「小学校でやっていけない」遊べない、母から離れない娘に、焦りを感じて。場面緘黙と知らなかった年長のころ

ライター:まりまり
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現在小学4年生の次女。2年生の時に場面緘黙と診断されています。
そんな次女が年長さんのとき、保育園以外の同年代の子どもたちと関わる機会も多くなってきた中、新しい人たちとうまく関われない様子がかなり目立ってきました。
そのときのお話です。

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監修: 井上雅彦
鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
ABA(応用行動分析学)をベースにエビデンスに基づく臨床心理学を目指し活動。対象は主に自閉スペクトラム症や発達障害のある人たちとその家族で、支援のためのさまざまなプログラムを開発している。

なじみの保育園以外の子どもたちとの出会い

次女が年長さんのときに、長女は2年生。この年、私が長女の学童の役員をやっていたこともあり、今まで以上に子どもたちを連れて大人数で集まるという機会が増えました。そこに次女も一緒に連れて行っていて、今まで保育園のお友達くらいとしか関わることのなかった次女も、新しい子どもたちと出会うことになりました。長女のお友達とそのきょうだいで、子どもだけで10人以上の集団。私は「引っ込み思案の次女も少しは慣れてくれるといいな~」という思いでいました。

ずっと私のそばに居る

ずっと私のそばに居て遊べない次女
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最初はもじもじしていた初対面の子どもたちもすぐに慣れて、それぞれ年の近い子どもたちと遊ぶように。そんな中、次女は私のそばに居て、全く離れようとしません。今までの次女の性格から、まあそうなるだろうな~とは思っていましたが、次女は全く自分から動こうとしないのでした。

同年代の子どもの中に連れていってみる

同年代の子どもたちの中へさそってみる
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とりあえず、少し手伝いが必要だな~と思い「一緒に遊ぼう」と私が一緒に行き、しばらく次女とほかの子たちの相手をしてみました。みんなは快く受け入れてくれるので、なんとなく次女が慣れたかな? というころを見計らってその場を離れてみました。…が、気づくと次女は、またすぐに私の近くに戻ってきているのでした。

子ども同士の方がやりやすいのかな? と思って、長女に次女も一緒に遊んでもらえるように頼んでみることに。ここでも、長女の周りの子も快く受け入れてくれるけど、どうしても次女は一緒に遊べず一人になり、結局私のところに戻ってくるのでした。
同年代の子どもたちの中に連れて行ってもらう
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さらに、保護者の中に小学校の先生が居たので、一人遊べない次女のことを気にしてくれて、「一緒に遊んで~」と一部の子たちに声をかけて連れて行ってくれました。

…が、これもしばらくは一緒にいるけどすぐ戻ってきてしまう…。こんな感じで、次女は結局ずっと私のそばに居るのでした。
結局私のところに戻ってきてしまう次女
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じゃあみんなと遊びたくないのか?と言えば、そういう訳ではなくて、本人に聞くと「遊びたい」と答えるのでした…。
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遊びたいのに遊べない

コミュニケーションが全くとれない次女
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あんなにほかの子は親切にしてくれているのに、なんでみんなの輪の中に入って遊べないんだろうと思って、次女の様子を見てみました。
すると、

・話しかけられても、黙ってしまって返せない
・全く笑顔を見せないしつまらなそうな表情をしている
・みんなが遊びと共に場所を移動していてもついていけないでじっとしている


このような感じでコミュニケーションがとれないので、楽しく遊んでいる周りの子も次女に声をかけられなくなってしまうのでした。そんな次女を見て、私は「保育園ではできているのに…」「家ではあんなに明るいのに…」「うれしいなら少しくらい笑えばいいのに…」と思っていました。

この日は、朝から一日みんなで一緒に居て、ほかの子たちはどんどん仲良くなって遊んでいる中、次女は最後まで、誰とも一緒に遊ぶことがありませんでした。

焦りでいろいろ見えなくなってしまっていた

焦る私
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長女の運動会に出たとき、いつもはできているようなこともできずに動けなくなってしまった次女を見て、小学校入学に向けてとにかく焦っていた私。そんな中、さらにみんなとコミュニケーションが取れない状態の次女を見て、「アレ? おかしいな??」と思う前に「これじゃあ小学校でやっていけない! 何とかしなくちゃ!」という気持ちの方が勝ってしまっていたのでした…。

今思い返すと場面緘黙は「その子の性格」と周りが勘違いしてしまうことが多いように感じます。家族の前では普通に話せたり、他人の前でも少しは話せたり何かできたりすると、私のように一番身近にいる親でさえも、「ものすごく恥ずかしがり屋で引っ込み思案な子」で、「できるのにやらない」、そして「甘やかし過ぎてるかも」などと思ってしまいます。

本人は「話さない」ではなく「話せない」でとても困っているのに、なかなかその状態に周りが気づきにくいのが場面緘黙の難しいところだな、と思うのでした。

執筆/まりまり
(監修:井上先生より)
場面緘黙のあるお子さんの場合、初めての場所や人、活動などに対して緊張や不安を抱きやすく、発話やほかの場面でできていたことも急にできなくなってしまうことはあります。親の立場から見ると、場面緘黙の症状は理解していたとしても、特に就学前のお子さんに対しては将来への不安や焦りの気持ちも強くなると思います。

周囲の人はこういった症状を誤解しやすく、本人の限界を超えた働きかけをしてしまうと、より症状が悪化してしまうリスクもあります。お話はできなくても、がんばって参加できていることを認めつつ、ゆっくりと慣れていく機会になればいいですね。
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