「障害だから仕方ないんだ!」と言い放つ長男、伝わらない母の思い。その夜の家族団欒で…【長男の障害告知 最終話】

2021/01/04 更新
「障害だから仕方ないんだ!」と言い放つ長男、伝わらない母の思い。その夜の家族団欒で…【長男の障害告知 最終話】のタイトル画像

ASDとADHDのある長男は、小5で自分に障害があることを知りました。クラス全員の前で障害公表をするという冷や汗をかいた経験もありつつ、その後は問題なく過ごしているように見えました。ですが、生活を送る中で当事者としての気持ちの変化があったようです。

スガカズさんのアイコン
スガカズ
3247 View

切り替えが苦手で集団行動が遅れがち

集団行動で遅れがちになる長男
Upload By スガカズ
長男はWISC-IVの結果で処理速度が低いことがわかっています。また、注意散漫、過集中といった特性もあり、学校で次の行動に移るときに時間がかかります。

なかなか次の行動に移れないとき(特に教室を移動する授業)は、クラスメイトや先生が声をかけてくれることがあるのだそうです。

学校で見かけた長男とクラスメイトのトラブル

廊下で友達ともめている長男を見かけた母
Upload By スガカズ
1年前のある日、私は当時小3だった次男の忘れ物を届けに学校へ行きました。すると廊下で小6の長男がクラスメイト2人となにやら揉めていました。クラスメイトに何か言われており手をひっぱられています。長男は何も言わず泣きそうになりながら拒んでいました。

体操服に着替えていること、授業の始まりを知らせるチャイムが鳴っていたことから、「長男の行動が遅れているからクラスメイトが呼びに来たんだな」と理解しました。

長男は次の行動に移るときに無理やり促されるのを嫌います。私はクラスメイトとのやりとりを見て「長男にとって大事な経験だ。今私が間に入るよりも、後で話を聞いてアドバイスした方が冷静に話し合える」と思い、後ろ姿を見つめていました。

「病気(障害)だから仕方ない」長男の発言に腹を立て…

障害があるから仕方がないと言い切る息子に腹を立てる母
Upload By スガカズ
放課後、長男が帰ってきたので私は廊下でのやりとりについて聞きました。

概ね私の予想通りで、体育館に行く途中で考えごとをしていたそうで動きが止まっていたそうです。長男がなかなか動こうとしないので、クラスメイトが「早く来て!」「遅い!」と強い口調で促していたそうです。

「それは大変だったね。注意されていたとき、あなたはどんな気持ちになったの?」と聞くと、
「オレは、できることとできないことの差がハッキリしている。だけどクラスの女子が無理やりオレをひっぱって連れて行こうとしたんだ」「オレ、病気だから行動がゆっくりでも仕方ないのに!」と怒り口調で答えました。

私は長男が強めに促されてイヤだった気持ちは理解しますが、「仕方ない」という言葉に腹が立ち、思わず長男を叱ってしまいました。「障害だからいいでしょ」と許してもらおうとしたり、「仕方ない」からといって諦めたりするのは間違っていると思います。

大事なのは、「障害に対して自分がどう向き合えばいいか」「言ってくれた相手とトラブルにならないためにどうしたらいいか」を考えて行動することだと言いました。このとき長男は「言われたのは自分の方なのに」と納得した様子ではありませんでした。

どうすれば分かってもらえるのか?と考えたときに、長男に促す側の気持ちを体験してもらうことだと思いました。

無視されたり開き直られたらどんな気持ちになる?

下の子どもの面倒をみているときに長男から話しかけられても返事をしない母と、それに怒る息子
Upload By スガカズ
仕方がないからと無視されたらいやな気持になることを伝える母
Upload By スガカズ
その日の夜、きょうだいが全員そろったときに長男に話しかけられました。私は話しかけられていることを理解していましたがそれに反応せず、きょうだいの相手をしていました。何度も何度も話しかけていたのに長男は無視されたので、私に怒りました。怒っている長男に対して私は、「今、どんな気持ち?」と聞きました。

子どもたちに話しかけられても対応できないときに「ごめんね」「ちょっと待ってね」「〇〇の後話きくね」と言うように私は気をつけていること、「〇〇だから仕方ないでしょ」という風に言ってないこと、もし「仕方ないでしょ」と言われたり無視されたらどんな気持ちになる?と長男に言いました。

「…イヤな気持ちになる…」と長男は答えました。

クラスメイトが声をかけてくれる(行動を促してくれる)のはありがたいことで、その行動に対して何も言わずに嫌がったり怒ったり「病気だから仕方ない」と言うのは間違っているともう一度言いました。
態度に変化が出てきた息子
Upload By スガカズ
その後聞いていなかったときや無意識で起こったことに「ごめん!」というセリフが出たり言葉で説明したりする場面が見られるように。私は素直に反応してくれたことが嬉しくて「気づいてもらえてお母さんうれしいよ」と言いました。

もちろんすべてが好ましい反応にはなりませんが、気をつけようと思い言葉に出すことは、より良い生活を行うために必ず必要になってくることで、一歩前進したと言えます。

中1の現在、できないことに対して「自分で解決策を考える」姿も…

苦手なことに対し、自分なりの解決策を考えられるようになった中1の息子
Upload By スガカズ
中1になった現在は、どうしてもできないことに対して、考える場面も見られます。できない理由を言葉にして、私にお願いすることもあります。

「どうしたらいいのか分からない」と、そのままにしてしまう場面も沢山ありますが、自分の障害を「仕方ない」と諦める前に、人に相談したり自分なりの案を試してほしいと思います。
LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
https://h-navi.jp/column

このシリーズのお話(前編・中編)

小5長男への発達障害告知、どうする?悩んでいた母に絶好の機会が…のタイトル画像

関連記事

小5長男への発達障害告知、どうする?悩んでいた母に絶好の機会が…

「僕は脳に病気がある」小5長男、クラスメイトの前で障害公表!?親はひやっとしたけれど…【長男の障害告知 中編】のタイトル画像

関連記事

「僕は脳に病気がある」小5長男、クラスメイトの前で障害公表!?親はひやっとしたけれど…【長男の障害告知 中編】

発達ナビPLUSバナー
当サイトに掲載されている情報、及びこの情報を用いて行う利用者の行動や判断につきまして、正確性、完全性、有益性、適合性、その他一切について責任を負うものではありません。また、掲載されている感想やご意見等に関しましても個々人のものとなり、全ての方にあてはまるものではありません。
あわせて読みたい関連記事

あわせて読みたい関連記事

放課後等デイサービス・児童発達支援事業所をお探しの方はこちら

放課後等デイサービス・児童発達支援事業所をお探しの方はこちら

コラムに対する投稿内容については、株式会社LITALICOメディア&ソリューションズがその内容を保証し、また特定の施設、商品及びサービスの利用を推奨するものではありません。投稿された情報の利用により生じた損害について株式会社LITALICOメディア&ソリューションズは一切責任を負いません。コラムに対する投稿内容は、投稿者の主観によるもので、株式会社LITALICOメディア&ソリューションズの見解を示すものではありません。あくまで参考情報として利用してください。また、虚偽・誇張を用いたいわゆる「やらせ」投稿を固く禁じます。「やらせ」は発見次第厳重に対処します。