同志でもあるAちゃんのお母さん
娘が社会人2年目のとき、私は娘の同級生のAちゃんのお母さんと会う機会がありました。
学生時代
Aちゃん一家は高等特別支援学校入学時に学区外から引っ越してきました。引っ越し前の入学説明会には学校の近隣に住むおじいさまが来ていました。
娘の同級生の中には途中で学校を辞めた生徒が何人かいました。辞めた理由はさまざまですが、自分でアルバイト先を探すような自立心が旺盛な生徒さんたちは比較的早い時期に学校を辞めていきました。
退学した生徒と仲が良かったAちゃんは、いろいろと悩んでいた時期がありました。
私の娘も学校を辞めたいと言っていた時期があったので、私とAちゃんのお母さんは在学中、親としての悩みをお互いに話したりしていました。
当時私たちは主治医やカウンセラー選び、子どものメンタルの安定のための趣味の充実の工夫、セラピーなどを模索していました。
私たちは、特性を持つ思春期女子の子育てに奮闘する『同志』のような関係でした。
娘の同級生の中には途中で学校を辞めた生徒が何人かいました。辞めた理由はさまざまですが、自分でアルバイト先を探すような自立心が旺盛な生徒さんたちは比較的早い時期に学校を辞めていきました。
退学した生徒と仲が良かったAちゃんは、いろいろと悩んでいた時期がありました。
私の娘も学校を辞めたいと言っていた時期があったので、私とAちゃんのお母さんは在学中、親としての悩みをお互いに話したりしていました。
当時私たちは主治医やカウンセラー選び、子どものメンタルの安定のための趣味の充実の工夫、セラピーなどを模索していました。
私たちは、特性を持つ思春期女子の子育てに奮闘する『同志』のような関係でした。
2年ぶりに再会した私たち。話の中心はやはり…
娘から「Aちゃんが一人暮らしをしている」と聞いていた私は、そのことをお母さんに尋ねました。
Aちゃんは高校卒業後入社した特例子会社を一年ほどで辞め、別の仕事をしながら親元を離れて暮らしているとのことでした。
一般的には「親元を離れて暮らしている」と聞くと「すごい!」「自立してる!」「良かったね!」と感じることでしょう。
でもそこに至るまでのお母さんの並々ならぬ苦労を私は知っています。
また、障害のある子どもの転職や引越しにはさまざまな段取り取りが必要です。
特例子会社を退職するときの手続き。
就労先を斡旋してくれた学校との連携。
就労支援事業所の利用や、生活保護をうけるかどうか。
グループホームの見学や体験。
転出・転入の手続き。福祉関係の引き継ぎ。引っ越し作業。etc…
それらには時間と労力を要します。
高校入学時からのお母さんのさまざまな苦悩を見てきた私は、彼女の複雑な心境も痛いほどよく分かりました。
そして成人しているとはいえ20才そこそこの障害のある女の子が親元を離れて暮らすことへの心配もーー。
Aちゃんは高校卒業後入社した特例子会社を一年ほどで辞め、別の仕事をしながら親元を離れて暮らしているとのことでした。
一般的には「親元を離れて暮らしている」と聞くと「すごい!」「自立してる!」「良かったね!」と感じることでしょう。
でもそこに至るまでのお母さんの並々ならぬ苦労を私は知っています。
また、障害のある子どもの転職や引越しにはさまざまな段取り取りが必要です。
特例子会社を退職するときの手続き。
就労先を斡旋してくれた学校との連携。
就労支援事業所の利用や、生活保護をうけるかどうか。
グループホームの見学や体験。
転出・転入の手続き。福祉関係の引き継ぎ。引っ越し作業。etc…
それらには時間と労力を要します。
高校入学時からのお母さんのさまざまな苦悩を見てきた私は、彼女の複雑な心境も痛いほどよく分かりました。
そして成人しているとはいえ20才そこそこの障害のある女の子が親元を離れて暮らすことへの心配もーー。
モヤモヤする母ゴコロ
彼女はご主人やきょうだい児たちから「お母さんは過保護だ」と言われたそうです。
私たち母親は、子どもが小さいころからわが子の苦労やつまずきを減らそうと試行錯誤を繰り返してきました。
トラブルの際には矢面にも立ってきました。
さまざまな困難に直面し、ときには傷つき、子どものかんしゃくや自傷を目の当たりにしたりにしながらも必死に毎日を過ごしてきました。
確かに私たちには“心配癖”が付いてしまっているのかもしれません。
でも長い間、人並み以上に手のかかる子どもの世話をし続けてきた私たちは、『過保護』や『過干渉』と言われることに何だか納得できませんでした。
もしかしたらこの気持ちは父親やきょうだい児には理解してもらえないのかもしれません。
私たち母親は、子どもが小さいころからわが子の苦労やつまずきを減らそうと試行錯誤を繰り返してきました。
トラブルの際には矢面にも立ってきました。
さまざまな困難に直面し、ときには傷つき、子どものかんしゃくや自傷を目の当たりにしたりにしながらも必死に毎日を過ごしてきました。
確かに私たちには“心配癖”が付いてしまっているのかもしれません。
でも長い間、人並み以上に手のかかる子どもの世話をし続けてきた私たちは、『過保護』や『過干渉』と言われることに何だか納得できませんでした。
もしかしたらこの気持ちは父親やきょうだい児には理解してもらえないのかもしれません。
ずっと先のことだと思っていた
「わかる、わかる、その気持ち!!」と深く共感しつつ話を終えた私たち。
でもこのとき私は、「うちの娘はまだ家を出ていく気は無いようだし。初期費用(※)も貯まってないし。まずは仕事を続けることが目標かな」と考えていました。
私も娘自身も、その後一年足らずでグループホーム入居に向けた動きが始まり、親子ともども悩むことになるとは露ほども思っていなかったのです。
※グループホーム入居に向けては引っ越し費用などを含めて100万円程お金を貯めてからの入居が好ましいと言われている(諸説あり)
執筆/荒木まち子
でもこのとき私は、「うちの娘はまだ家を出ていく気は無いようだし。初期費用(※)も貯まってないし。まずは仕事を続けることが目標かな」と考えていました。
私も娘自身も、その後一年足らずでグループホーム入居に向けた動きが始まり、親子ともども悩むことになるとは露ほども思っていなかったのです。
※グループホーム入居に向けては引っ越し費用などを含めて100万円程お金を貯めてからの入居が好ましいと言われている(諸説あり)
執筆/荒木まち子
(監修:三木先生より)
いろんな時間を共にしてきたお母さんの方がどうしても心配しすぎてしまうんじゃないかと不安になることはありますよね。ただ荒木さんの場合は、ご自身の心配を振り返りながらお子さんの問題ときちんと分離して悩まれているようですので、安心していっぱい悩んでもらって大丈夫だと思います。
いろんな時間を共にしてきたお母さんの方がどうしても心配しすぎてしまうんじゃないかと不安になることはありますよね。ただ荒木さんの場合は、ご自身の心配を振り返りながらお子さんの問題ときちんと分離して悩まれているようですので、安心していっぱい悩んでもらって大丈夫だと思います。
障害のある子の「親なきあと」ってどうなるの?今からできる対応策から体験談まで紹介します!
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