親だって1人になれる時間が必要!休校中の今、ママの「一時避難」はASD息子の「そっとしておく」スキルを学ぶ機会にも…?

ライター:丸山さとこ
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サポートが必要な子どもと暮らしていると、1人の時間の必要性をひしひしと感じる時があります。

「短い時間でもいいから回復したい!」という時のために、いくつか一時避難の方法を用意して小さな息抜きをしています。“1人になりたい人をそっとしておく”というスキルは、コウにとっても大切なことだと思うからです。

親だって…1人になりたい時はある!

以前ほど目を離せないわけではないけれど…
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生活においてサポートが必要だったり目が離せなかったりする子どもがいると、保護者は思うように休憩をとれなくなりがちです。長期休みに入れば尚のこと、「一瞬でもいい!1人にさせて…!」と思う時もあるのではないかと思います。

私も一日中「ねーお母さん」な息子コウに構われ過ぎて、干からびそうになることもしばしばです。(ほぼ毎日かもしれません。)

そんなコウとの毎日の中でも何とか小さな息抜きをするべく、あの手のこの手で“物理的・精神的な距離”を置くようにしています。

用事を済ませているフリをしつつ“さり気なく休憩“

「洗濯干してくるねー」と言いながらフェードアウト
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真っ向勝負はしないで、自然にさり気なく…

おやつは既に食べ終わりDVDやゲームで気をひくにもネタが尽きてしまった時、さり気なーく「用事を済ませるね」と声をかけながら部屋から出ることで“短い休息”をとるようにしています。

「洗濯物を干してくるね」「物置の整頓してくるね」「庭で草むしりしてくるね」等の用事を言いつつ、スマホと飲み物を持って一時避難します。嘘にはならないようある程度家事も進めながら、気分転換のひとときを楽しみます。

水分補給をしてスマホを見たりボンヤリしたり…ゆっくりと首肩のストレッチをするだけでもいくらかリフレッシュできます。

休憩しているところを見られても堂々と!

足音がしてドアが空いた時は「休憩がバレた!」と慌てる必要はありません。休憩をしつつ作業を進めるのは何も悪い事ではないからです。

「どうしたの?」と堂々とたずね、「まだー?」と聞かれれば「あと10分くらいかな」と目安を答えます。「見に来て!」「〇〇やろう」と誘われれば、「いいよ、待っててね。」と応じます。後は、1~3分ほど気持ちの切り替え時間をとってからコウのところに行けばOK!

コウが来た時点で既にリフレッシュが完了しているのであれば、「手伝ってくれる?」と聞くこともあります。乗り気の時は「助けてあげる!」と張り切ってくれますし、お手伝いをしたくない時であれば逃げてくれるので、それはそれで好都合です。

※お手伝い好きの子だと、「手伝おうか?」と毎回付いてくるようになるかもしれません。コウがそうなった時には、「じゃあ、あっちの部屋でタオルたたみお願いしていい?分担して一気に片付けちゃおう!」と頼むようにしています。

“そっとしておいて欲しい人”を、そっとしておくということ

「1人になりたいなと思うことは、誰にでもあることなんだよ」「僕にもそういう時あるなぁ…」
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人は誰でも“そっとしておいて欲しい”時がある

多かれ少なかれ、人にはそっとしておいて欲しい時があります。心身が疲れていたり辛かったりする時に「今自分はそっとしておいて欲しいのだ」と気付いて、それを人に伝えるのは大切なことです。そして、それを人から伝えられた時に「今はそうなんだね」と受け入れることも、同じように大切なことだと思っています。

「“そっとしておいて欲しい人”をそっとしておくことは、他人と関わって生きていく中で必要なスキルだ」と考えている私は、コウにもそれを理解してもらえたらいいなと思っています。

「コウにカームダウンエリア(気持ちを落ち着ける場所)が必要なように、他人にもそれが必要な時があるんだよ」と説明をすると、コウも「そうだよね。『ねぇねぇ、どうしたの?』って言われるのも辛い時があるもんね」と納得してくれました。

視覚的に分かりやすい“一時避難の場所”を作る

我が家のリビングダイニングの一角にはソファにもベッドにもなるデイベッドが置いてあり、そこは親の一時避難所になっています。明確な区切りがないと判断が難しいコウに対して、ハッキリとした“視覚的に分かりやすいルール”を提示することで「ここは自分が入ってはいけない場所だ」と理解してもらっています。

“完全にコミュニケーションを遮断する場所”ではないため外から声をかけることはできますが、コウも「用事がない限りそっとしておく場所」だと思ってくれているようです。とても助かります。

お母さんは休憩中!でも、伝えたいことがある時は…?

「母の日みたいな手紙だな…」
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どうしても伝えたいことがあって我慢できない時は話しかけても良いとした上で、「ちょっと我慢できそうだけど忘れちゃいそうな時は、紙に書いておくのはどうかな?」とコウに提案すると、「それはいいね」と喜び、休憩が終わるのを待って手紙や折り紙を渡してくれるようになりました。

「お母さんへの手紙」のイメージだからなのか、「お母さん、いつもありがとう。」などの言葉が書かれた“母の日のような手紙”をくれることが多いです。

あるいは、遠く離れた母への手紙のようなものをしたためてくれることもあります。「お母さん、元気ですか?僕は今、ポメラニアンを折っています。お母さんに会えたら、一緒にゲームをしたいです。」という手紙を読んだ時には「心の距離が遠かったの?」と、コウと2人で笑ってしまいました。
次ページ「親にも“カームダウンエリア”は必要」

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