ずっと一緒でイライラ?親も子もラクになる「声かけ変換」にチャレンジ。「いい加減にしなさい!」も変換すると…楽々かあさんの「声かけ変換表」も

ライター:楽々かあさん
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新型コロナウイルスの影響が長期化し、親子で家で過ごす時間が増えたり、様々な予定変更に対応しないといけなかったり…。こんな「いつもと違う」状況下では、お互いにストレスがたまるのは当たり前です。でも、楽々かあさん直伝の「声かけ変換」で、子どもへの声かけを、伝え方ひとつ、言い方ひとつで効率UPできれば、親子の気持ちのすれ違いが減って、少しラクになるかもしれません。できる範囲でいいので、ちょっと試してみませんか?

家で子どもと過ごす時間が増えると、正直キツイ!?

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出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=11038000346
こんにちは。「発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた 楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換」著者・楽々かあさんこと、大場美鈴です。新型コロナウイルスの影響が長期化してきて、おうちで子どもと過ごす時間が増えたり、学校のスケジュールに合わせて様々な予定変更に対応しないといけなかったり……が続いていますよね。

率直に伺いましょう。正直、キツイですか?

……ですよね。どんなに可愛いわが子でも、一緒にいる時間が長くなったり、不安を抱えたままの生活が続いたりすれば、誰だってストレスを感じるのは当たり前です。

ましてや、ちょっとしたお出かけにも何かと神経を使うし、お友だちとワーッと密に遊ぶ機会もつくりづらかったり、おじいちゃんおばあちゃんのおうちにも気軽に行きづらかったりと、子ども達がのびのびと遊ぶことが難しい状況です。親のほうも、テレワークや、きょうだい児のお世話をしながら、宿題を見たり遊び相手になったりですから、余裕だってなくなりますよね。さらには、繊細で不安感の強い子や、元気で活発な子の子育てをしていれば尚更大変でしょう。

まずは、「こんな状況では、お互いにイライラするのは当たり前」だと思って、つい怒ってしまう自分がいても、必要以上にできないことを責めないのが大事なのではないでしょうか。

その上で、「できる範囲」「気が向いた時だけ」「余裕のある時だけ」でいいので、子育てと親子のコミュニケーションをちょっとだけ効率UPする「声かけ変換」を、脳トレの1つだと思って試してみませんか? 

日々の小さな「イラッ」「ムカッ」だって、チリも積もれば大きなストレスになります。伝え方ひとつ、言い方ひとつで、子どもにちゃんと伝わる回数が増えれば、いつの間にか、子どもと過ごすおうち時間が少しだけラクに感じられるかもしれません。

親子コミュニケーションの効率をUPする「声かけ変換表」がコレ!

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かつては怒ってばかりだった私・楽々かあさんが、うちの(ちょっと手のかかる)3人の子ども達を相手に、悪戦苦闘・試行錯誤し、長年の「うちの子研究」の末に、ようやくたどり着いた「子どもに伝わりやすい声かけ」を、[before]→[after]で一覧表にまとめたのが「声かけ変換表」です。

2014年に私が手作りしたオリジナルの「声かけ変換表」がネットで拡散されて話題になったので、記憶力の良い方は覚えてくださっているかもしれませんね。
声かけ変換表の楽々かあさん直伝!子どもへの「声かけの基本」とは?のタイトル画像

声かけ変換表の楽々かあさん直伝!子どもへの「声かけの基本」とは?

あれから更に6年経って、その後の子ども達の成長や思春期のことなども踏まえてパワーアップした【決定版】が、新著刊行に伴って開設された「あさ出版特設サイト」より公開され、どなたでも無料ダウンロードできるんですよ。

よかったら、プリントアウトしてご家庭の冷蔵庫やトイレの壁に貼るなど、毎日の子育てのヒントにご活用いただけたら嬉しいです。

では、この「声かけ変換」の発想で、おうち時間でありがちな場面での小さな「伝わらない」イライラを減らす声かけのコツを、うちのリアルな「実例」でご紹介します!

「ア・ツ・イ!」→「暑いから、ドアを閉めてくれる?」

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出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10154001136
私は筋金入りのインドア派なので、おうち時間自体は全く苦になりません。今は、動画配信サービスなども充実し、家でいくらでも映画やドラマが見放題ですから、窓の外から聞こえるセミの声をよそに、エアコンの効いた部屋で涼し〜く快適にくつろいでいると……

突然、2階から長男がドタドタと駆け下りてきて、バーン!と居間のドアを開け放ち、「充電!充電! おー、ココにあった」などと、また嵐のように立ち去ろうとするではありませんか。ちょっと待て〜い!!ドア、開けっ放しで行く気ッ!? 

でも、ココで私が長男をギロリと睨みつつ、少々ドスの効いた声で……

「ア・ツ・イ!」

と、言ったとしても、

「だよね〜。夏だしね〜」

……としか、本人は思いません。うちの長男は空気を読むのが苦手なので、それが「貴重なエアコンの冷気が逃げていくから、ドアを閉めて欲しい」という言外の意図まで察するのは難しいんです。これは、長男ばかりの責任ではありません。私のほうも言葉を省略し過ぎているんですね。

実は、子育てに限らず、私は対人関係のイライラやトラブルの原因の多くは、当人同士の性格や相性の問題などではなく、「言葉の過不足」から生じているのではないかと思っています。

ですから、ここでは、「暑いから、ドアを閉めてくれる?」と、言葉を省略せずに「して欲しい行動」を最後まで伝えれば、大抵は、ちゃんと分かってくれます。※時々の換気も大事!

「いい加減にしなさい!」→「あと何分で終われそう」→「終われたね」

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出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10248002349
家族の昼ごはんのために、折角、お母様が熱気ムンムンのキッチンに独り決死の覚悟で立って、グツグツ煮立ったお鍋でそうめんを茹でて差し上げたというのに、子ども達がオンライン・ゲームに夢中で、ちーっとも食事が始まらなかったら、そりゃあ、腹も立つというモノ。

「いい加減にしなさい!」

……って、ブチッと電源を引っこ抜きたくなりますが、まあ、子どもには子どもの都合もあるんですね。

うちの子曰く、「オンライン・ゲームって、急にやめられないんだよ。勝手に抜けると次に入れてもらえなかったりすんのッ!」とのこと。私も小中学生の頃には、ドラクエに夢中だったので「そんなの知ったこっちゃない」とも思えず、一応、子どもの都合も聞いてみます。例えば……

「その対戦、あと何分で終われそう?」
「次のセーブポイントまで、どれくらい?」

……とか。子どもの世界に話しを合わせながら伝えてみると、意外と素直に終われることも多いんです。

そして、ココで大事なのは、たとえ多少約束の時間をオーバー気味だったとしても、最終的にゲームをやめて来られたら、

「終われたね」

……と、できたことに注目してフィードバックしてあげること。こうすると、次も同じように終われたり、だんだんともう少し早めに行動できたりする確率UPです。

「メーワクだよ!」→「こういう理由で〜となってしまうから、こうしよう」

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親の休息時間確保のために、やむを得ず、子どもに動画を見せっ放しにしていると、いつの間にか「迷惑系」などと呼ばれるモノまで見ていることも……。テレビのニュースでも、国内外の大人や無謀な若者達の迷惑行為や、感染リスクを軽視する行動などが時折報じられたりもします。

大人達があまり「いいお手本」を示せていないのに、「あれもダメ、コレもダメ」と、子どもの行動を制限することを理解させ、十分納得させるには、なかなか説得力を出しにくい状況なのかもしれません(もちろん、「いいお手本」になる情報もたくさんありますが……)。

それでも、親や周りの大人達は、お互いを守るための行動を、子どもに根気よく理解させていく必要があるでしょう。例えば、子どもが久しぶりの外食で食事中にマスクを外している時に、ついはしゃいで大きな声で騒いでしまう場合などに、

「メーワクだよ!」

……の一言で済ませると、その場ではとりあえずやめられても、親が見ていない時やみんながやっていない時にできなかったり、逆に、話していい時でも過剰に意識しすぎたり……なんて可能性も。ここは、少しだけ丁寧に、

「大きな声で話すとちっちゃいツバ(飛沫)が飛びやすくて、もしも自分が感染してて、そこにウイルスが入っていたら、周りの人に移してしまうかもしれないから、これくらい(←実例)の小さな声で話そう」とか、

「〜食事が終わって、マスクつけてから話そう」

……など、「メーワク」の中身を、具体的に「どんな行動(言葉)で、誰がどんな思いをしたり、どんな不便や負担をかけたり、どんなリスクにつながったりするのか」、子どもが納得できる理由を説明するといいでしょう。それと同時に「やっていいこと」もセットで伝えると、たとえ親が見ていない時でも周りに配慮する行動ができる確率がUPすると思います(テイクアウトにしたり、屋外で広々と食事できる場所を選ぶのもGood!)。

そして、子どもにして欲しい行動があったら、親や周りの大人はその子の目の前で、繰り返し繰り返し、実際にお手本を見せてあげ続けることで、いつの間にか身につけられることって、本当に多いんです。

変換できても、できなくても、親ががんばってることは同じ!

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出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10736005197
こんな風に、伝え方ひとつで、お互いに言いたいことがまっすぐ相手に伝わるようになると、日常の親子のコミュニケーションのすれ違いから生じるストレスが次第に減っていくでしょう。

でも、私が声を大にして伝えたいのは、声かけを「変換できても、できなくても、親が毎日子育てをがんばっていることは同じ!」だということ。

「声かけ変換」は、子育てをちょっとラクして効率をUPする「省エネ術」のようなものですから、たとえ上手に変換できなかった時も、あなたが子育てをがんばっていることには全く変わりありません。

ですから、たとえ、つい子どもにイライラしてしまっても、このような状況では尚更、そんなの当たり前です。こんな時は、子どもと物理的に少し距離を置く「家庭内ソーシャルディスタンス」をとりながら、冷たい麦茶でも飲んで一息入れつつ、「しゃあない、しゃあない、あるある〜」と、自分にも声かけを。

そして、子どもと同じように、自分自身の「できてること」「がんばれていること」「フツーにこなせていること」などにも、ちゃんと目を向けてあげて下さいね。

このコラムを書いた人の著書

大場美鈴(著),『発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた 楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換』あさ出版, 2020.6.27
https://www.amazon.co.jp/gp/product/4866672129/
発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた 楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換
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