「障害だから仕方ないんだ!」と言い放つ長男、伝わらない母の思い。その夜の家族団欒で…【長男の障害告知 最終話】

ライター:スガカズ
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ASDとADHDのある長男は、小5で自分に障害があることを知りました。クラス全員の前で障害公表をするという冷や汗をかいた経験もありつつ、その後は問題なく過ごしているように見えました。ですが、生活を送る中で当事者としての気持ちの変化があったようです。

切り替えが苦手で集団行動が遅れがち

集団行動で遅れがちになる長男
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長男はWISC-IVの結果で処理速度が低いことがわかっています。また、注意散漫、過集中といった特性もあり、学校で次の行動に移るときに時間がかかります。

なかなか次の行動に移れないとき(特に教室を移動する授業)は、クラスメイトや先生が声をかけてくれることがあるのだそうです。

学校で見かけた長男とクラスメイトのトラブル

廊下で友達ともめている長男を見かけた母
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1年前のある日、私は当時小3だった次男の忘れ物を届けに学校へ行きました。すると廊下で小6の長男がクラスメイト2人となにやら揉めていました。クラスメイトに何か言われており手をひっぱられています。長男は何も言わず泣きそうになりながら拒んでいました。

体操服に着替えていること、授業の始まりを知らせるチャイムが鳴っていたことから、「長男の行動が遅れているからクラスメイトが呼びに来たんだな」と理解しました。

長男は次の行動に移るときに無理やり促されるのを嫌います。私はクラスメイトとのやりとりを見て「長男にとって大事な経験だ。今私が間に入るよりも、後で話を聞いてアドバイスした方が冷静に話し合える」と思い、後ろ姿を見つめていました。

「病気(障害)だから仕方ない」長男の発言に腹を立て…

障害があるから仕方がないと言い切る息子に腹を立てる母
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放課後、長男が帰ってきたので私は廊下でのやりとりについて聞きました。

概ね私の予想通りで、体育館に行く途中で考えごとをしていたそうで動きが止まっていたそうです。長男がなかなか動こうとしないので、クラスメイトが「早く来て!」「遅い!」と強い口調で促していたそうです。

「それは大変だったね。注意されていたとき、あなたはどんな気持ちになったの?」と聞くと、
「オレは、できることとできないことの差がハッキリしている。だけどクラスの女子が無理やりオレをひっぱって連れて行こうとしたんだ」「オレ、病気だから行動がゆっくりでも仕方ないのに!」と怒り口調で答えました。

私は長男が強めに促されてイヤだった気持ちは理解しますが、「仕方ない」という言葉に腹が立ち、思わず長男を叱ってしまいました。「障害だからいいでしょ」と許してもらおうとしたり、「仕方ない」からといって諦めたりするのは間違っていると思います。

大事なのは、「障害に対して自分がどう向き合えばいいか」「言ってくれた相手とトラブルにならないためにどうしたらいいか」を考えて行動することだと言いました。このとき長男は「言われたのは自分の方なのに」と納得した様子ではありませんでした。

どうすれば分かってもらえるのか?と考えたときに、長男に促す側の気持ちを体験してもらうことだと思いました。
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