらげ (著), 寺島ヒロ (イラスト), 梅永雄二 (その他)
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