「こんな時どうする?」を一緒に考える日々

ただの親子として会話を重ねる中で…

コウは今までSSTを受けたことはありません。近くに通える施設が少なく、月に1度病院にてカウンセリングを受けながら空くのを待っている状態です。
「今日学校でこんなことがあったんだよ。お母さんはこういう時どうしたらいいと思う?」
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その為、カウンセリングにて相談をしている他は、私がただの親子関係として「こんなことがあったんだよ」「お母さんはこういう時どうしたらいいと思う?」を聞いたり答えたりしているだけです。

私自身もASD・ADHDの成人当事者です。コミュニケーションは全く得意ではありませんが、年齢分の経験があることから少しだけ「こうじゃないかな?」「こういうことが起こっているのかもしれないね」と“お母さんはこう思うよ”の範囲で話すことはできます。

「こういう可能性はあるかも。コウはどうしたい?」

「遊んでいた友達が移動する時にコウが付いていかないのであれば、その子はまた新しく遊ぶ相手を確保しなくちゃいけなくなるね。そうしたら、その子は次からどうする?」と聞くと、コウは「うーん…『最初から違う子に声をかけたらずっと遊べる』ってなるか…」と答えます。

そうして状況を推測して共有した後は、コウに「どうしたい?」と聞くようにしています。コウが「それなら僕も1人で遊んでいた方が自分のペースで遊べていいな」と思うのであれば、それに対するメリットとデメリットを並べて一緒に考えてみます。

メリットもデメリットも並べてみて考える

友達の繋がりを持っておかないとサッカーやキャッチボールなどの1人ではできない遊びの時に困るかもしれません。自分にとって都合の良い時だけ仲良くしよう!とはいかないからです。
「こういうところは合わせた方が良さそうだな…でもここは譲りたくないな」
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一方、あまりに無理をして友達のペースに合わせていると、「ちっとも楽しくないし疲れる!」となってしまうかもしれません。

そうして考えていくと、「こういうところはもう少し周りに合わせた方が良さそうだな」とか「これは譲りたくないな。どうやって伝えたらいいのかな?」とか、「遊びの好みやテンポが合う子と一緒にいた方がいいんだな」ということが分かっていきます。

経験を重ねていく中で…

もちろん、現実はそこまでシンプルではありません。特に、中学年以降になると“相手も本当は嫌だけど我慢をしている”とか、“力関係でNOを言いにくい状況である”など、色々と難しい場面もあるとは思います。

それでも、「そういうパターンの可能性もあるよ」という経験を重ねていくことでトラブルの原因や対処法を理解していく部分はあるようです。

資源回収などで色々な学年の子ども達が集まった時の様子を見ると、大体2~3学年下の子どもと丁度足並みが合うようで、本当は年齢に縛られず「コミュニケーション能力の発達段階が丁度合う相手」と関わる場があると良いのかもしれないなと感じています。

子ども同士の仲裁や趣味の繋がりに助けられて

5年生となった現在でも年齢より幼いコミュニケーション力からトラブルを起こすことはしばしばありますが、時には先生などの大人だけでなく、クラスメイトや上級生が仲裁に入ってくれることもあります。
友人と遊んだことを楽しそうに話すコウ
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また、趣味をいくつか持つようになったことで、それをきっかけにクラスメイトとの交流が生まれることもあるようです。ゲームや将棋やScratch(プログラミングソフト)など趣味が合う友達と遊んだりしているようです。

趣味があると余暇の過ごし方も少し豊かになるようです。無理強いにならない範囲で、新しいものに触れる機会を作っていけたらいいなと思っています。
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