保育園の発表会でパニック!涙の退場と復帰は「ASDあるある」の理由で

2021/05/24 更新
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保育園の劇発表会にて、草むらのパネルの裏から出てくるはずが舞台を降りてしまったコウ。先生に手を引かれて舞台に戻り無事発表を終えたものの、なぜ一度退場してしまったのかはまさに”藪の中”で…?

パネルの裏で何が起きていたのか、先生にお話しを伺って「コウらしいな」と納得しました。

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劇の発表会、コウの涙と復帰の理由は…?

劇終了後、先生に理由を伺うも「よく分からないな…?」と首をかしげる私
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劇終了後、先生からの説明に「どういうこと…?」

今回は、前回のコラムでお話した『発表会でトラブル発生(?)事件』の続きです。

保育園の発表会にて”変身するきつね”を演じていたコウ。他の子どもたちが次々と被り物を変えて現れる中、パネル裏から一向に出てこないコウは一度舞台を降り、先生の助けを得て何とか変身完了!無事踊りを終え、その後のフィナーレにもしっかり登場していました。

無事発表会も終わったあとでコウと先生から聞いた話を総合すると、草むらのパネルのうしろに並んでいた被り物の向きが(多分ほかの子の手が当たったことで)いつもと逆になっていたのが原因だったとのこと。

分かりそうで分からない理由に「え、どういうことですか?」と詳しく尋ねていくと、次第に事件の全容が見えてきました。

名前が隠れた被り物を見て「自分のがない!」と慌てたコウ

それぞれ子どもたちの頭のサイズに合わせた被り物の内側には名前が書いてあり、通常はそれらの名前が見える向きで並べられていたそうです。
事件の真相を知って納得!
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それが逆向きになることで名前が隠れ、コウが「自分の被り物がない!」とパニックになってしまったのが一連の動きの真相だったと知り、納得しました。

多分、コウ以外の子であれば被り物を手に取って名前を確認したり、最後に残った1つを被って出たりしたのだろうと思います。

それらの発想もなく「名前が見えない→自分の分の被り物がない」と”見たまま”に判断して泣いて舞台を降りるところも、そこまで泣いたのに「自分の名前の被り物があったから」と再び舞台に上がって踊るところも、『コウだなぁ…』と感心しました。

大丈夫ではなくても、心配はしなくていいのかもしれない

踊る姿を見て「何だかんだやっていくのかな」と思った保育園時代

当時のコウは、見通しが立たずパニックになりやすかった反面、アッサリとした切り替えの良さがありました。
”お面がないので”劇を中断し、”お面があるので”踊る、シンプルなコウの行動
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劇で見たコウの姿はその最もたるものという感じで、「あぁ、何だかんだ、この人なりのペースで何とかやっていくのかもしれないなぁ…」と、薄っすらとした不安が薄っすらとした希望で打ち消される(?)ような気持ちになりました。

成長により解決する問題もあれば、増える問題もあって…

その後コウは、成長に伴い少し見通しが立つようになりました。そのことで減ったパニックもあれば、見通しが立つことで起きるパニックは増えたりもしていて、中々一筋縄ではいかないコウとの毎日です。
探し物を見つけたものの、「何で!?さっきはここになかったのに…!!」と混乱するコウ
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「何で!?さっきはなかったのに!」と混乱する息子を見ながら「園児のころの『あるんならそれでいいや』という割り切りは、あれはあれでありがたかったんだなー!」としみじみしていた小学校低学年を過ぎ、今コウは小学6年生。

コウが”自分の見える範囲の情報をもとにした予測”でパニックを起こす姿を見ると、『私も同じようなことをやっているのだな』と思うことがあります。

私よりもっと今の状況や遠い先のことや全体図が見えている人からすれば、私の姿は「そんなに慌てなくても大丈夫だよ(慌てても仕方ないよ)」と言いたくなるものなのではないかな?と思うのです。

成長の見通しは”仮の姿”

現在のコウも、探し物が見つからないときに私から「そこにあるよ」と教えられると、とっさに「え!何で?さっきはなかったのに!!」となることはしばしばあります。
「まぁ、あるのが事実か…多分よく見てなかったんだろな」と納得するコウ
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けれど、高学年になってからは「あるんだからそれが事実か…多分よく見てなかったんだろな…」と、経験から客観的に自分を振り返ることも増えてきました。

思いがけない成長を見せることもあれば、成長したことで一見”後退したように見える”こともあるコウの姿を見ていると、私が立てる見通しは仮の姿でしかないのだな…と思います。

あてにならない見通しであっても立てないことには向かう先が見えませんし、見通し自体は大切ですが、それと平行して”今現在のコウ”を丁寧に(一歩引いて)見ることを忘れないようにしていきたいです。
「これがコウ君のだよ。ほら、名前」と、お面の名前を確認させてくれる先生
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とはいえ、何かと「大丈夫なのー?このままだとヤバいのでは…!?」と焦ってしまいがちな私です。

『先のことを見据えつつ”今現在のコウ”が生活しやすくなるようにサポートしよう』と取り組む中で、コウの保育園生活を助けてくださった先生方に改めて感謝を感じる、園生活の思い出でした。

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