状況や意思を説明するのが苦手なASD息子。会話の足し算・引き算テクの取得で驚きの変化?

ライター:丸山さとこ
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コウは自分の状況や意思を説明することが苦手です。必要な情報が抜けてしまって「どういうこと?」と突っ込まれることもあれば、逆に細かく説明し過ぎてしまうことも多く、”必要な情報量”で話すことの難しさを感じさせられます。

そんな彼ですが、何気ない会話の中で思いがけない成長を感じることもあります。

”必要な情報”を伝えることが苦手なコウの大きな成長にビックリ!

”言わなくても分かること”を抜くという会話方法に気が付いたコウ
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情報は多くても少なくてもダメ!?

コウは自分の状況や意思を説明することが苦手です。

必要な情報が抜けてしまって「何の話?」「どういうこと?」と突っ込まれることも多く、こちらから「〇〇のこと?」などと情報を引き出したり推測したりしなければ会話が成り立たないことも珍しくありません。

かと思えば、微に入り細に入り説明し過ぎて「話が長い」「結局何だったの?」と突っ込まれることも多く、必要な情報を話すことの難しさを感じさせられます。

「これは何」で「それをどうしたいのか」を教えてほしい母

そんな彼がある日、小さな厚紙を数枚手に乗せて「これどうしたらいい?」と聞きにきました。私は「どうしたらいいって…それは何なの?」と戸惑い、何と答えればよいのか困ってしまいました。
小さい厚紙は”工作の材料”なのか”ゴミ”なのか分からない!
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「えっと…それは工作の材料なの?ゴミなの?」と聞くと、コウも「あぁ、そうだよね」とハッとし、「これゴミなんだけど、どこに捨てたらいい?」と聞き直してくれました。

それだけで十分に意味は伝わったのですが、彼はそこからさらに少し考えて「これ、どこに捨てたらいい?」と言い直したので、私はとても驚きました。

必要な情報を足したり引いたりするということ

「これはゴミです」という情報を足せたのは凄いこと!

以前のコウであれば、私の質問に対して「えっと…これ…工作してて…あの、これもう使わないから…何て言えばいいんだろう…?」と困り果てて固まっていただろうと思います。
必要な情報を足すだけでなく、不要な情報を抜いたコウの成長に驚く私
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これが、もし夫とコウの会話だったとしたら、多分以下のようなやりとりになっただろうと思います。

コウ:「これどうしたらいい?」
夫 :「どうしたらいいって何が?」
コウ:「何って…?」
夫 :「それは何なの?」
コウ:「何って…えっ?コレ…(紙を差し出す)」
夫 :「だからそれは何なの?」
コウ:「えっ…?」
夫 :「どういうこと?」

「コウが何を言いたいのか分からない」夫と「お父さんは何が分からないのか分からない」コウ
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多少コウとの会話に慣れている私であったとしても、疲れているときは上記のようなやりとりになることは珍しくありません。そんなコウが「これはゴミです」ということを伝えられたということは、それだけでも画期的なことなのです。

それなのに、さらに「捨てるって言ってるんだから『これゴミなんだけど』はいらないよね」という判断までしたのですから、その成長の大きさには本当にビックリです。

会話の難しさと、息子の試行錯誤の日々を感じて…

必要な情報を足すことで「何の話か分からない」をクリアした後に、更なる成長があったとは!と思うと、”自然な会話”というものの面白さと難しさを改めて感じます。

周囲もまだ幼かった低学年のころと違い、11歳になったコウが学校での会話で求められるものは”本人ができること”よりも高く、いろいろと苦労しているのだろうなということがチラリと見えることも多々あります。
「気付かない内に成長しているんだなー…」としみじみする私
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見えれば気にはなりますが、それらの難しさに対して親があれこれ言うことはできなくなっていく年頃だなー…ということも感じるこのごろです。

そんな日々の中で、「コウはいろいろなことを吸収して試行錯誤しているんだなー…」としみじみした、日常のひとこまでした。
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