生後10ヶ月から始まった多動。癇癪、脱走、転倒…息子を守る自信がなくなり引きこもりがちに。発達障害を知り、無知だった自分への後悔も

ライター:ウチノコ
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こんにちは、ADHDと自閉スペクトラム症の診断を持つ小学2年生、むっくんの母ウチノコです。現在は多動は落ち着いているむっくんですが、小さなころはなかなかの多動でした。大変だったことは覚えているのですが、実は私にはあまり当時の記憶がありません。今回はそんなむっくんの小さなころのお話です。

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監修: 三木崇弘
はりまこどものこころ診療所 院長
愛媛大学医学部卒。医学博士(東京医科歯科大学)、経営管理学修士(早稲田大学)。2013年より国立成育医療研究センターで児童精神科医として勤務。2019年よりフリーランスとして医療・教育・福祉・行政の現場で働く。2022年より地元兵庫県姫路市にUターンし、2025年4月「はりまこどものこころ診療所」を開設。

ひたすら追い掛け回す日々

むっくんの多動は歩き始めた生後10ヶ月ごろから始まったように記憶しています。何か気になるものが目に入ったら一直線! 私がついてきているかなんて確認もせず突っ走る。よく言えば好奇心旺盛な子ですが、車道への飛び出しやぶつかりなどの危険を回避するために神経をすり減らしながら「少しはじっとしてよ!」と怒っていたような記憶があります。
いつも追いかけていないといけないため、誰かと子育ての会話もできませんでした。ときどき、ほかの子と自分の子を比較して落ち込むというエピソードも聞きますが、比較しようにもほかの子の様子を観察することもできず、幸か不幸かそういう落ち込みも感じられない。そんな幼児時代でした。
お出かけ時の基本スタイル
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身の安全が守れない

むっくんは動きたいときに抱っこや手つなぎで行動を制されると癇癪を起こし、手を振り払って車道へ飛び出しそうになることもありました。当時は逃げられないように苦肉の策でこんな手のつなぎ方をしていました。
当時の手のつなぎ方
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しかし、このつなぎ方にもデメリットがありました。それは、とっさに手が離せないため、子どもが腕を引っ張られすぎて肘に亜脱臼を起こし肘内障になってしまう可能性があること。むっくんはとても力の強い子な上、痛みの感覚が少し鈍いところがあるので、自分で怪我をしないよう加減することが難しく親側が加減を判断する必要がありました。
脱臼、転倒…トラブルは絶えずで
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手を離せば危険、手をつなげば肘内障で本当に困りました。肩は抜けにくいので上腕固定でつかまった宇宙人のように歩いたり…。2歳過ぎにはむっくんの安全を守る自信がなくなり、親子で家に引きこもりがちになりました。幸いむっくんは外出が好きではない子だったので、外に連れ出さない私はダメな親だと、私が自己バッシングしていたくらいでむっくんはご機嫌で過ごせていたことが幸いですね。
お出かけが大変で家に引きこもりがちに
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今思う多動の理由

当時は何故突然走り出してしまうのか、出先でじっとできないのかわからず。なんで私はこんな大変なんだろう?しんどいしんどい、つらいつらい。と思っていました。だけど今はその理由がわかるような気がしています。
むっくんは8歳の今でもさまざまな刺激に対して不安を感じやすく、感覚過敏の強い子です。見るもの、触るもの、聞こえるもの、全てが初めての幼いころは今よりもっと過敏だったのだろうと思います。
例えば初めて行った場所でよくわからない音が聞こえたら、不安になり確認したくなるのは当然です。見たことのないものがあれば、安全を確認することで安心できると思います。
刺激が気になって確認しないとおさまらないむっくん
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私はその刺激が何なのかを知っているから不安も感じないし、刺激に気づきもしません。だけど過敏なむっくんは小さな刺激にたくさん不安を感じて反応してしまい、それが「多動」という状態を招いていたのだと考えています。本当にしんどくて、つらかったのは私ではなくてむっくんだった…だから外出を好まなかったのだと今ならわかるのです。
次ページ「感覚過敏を知ってから」

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