「態度が悪い」「扱いにくい」…でも、注意すると逆効果…!?幼稚園での経験から

ライター:立石美津子
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何度叱っても同じことを繰り返すわが子、もしかして大人の気を引くためにわざとやっているのかもしれません。

幼稚園での出来事

私は長年、幼稚園の課外教室の講師として3歳から6歳までの子どもたちを対象に指導をしてきたのですが、注意すればするほど、態度がますますひどくなる子がいました。

注意すればするほど態度が悪くなる理由は?

幼稚園の課外教室の講師をしていたときのことです。子どもたちの中に、注意すればするほど態度が悪くなっていってしまうお子さんがいました。

そこで、園側に相談を持ち掛けました。すると、園側から「○○君のご家庭は下の子が生まれたばかりです。お母さまも○○君が家でお漏らしをしたり、哺乳瓶を欲しがったりするなどの赤ちゃん返りに困っていて、叱ってばかりになってしまっているようです」のお答えでした。

そう言われてみると、思いあたることがありました。私が他の子に関わっているときに限って、その子が椅子を倒したり、鉛筆を投げたり、友達に唾や鼻くそを付けたりしているのではないか…。

行動の目的

その子には目的があったのです。家で赤ちゃん返りして、母親の気を引こうとするのと同様に、教室でも、講師である私に対して「僕だけを見て見て~」という自己アピールの気持ちが強く、“カマッテちゃん”になっていたのだとわかりました。

家庭で母親が赤ちゃんに関わるのを邪魔しようとするのと同様、園では私が他の子に関わっているのが面白くなく、自分のところに私を呼び寄せるためにこのような行動に出ていたのです。

私は教室全体の中での評価しかしておらず、「彼は他の子に比べて態度が悪く、扱いにくい子」と感じていて、静かに座っている瞬間があっても、それについては無言でいました。そして、何か適切でない行為をしたときだけ注意したり、叱ったりしていました。

そこでその子は「僕はどんなに努力しても他の子と同じようないい子ではいられないし、ちょっと頑張っても先生は気付いてくれない。だったら、悪い行動をした方が先生は気付いて、僕にかまってくれる」と考えたようです。つまり、遠い道のりである「100点を取る」ことではなく、「0点を取る」方が手っ取り早いことを誤学習させていました。
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