無関心、一人遊び、ブリッジで怒り表現...?小5ASD息子が放課後に友達と遊べるようになるまで。「こんなとき、どうする?」を親子で具体的にシミュレーション
ライター:丸山さとこ
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コミュニケーションが苦手ではあるものの人と過ごすことも大好きなコウは、自分なりのペースで友人関係を築いているようで、授業後に友人と遊ぶこともあります。
現在では「明日A君の家に集まる!」「今日僕の部屋に友達来るけどいい?」と元気に帰ってくることも増えてきたコウですが、3歳頃までは公園や児童館で会う子ども達に興味を示すことはなく、むしろ避けて通ることもあるくらいでした。
監修: 森 しほ
ゆうメンタル・スキンクリニック理事
ゆうメンタルクリニック・ゆうスキンクリニックにて勤務。産業医として一般企業のケアも行っている(産業医のご依頼を随時受付中)。
・ゆうメンタルクリニック(上野/池袋/新宿/渋谷/秋葉原/品川/横浜/大宮/大阪/千葉/神戸三宮/京都/名古屋):https://yuik.net/
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友達付き合いは“コウのペース”で少しずつ
読書・工作・折り紙などの1人遊びが好きなコウですが、友人と遊ぶことも大好きです。
学校の休み時間も家と同じように本を読んだり絵を描いたりしていることが多いようですが、たまにクラスメイトと絵を描いたり話をしたりすることもあるようです。
今ではそんな風に自分なりのペースで友達関係を育んでいるコウですが、3歳頃までは公園や児童館で会う子ども達に興味を示すことはなく、むしろ避けて通ることもあるくらいでした。
学校の休み時間も家と同じように本を読んだり絵を描いたりしていることが多いようですが、たまにクラスメイトと絵を描いたり話をしたりすることもあるようです。
今ではそんな風に自分なりのペースで友達関係を育んでいるコウですが、3歳頃までは公園や児童館で会う子ども達に興味を示すことはなく、むしろ避けて通ることもあるくらいでした。
幼児期のコウの友達との関係は?
子どもは苦手?1人遊びばかりしていた入園前
相手が大人であれ子どもであれ人間にあまり興味を示さなかったその頃のコウは、行動が激しく声も大きいためか基本的には子どものことが苦手なようでした。大人しい子であれば近くにいることはできましたが、関わることはありませんでした。
「同年代の子どもと接することを強要しても仕方ない。興味が出るのを待とう」と考えた私は、積極的に仲介をすることはしませんでした。
とはいえ、「子どもという存在が見慣れないものになると“興味を持つきっかけ”も生まれないかもしれない」とも思ったため、コウにとって強いストレスにならないよう、ある程度空いている時間帯に公園や児童館へ行っていました。
とはいえ、「子どもという存在が見慣れないものになると“興味を持つきっかけ”も生まれないかもしれない」とも思ったため、コウにとって強いストレスにならないよう、ある程度空いている時間帯に公園や児童館へ行っていました。
マイペースに遊んでいるだけで「何となく友達っぽい」頃?
そうしてあまり子どもとの関わりがないまま保育園に入園したコウは、反応が乏しく大人しいことからおままごとに誘われるなどして、意外にも集団での遊びに参加していました。
おままごとは家でも自発的に行うことの多い遊びだったことから、コウにとっても落ち着く作業になっていたようです。
彼にとってのおままごとは“関わり遊び”というよりは“知っているシーンの再現遊び”だったようで、特に他の子と話をすることもなく黙々と料理を作ったりしていましたが、周囲もまだ幼児であることから大きく浮かずに一緒にいることができたようです。
おままごとは家でも自発的に行うことの多い遊びだったことから、コウにとっても落ち着く作業になっていたようです。
彼にとってのおままごとは“関わり遊び”というよりは“知っているシーンの再現遊び”だったようで、特に他の子と話をすることもなく黙々と料理を作ったりしていましたが、周囲もまだ幼児であることから大きく浮かずに一緒にいることができたようです。
ブリッジで怒りを表明!少し意思を伝えられるようになった4歳
あまりしゃべらず大人しかった3歳までから一転、4歳になったあたりから語彙が増え始めたコウは、5歳頃から思うようにいかない時にブリッジをして怒るようになりました。
ある程度会話で意思を伝えられるようになってきたことで、かえって「思うようにならない!」と感じることも増えてきたのかもしれません。
この頃はまだ同級生とケンカが成立する程のコミュニケーション力はなく、突然1人で怒りながらブリッジを始めることが彼なりの怒りの表明だったようです。「意思を伝えるということは高度なコミュニケーションなのだな…」と思ったことを覚えています。
そんなコウも、年長になる頃には一緒に図鑑を見たりふざけあったりする友達ができたようです。迎えに行くと誰かと遊んでいる姿を見ることも多くなりました。
この頃はまだ同級生とケンカが成立する程のコミュニケーション力はなく、突然1人で怒りながらブリッジを始めることが彼なりの怒りの表明だったようです。「意思を伝えるということは高度なコミュニケーションなのだな…」と思ったことを覚えています。
そんなコウも、年長になる頃には一緒に図鑑を見たりふざけあったりする友達ができたようです。迎えに行くと誰かと遊んでいる姿を見ることも多くなりました。
小学生になり、友達と行動を共にできるクラスメイトの中で…
幼さの残る頃は目立たなかった「マイペースさ」が浮き彫りに
小学校入学後も、まだ学年全体に幼さの残る1年生の1学期までは“同じところに集まってワイワイやっている”だけで何となく友人関係が成立していましたが、夏休みが明けた頃から少しずつ周囲とズレが出てくるようになってきました。
2年生にもなると、たとえ気の合う子と遊ぶのであっても、「友達と行動を共にする」ことや「ルールを擦り合わせて共有する」ことが必要になってきます。
皆が違う遊具に移動する際に声をかけられても「僕はこれをしていたいから」と言いその場に留まるコウです。そんな“協調性の無さ”から同級生の中でも浮いていることが目立つようになってきました。
皆が違う遊具に移動する際に声をかけられても「僕はこれをしていたいから」と言いその場に留まるコウです。そんな“協調性の無さ”から同級生の中でも浮いていることが目立つようになってきました。
学校内での同級生との関わり、親はどう介入する…?
私は、学校でのクラスメイトとの関係については“いじめ”でない限りは直接的な介入はしませんでした。
授業中のグループワークなど、協力を得られず課題を進められないのであれば義務教育に支障が出ているということで介入の必要があるかと思いますが、休み時間に誰とどう過ごすかは、子どもの自由だと考えているからです。
親から見れば些細な事に思えることでもコウ本人がいじめだと感じていることはありますし、“いじり”なのか“いじめ”なのか微妙だなと思う時もあります。そのような時は担任の先生に事実の確認や見守りをお願いしたり、スクールカウンセリングにて相談をしたりしていました。
授業中のグループワークなど、協力を得られず課題を進められないのであれば義務教育に支障が出ているということで介入の必要があるかと思いますが、休み時間に誰とどう過ごすかは、子どもの自由だと考えているからです。
親から見れば些細な事に思えることでもコウ本人がいじめだと感じていることはありますし、“いじり”なのか“いじめ”なのか微妙だなと思う時もあります。そのような時は担任の先生に事実の確認や見守りをお願いしたり、スクールカウンセリングにて相談をしたりしていました。
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「こんな時どうする?」を一緒に考える日々
ただの親子として会話を重ねる中で…
コウは今までSSTを受けたことはありません。近くに通える施設が少なく、月に1度病院にてカウンセリングを受けながら空くのを待っている状態です。
その為、カウンセリングにて相談をしている他は、私がただの親子関係として「こんなことがあったんだよ」「お母さんはこういう時どうしたらいいと思う?」を聞いたり答えたりしているだけです。
私自身もASD・ADHDの成人当事者です。コミュニケーションは全く得意ではありませんが、年齢分の経験があることから少しだけ「こうじゃないかな?」「こういうことが起こっているのかもしれないね」と“お母さんはこう思うよ”の範囲で話すことはできます。
私自身もASD・ADHDの成人当事者です。コミュニケーションは全く得意ではありませんが、年齢分の経験があることから少しだけ「こうじゃないかな?」「こういうことが起こっているのかもしれないね」と“お母さんはこう思うよ”の範囲で話すことはできます。
「こういう可能性はあるかも。コウはどうしたい?」
「遊んでいた友達が移動する時にコウが付いていかないのであれば、その子はまた新しく遊ぶ相手を確保しなくちゃいけなくなるね。そうしたら、その子は次からどうする?」と聞くと、コウは「うーん…『最初から違う子に声をかけたらずっと遊べる』ってなるか…」と答えます。
そうして状況を推測して共有した後は、コウに「どうしたい?」と聞くようにしています。コウが「それなら僕も1人で遊んでいた方が自分のペースで遊べていいな」と思うのであれば、それに対するメリットとデメリットを並べて一緒に考えてみます。
そうして状況を推測して共有した後は、コウに「どうしたい?」と聞くようにしています。コウが「それなら僕も1人で遊んでいた方が自分のペースで遊べていいな」と思うのであれば、それに対するメリットとデメリットを並べて一緒に考えてみます。
メリットもデメリットも並べてみて考える
友達の繋がりを持っておかないとサッカーやキャッチボールなどの1人ではできない遊びの時に困るかもしれません。自分にとって都合の良い時だけ仲良くしよう!とはいかないからです。
一方、あまりに無理をして友達のペースに合わせていると、「ちっとも楽しくないし疲れる!」となってしまうかもしれません。
そうして考えていくと、「こういうところはもう少し周りに合わせた方が良さそうだな」とか「これは譲りたくないな。どうやって伝えたらいいのかな?」とか、「遊びの好みやテンポが合う子と一緒にいた方がいいんだな」ということが分かっていきます。
そうして考えていくと、「こういうところはもう少し周りに合わせた方が良さそうだな」とか「これは譲りたくないな。どうやって伝えたらいいのかな?」とか、「遊びの好みやテンポが合う子と一緒にいた方がいいんだな」ということが分かっていきます。
経験を重ねていく中で…
もちろん、現実はそこまでシンプルではありません。特に、中学年以降になると“相手も本当は嫌だけど我慢をしている”とか、“力関係でNOを言いにくい状況である”など、色々と難しい場面もあるとは思います。
それでも、「そういうパターンの可能性もあるよ」という経験を重ねていくことでトラブルの原因や対処法を理解していく部分はあるようです。
資源回収などで色々な学年の子ども達が集まった時の様子を見ると、大体2~3学年下の子どもと丁度足並みが合うようで、本当は年齢に縛られず「コミュニケーション能力の発達段階が丁度合う相手」と関わる場があると良いのかもしれないなと感じています。
それでも、「そういうパターンの可能性もあるよ」という経験を重ねていくことでトラブルの原因や対処法を理解していく部分はあるようです。
資源回収などで色々な学年の子ども達が集まった時の様子を見ると、大体2~3学年下の子どもと丁度足並みが合うようで、本当は年齢に縛られず「コミュニケーション能力の発達段階が丁度合う相手」と関わる場があると良いのかもしれないなと感じています。
子ども同士の仲裁や趣味の繋がりに助けられて
5年生となった現在でも年齢より幼いコミュニケーション力からトラブルを起こすことはしばしばありますが、時には先生などの大人だけでなく、クラスメイトや上級生が仲裁に入ってくれることもあります。
また、趣味をいくつか持つようになったことで、それをきっかけにクラスメイトとの交流が生まれることもあるようです。ゲームや将棋やScratch(プログラミングソフト)など趣味が合う友達と遊んだりしているようです。
趣味があると余暇の過ごし方も少し豊かになるようです。無理強いにならない範囲で、新しいものに触れる機会を作っていけたらいいなと思っています。
執筆/丸山さとこ
趣味があると余暇の過ごし方も少し豊かになるようです。無理強いにならない範囲で、新しいものに触れる機会を作っていけたらいいなと思っています。
執筆/丸山さとこ
専門家コメント 森しほ先生(医師・公認心理師)
お子さんのペースを尊重しながら、お友だちづき合いの仕方を見守ってこられたのですね。
ASD(自閉スペクトラム症)の特性など発達障害の傾向のあるお子さんは、お友だちづき合いが「できる・できない」という二択で考えるのではなく、「どうしたらお子さんが安心できる状態でいられるか」を考えることが大切です。
ほかの子どもへ関心を示さないとしたら、強すぎる刺激から自分を守っている可能性もあります。
保護者はどうしても「友だちと遊ぶほうが楽しいのではないか」と考えてしまいがちですが、一人遊びを好んでしているケースで無理にほかのお子さんと関わらせる必要はありません。
一人遊びは「孤立」ではなく、気持ちの調整や情報の処理を行うための大切な時間なのかもしれません。
「本当はほかの子どもと遊びたいけれどどうしたらいいか分からない」という場合にはサポートしてあげられるように、お子さんの様子をみてあげるといいですね。
お友だちづき合いの仕方には正解はありませんから、保護者の方は、焦らずにお子さんに「どうしたい?」と聞いてみるといいでしょう。
小さいお子さんは、はっきりと言葉で表現してくれるとは限りません。今回のお話のようにブリッジで怒りを表現するなど、身体で表現するお子さんは実はとっても多いのです。
うまく言語化出来ないモヤモヤ、「なんかイヤな気持ち」「納得できない」という気持ちを外に出そうとして、地団駄などの身体表現となってしまうのです。
言葉が追いつくまでは身体表現が増えることも珍しくありません。身体表現があまりに激しいと自分や周りを傷つけてしまうこともありますが、そうでない限りは無理に止めようとせず、頭をぶつけないように家具の配置を気をつけるなどしながら、気持ちを言葉にする方法を根気強く教えてあげましょう。
小学校にあがると、子どもたちのなかに「暗黙のルール」が出来てくる時期になります。
ASD(自閉スペクトラム症)の特性のあるお子さんは暗黙のルールを推測することがとっても負担になるので、保護者が「こういう可能性もあるね」と、見えにくいルールを一緒に考えてあげると順応しやすくなります。
保護者が心の安全基地となって、外界を一緒に読み解いてあげると、お子さんも安心して考えることができるようになります。
お子さんがパニックになったり不安になってしまったときは、日記などの記録をつけることも有効です。起こった事実と、その時の気持ち、次からの対策を書き出すようにしましょう。困った出来事を振り返り、「相手はこんなふうに考えていたかもしれない」と仮説を立てると、気持ちが整理され、次から似たようなことがあったときに感情の爆発を防ぎやすくなります。そして、感情を上手にコントロール出来たときは「自分の気持ちを整理できたね」というように褒めてあげると、自己効力感が高まります。
お子さんが趣味を持っているとのこと、とっても素晴らしいですね。趣味を通じての交流の場では、自分らしくいられるため、ほかの子どもとの時間も自然体で楽しみやすくなります。
これからも、お子さんが一人時間もお友達との時間も安心して楽しんでいけることを願っています。(監修:医師・公認心理師 森しほ先生)
ASD(自閉スペクトラム症)の特性など発達障害の傾向のあるお子さんは、お友だちづき合いが「できる・できない」という二択で考えるのではなく、「どうしたらお子さんが安心できる状態でいられるか」を考えることが大切です。
ほかの子どもへ関心を示さないとしたら、強すぎる刺激から自分を守っている可能性もあります。
保護者はどうしても「友だちと遊ぶほうが楽しいのではないか」と考えてしまいがちですが、一人遊びを好んでしているケースで無理にほかのお子さんと関わらせる必要はありません。
一人遊びは「孤立」ではなく、気持ちの調整や情報の処理を行うための大切な時間なのかもしれません。
「本当はほかの子どもと遊びたいけれどどうしたらいいか分からない」という場合にはサポートしてあげられるように、お子さんの様子をみてあげるといいですね。
お友だちづき合いの仕方には正解はありませんから、保護者の方は、焦らずにお子さんに「どうしたい?」と聞いてみるといいでしょう。
小さいお子さんは、はっきりと言葉で表現してくれるとは限りません。今回のお話のようにブリッジで怒りを表現するなど、身体で表現するお子さんは実はとっても多いのです。
うまく言語化出来ないモヤモヤ、「なんかイヤな気持ち」「納得できない」という気持ちを外に出そうとして、地団駄などの身体表現となってしまうのです。
言葉が追いつくまでは身体表現が増えることも珍しくありません。身体表現があまりに激しいと自分や周りを傷つけてしまうこともありますが、そうでない限りは無理に止めようとせず、頭をぶつけないように家具の配置を気をつけるなどしながら、気持ちを言葉にする方法を根気強く教えてあげましょう。
小学校にあがると、子どもたちのなかに「暗黙のルール」が出来てくる時期になります。
ASD(自閉スペクトラム症)の特性のあるお子さんは暗黙のルールを推測することがとっても負担になるので、保護者が「こういう可能性もあるね」と、見えにくいルールを一緒に考えてあげると順応しやすくなります。
保護者が心の安全基地となって、外界を一緒に読み解いてあげると、お子さんも安心して考えることができるようになります。
お子さんがパニックになったり不安になってしまったときは、日記などの記録をつけることも有効です。起こった事実と、その時の気持ち、次からの対策を書き出すようにしましょう。困った出来事を振り返り、「相手はこんなふうに考えていたかもしれない」と仮説を立てると、気持ちが整理され、次から似たようなことがあったときに感情の爆発を防ぎやすくなります。そして、感情を上手にコントロール出来たときは「自分の気持ちを整理できたね」というように褒めてあげると、自己効力感が高まります。
お子さんが趣味を持っているとのこと、とっても素晴らしいですね。趣味を通じての交流の場では、自分らしくいられるため、ほかの子どもとの時間も自然体で楽しみやすくなります。
これからも、お子さんが一人時間もお友達との時間も安心して楽しんでいけることを願っています。(監修:医師・公認心理師 森しほ先生)
【専門家監修】ASD(自閉スペクトラム症)の子どもの0歳~6歳、小学生、思春期まで年齢別の特徴、診断や治療、支援、接し方など
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