先生の言うことも聞き取れないことも

認知機能が弱いと、学習や対人関係にも弊害が生まれます。例えば、見る力が弱かったら、板書を写せなかったり、漢字の書き取りができなかったり、算数のうっかりミスにつながっているかもしれません。
聞く力が弱かったら、先生が言っていることをきちんと聞き取れないこともあります。

もしも、お子さんがまじめに勉強に取り組んでいても、テストでいい点が取れない、苦手意識がある、覚えられないというケースでは、認知機能のどこかにつまずきがある可能性があります。認知機能は、子どもの見る力、聞く力、想像する力といった、いわば「学習の土台(スポーツでいう基礎体力)」なのです。

分かっていなくても「はい」と答える子の心理

相談を受けたお子さんのなかには、先生の言うことが聞き取れていないのに、「分かりましたか?」という問いに、とりあえず「はい」と答えてしまうような子もいました。その子なりのプライドで、「分かっていない」と周囲に知られるのが嫌なのです。

そうなると、あとになってできていないことが発覚したときに「ウソつきだ」「ふざけているんだ」「なまけたいからだ」などと誤解を受けてしまいかねません。

授業についていけない子が「コグトレ」をすると

教育相談では、市内の学校から、授業についていけない、黒板が写せない、漢字を覚えるのが苦手、計算が苦手といったお子さんが、保護者とともにやってきます。年齢はだいだい小学2~3年生が多く、なかには高学年のお子さんも見えます。

わが子の発達を心配してわざわざ相談に来られるくらいですから、やはりなんらかの課題が見つかります。多いのが境界知能(明らかな知的障害ではないものの支援が必要な水準)や能力の偏りといったものです。
その後は、お子さんの発達の特徴をより詳細に見るために、『コグトレ』のワークシートの問題をやってもらいます。
次ページ「計算が苦手、漢字を覚えられない、黒板を写せない背景」

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