不登校小1むっくん、「学校に来ないこと」周囲はどう感じている?わが家があえてオープンに伝える理由

ライター:ウチノコ
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こんにちは、ADHDと自閉スペクトラム症の診断を持つ小学1年生、むっくんの母ウチノコです。むっくんは今年の10月から学校へ毎日通うことをやめ、今は週に1時間、好きな図書の時間だけ通っています。
不登校が始まって、私たちは不登校をオープンに周囲に伝えることにしました。そこに至った思いや、周りの様子、伝えてよかったと思う今の気持ちをまとめてみました。

学校に行かない道を選んだけれど

不登校生活をはじめたむっくん。家庭の中では少しずつ落ち着きを取り戻し、表情も明るくなっていきました。しかし、私が「一緒に出掛けてみるのもいいかも」と思い、誘ってみると渋い顔...。どうやら周囲から「どうして学校に行かないの?」と聞かれることを想像して怖がり、外出に踏み出せないようでした。
外出したくない理由を話すむっくん
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そこで、もし聞かれたらどう答えるのかをむっくんと決めることにしました。むっくんと一緒に決めておけば、私が誰かに説明するときも安心できます。
そこで、私たちは「行かない理由」「今後への気持ち」「周りにどう接してほしいと思っているか」の3点を説明できるようにしました。また、聞かれることが嫌ならば、出会う可能性の高い人、関わりの深い人にはこちらから先に説明しておけばいいかも!と思いつき、直接伝えることにしました。
一緒に学校に行かない理由を整理している様子
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周囲へ伝える

むっくんの弟

最初に、4歳の弟に伝えました。むっくんと決めた3点に加えて、弟にも疲れたら保育園を休めるんだよということを伝えました。
兄が休んでいることを知ったら、保育園に行かなくなるかもと内心不安でしたが、園が楽しい弟は今のところそういうこともありません。それでも、弟は今後も影響を受けることが多いと考え保育園にも事情を説明し、弟の様子に変化があれば教えてもらえるようお願いしておきました。
弟にも「つらくなったらやすんでいいんだよ」と声をかけている様子
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同じ小学校に通ういとこ

また、むっくんには同じ小学校の2年生に「よっちゃん」といういとこのお姉ちゃんが居ます。小さなころからずっと一緒で、登下校も一緒、一番近い存在です。早速伝えてみると・・・
いとこのよっちゃんとの会話
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いとこのよっちゃんの質問に答えている様子
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いとこのよっちゃんをほめている様子
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よっちゃんをはじめむっくんの友達は、仲の良い子が急に来なくなって、きっと不安や心配を感じていたでしょう。そして、学校へ行かないという「自分と違う選択」を聞くことで、戸惑いや驚き、寂しさ、羨ましさなどさまざまな感情を抱くことも当然だと思います。

もし、よっちゃんの「どうして?」という言葉に、私が一方的に説明を続けていたら、よっちゃんの心に芽生えたモヤモヤはむしろ広がるばかりだったかもしれません。

伝えるということは、こちら側の事情だけを一方的に説明して理解を求めることではなく、その話を聴いた相手の心にも寄り添う必要があるということを私は教えてもらいました。

毎日顔を合わせていたお友達

まず、小学校の先生に「お友達には正直に不登校のことを伝えたい」という私達の思いを伝え、同時に「もし子どもから質問があれば正直に答えていただいてかまいません」ということもお伝えしました。

そして、いよいよお友達に「学校に行かないこと」を伝えます。
クラスメイト、交流級の仲良し同級生、登校班の上級生・・・反応はさまざまでした。
学校のお友達に説明する様子
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伝えた後は、その子自身の感情に焦点を当て、傾聴し、気持ちを汲んだり、努力を認める言葉かけを意識したりしました。
子ども達の話を聴いていると、むっくんのように休む選択も大変だけれど、学校へ毎日行くこともやっぱり大変で。「みんなとっても頑張っているんだなぁ」と感じました。日々頑張っている子どもたちみんな、たくさん褒めてもらえていたらいいなぁと思っています。
伝えた時の反応のまとめ
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友達の保護者

子どもだけではなく、連絡先を知っているクラスメイトやお友達の親御さんには直接お会いしたり、メールなどを使って連絡したりしました。
私自身も伝える前は何とも言えない不安があったのですが、えいっ!と伝えてみると、皆さん優しい反応で・・・
今も偶然出会えば、「元気にしてる?」とむっくんの頭をなでたり、以前と変わらず接してくださって。その優しさに、私はとても救われています。
説明したときの保護者の方々の反応
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伝えたことで得たもの

周囲に伝えてから、少しずつ外出できるようになったむっくんですが、調子は上がったり下がったり。相変わらず周囲の目を気にする日もあります。
人目を気にするむっくん
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それでも週に1時間の登校では、クラスの子ども達は今までと変わらず(むしろ前のめりに)接してくれて、友達も偶然道で会えば駆け寄ってきてハイタッチ。温かい言葉をかけてくれた上級生もいました。
優しく声をかけてくれる上級生
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上級生の声掛けにウチノコさんが感動している様子
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不登校開始から2か月たった今は、夕方に公園で下校後の子ども達と野球や鬼ごっこで遊ぶ日もあります。学校に行かなくても、みんなと同じではなくても、友達はむっくんを受け入れてくれる。今のこの経験はむっくんの人生にとって、財産になるとても大切なものだと感じています。

当初私も「不登校になれば、友達と縁が切れるかもしれない」と、不安を抱いていました。だけど、学校に行かない現在も変わらず友達はむっくんに成長と変化をもたらしてくれているのです。
むっくんが友達と一緒に遊んでいる様子
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もし学校に行かない理由や、どう接してほしいと思っているのかを伝えていなければ、お友達もむっくんへの接し方がわからず、疎遠になっていたかもしれません。皆に直接、正直に思いを伝えたことが信頼を生み、今の程よい関係を生むことに繋がったように感じています。
次ページ「成長するということ」

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