ADHD次男が「友達にケガをさせた」担任からの連絡に顔面蒼白。解決のカギは

ライター:スガカズ
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わが家の発達凸凹次男は通常学級に在籍しています。
小学校1~2年生の頃は不注意や衝動性、こだわりによって注意されたり否定されたりする機会が多く、主に「物にあたる事」や「(先生などの大人に)悪態をつく事」が課題でした。「怒りそうなときはすぐに人がいないところ(廊下や校庭など)に行こう。気持ちが落ち着いたら戻って来よう」と学校と家庭で促していましたが、小学校3年生の1学期、ついに「物にあたる行為」が人を傷つけるという「許しがたい場面」に直面することになりました。

「ついにこの時が来てしまった…」次男がクラスメイトを傷つけた日の事

学校からの電話を受ける様子
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小3の1学期のある日、学校から電話がありました。

電話に出ると担任の先生が申し訳なさそうな声で「次男くんが怒って机を倒してしまい、机がクラスメイトの女の子の足(膝)に当たってアザができてしまいました。」と話しました。

私は「サーッ」と血の気が引いたのを覚えています。まず先生に謝罪し、その日の内に被害を受けたお子さんや保護者の方に面と向かって謝罪したい旨を伝えました。

保護者の方は毎日仕事の後お子さんを学童に迎えに行くとのことだったので、その際に先生と話し合い、その後私と次男が合流して謝罪をすることになりました。

次男なりの正義感があった様だけど…

友達が菌タッチをする様子を見ている
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自分にタッチをされたときの様子
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事の発端は休憩時間(先生がいないとき)子ども同士の遊びで、「虫を触った手」を「ムシキン(菌)」と名付けて冗談でつけあっていたのだそう。

それに対して次男は注意をしたのですが、遊びは続き、前の席に座っている女の子に回ってきたようです。女の子はとっさに他の子と同じように次男につけてしまったようでした。

次男は「人が嫌がることをしちゃいけない」と言ったのに自分に回ってきて、さらに頭につけられたことが本当に嫌なことだったので、思わず机を蹴って倒してしまったのだそうです。

小3のころはというと、物にあたる行動自体は、クールダウンする場所を確保する等でかなり減っていたのですが、急なことでクールダウンしに行くより先に怒りが湧いてきてしまったようです。

確かに次男が嫌がる気持ちは分かります。だからと言って物を蹴ったりしてもいけませんし、人を傷つけるのはもってのほかです。被害を受けたお子さん(女の子)は自分の番が回ってきたのを、とっさに他の子と同じように次男に回しただけです。もちろん、〇〇菌と名付ける行為は心を傷つけるきっかけにもなるため、良くないことだとは思いますが、小3という時期を考えると、そうなるのは自然な流れだとも思いました。

本人にはどう言えばいい?叱る?叱らない?

私は発達凸凹の長男や次男が「他の子に迷惑をかけた」と判断した事案で把握しているものは、できる限り保護者の方を交えて謝罪していました。もちろん今回のことも、お子さんと保護者の方にはとにかく謝罪し続けようと思いました。

ただ、次男に対してどう言えば一番良いだろうと悩みました。
学校生活での許しがたい行動ですが、指示を出せる状況でありませんし、被害を受けたお子さんとまだ話ができていない状況です。
また、次男は怒られたり否定されたりしたことに対して、事実より過剰に受け取るところがあります。
そのため、本人の気持ちを否定して叱ることは、反省する場を奪う結果になるだろうと思いました。

悩んだ結果、叱りはしないが低い声で、真剣な目をして話し合うことにしました。
母が真剣な顔で次男に語りかける様子
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私は、学校から帰って来た次男に目線を合わせ、肩に手を当てながら(こうすると落ち着いて話を聞いてくれやすいから)伝えました。
・どんな理由があっても人を傷つけることはしてはいけない
・怒りそうな時はすぐにその場から離れること
・私と次男でもう一度謝る事が大事(すでに次男は学校で一度謝っている)

私は「繰り返してほしくない」という一心だったため、おそらく怖い顔をしていたのかもしれません。

この時期の次男は自分の気持ちや周りの状況を上手く伝えることが難しかったのですが、「(自分にとって)嫌なことをされた」「つい机を倒してしまった」「傷つけるつもりじゃなかった」と話し、「謝りに行こう」と話す私に対して「わかった」と答えました。

夜、約束の時間になり次男と学校に向かいました。被害を受けたお子さんと保護者の方、先生に会いました。お子さんの足を見せてもらい「痛い思いをさせてごめんなさい」と言った後、再度全員に向けて謝罪しました。
※謝罪した際の言葉は長いため、割愛します
あやまる様子
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相手の保護者から言葉をかけられるようす
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保護者の方は初めて直接お話した方なのですが、次男にADHDがあるということを知っており、気を遣っていただいていたのかもしれません。

私からの謝罪の後「私は次男くんのことを知っていますし、娘からも次男くんとのやり取りを昔から聞いています。理由がないのに一方的にやる子じゃないのはわかってますよ」と思ってもいなかった言葉をいただきました。「相手のお母さまが謝る必要なんてない」(と私は思っている)のに…と思いつつ、その後は何故かお互い謝罪をしつづけるという状況に…。周囲の方の厚意に生かされているなと痛感しました。

暫く気まずそうにしていた次男ですが、最後にお子さんと保護者の方に「ごめんなさい」と言うことができました。
次ページ「「お互いが事実を隠さない」ことが解決のカギ」

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