生理で卒倒、空腹で低血糖…厳しい校則に苦しんだ中高時代の体調不良。「健康的に学びたかった」ASDの私が今思うこと
ライター:宇樹義子
もともとASDによる感覚過敏や体温調節の苦手がある私。中学生ぐらいになると、二次障害が出てくると同時に第二次性徴の時期となり、体調の不安定な日が増えていきました。今回は当時の苦労と、どんな環境だったらもっと楽に過ごせたかについてお伝えします。
監修: 初川久美子
臨床心理士・公認心理師
東京都公立学校スクールカウンセラー/発達研修ユニットみつばち
臨床心理士・公認心理師。早稲田大学大学院人間科学研究科修了。在学中よりスクールカウンセリングを学び、臨床心理士資格取得後よりスクールカウンセラーとして勤務。児童精神科医の三木崇弘とともに「発達研修ユニットみつばち」を結成し、教員向け・保護者向け・専門家向け研修・講演講師も行っている。都内公立教育相談室にて教育相談員兼務。
東京都公立学校スクールカウンセラー/発達研修ユニットみつばち
天候の変化で片頭痛、眠気やだるさ
生理が来るようになると、天気の悪い日にはときどき片頭痛が出るようになりました。片頭痛が出ない日でも、天気が悪いと眠気やだるさに拍車がかかる。身体が砂袋のように重たく感じられました。
発達障害と片頭痛の明確な関連はわかっていないようですが、片頭痛の一つの原因として脳の過敏があげられているので、私に発達障害があることと片頭痛持ちであることにはなんらかの関連があるかもしれないと個人的には思っています。
発達障害と片頭痛の明確な関連はわかっていないようですが、片頭痛の一つの原因として脳の過敏があげられているので、私に発達障害があることと片頭痛持ちであることにはなんらかの関連があるかもしれないと個人的には思っています。
冬の時期の冷えのぼせと感覚過敏
私にはもともと体温調節が苦手で、暑さ寒さに敏感なところがありました。中学高校は通学にトータルで片道2時間近くかかる私立一貫校に通っていて、慢性的に過労状態だったことから、今思えば自律神経の状態はガタガタでした。それで、ひどい冷えのぼせが起きていたのです。
暖房のきいた室内で上半身は暑くてしょうがなく、顔は真っ赤で、みんなセーターを着ている中ひとりでブラウス1枚になって腕まくり。襟のボタンも開けて下敷きで顔を扇いでいました。許されるものなら下着一枚になっていたことでしょう。暑くてたまらないのに汗がうまく出ない。こんなとき、下半身は触っても感覚がないほど冷たくなっていました。
「まだ思春期なのにもう更年期みたいな感じだな」と思っていた当時。私の発達障害に気づいている人は私も含め誰一人いなかったので、ただひたすらに耐えるばかりでした。
制服の冬服はウールを使った比較的高価なものでしたが、私の感覚過敏の症状からすると耐え難く、セーターもスカートもコートの襟の部分もチクチクしました。コートはいい生地でできていましたが鎧を着ているように硬くて重く、着ているだけで疲労困憊してしまう。でもみんなが同じつらさに耐えているんだと思っていましたから、やはりこれもひたすらに我慢していました。
冷えのぼせと感覚過敏のつらさが重なって、通学電車で気持ち悪くなってしまうこともよくありました。
暖房のきいた室内で上半身は暑くてしょうがなく、顔は真っ赤で、みんなセーターを着ている中ひとりでブラウス1枚になって腕まくり。襟のボタンも開けて下敷きで顔を扇いでいました。許されるものなら下着一枚になっていたことでしょう。暑くてたまらないのに汗がうまく出ない。こんなとき、下半身は触っても感覚がないほど冷たくなっていました。
「まだ思春期なのにもう更年期みたいな感じだな」と思っていた当時。私の発達障害に気づいている人は私も含め誰一人いなかったので、ただひたすらに耐えるばかりでした。
制服の冬服はウールを使った比較的高価なものでしたが、私の感覚過敏の症状からすると耐え難く、セーターもスカートもコートの襟の部分もチクチクしました。コートはいい生地でできていましたが鎧を着ているように硬くて重く、着ているだけで疲労困憊してしまう。でもみんなが同じつらさに耐えているんだと思っていましたから、やはりこれもひたすらに我慢していました。
冷えのぼせと感覚過敏のつらさが重なって、通学電車で気持ち悪くなってしまうこともよくありました。
厳しすぎる校則で倒れそうなほど空腹
私の通っていた私立の中高一貫校は保守的なお嬢様校で、どうしてこんな校則が存在しているんだろうと首をかしげるような、厳しすぎる校則がたくさんありました。
昼食は保護者の手作りのお弁当でなければならない。買ってきた惣菜などはギリギリ認めるが、形だけでもお弁当箱に詰め替えなければいけない。お菓子などの持参はいっさい禁止で、早弁も禁止。結果として昼休みまで間食はダメ。ジュースなどの飲み物も禁止で、「水筒に入れたお茶」しか飲んではいけない。
朝6時ぐらいに朝食を済ませた、もともと自律神経系の不安定な成長期まっただなかの子どもが、昼の1時近くまでいっさいカロリーをとってはいけないわけです。
なんなら1時間目ぐらいから小腹がすいてきて、2時間目ぐらいからはひたすら空腹との戦い。4時間目ぐらいになるともう頭がもうろうとしてフラフラになり、呂律も回らなくなってきます。1分1秒を数えるようにしてお弁当にありつき、あっという間にかっこんでからしばらく机に突っ伏して、15分ぐらいすると頭がはっきりしてくる…
いま思えば、空腹すぎて頭がぼうっとするとか舌がまわらないなどといった症状が出ていたのは、いわゆる低血糖という状態になっていたのでしょう。
昼食は保護者の手作りのお弁当でなければならない。買ってきた惣菜などはギリギリ認めるが、形だけでもお弁当箱に詰め替えなければいけない。お菓子などの持参はいっさい禁止で、早弁も禁止。結果として昼休みまで間食はダメ。ジュースなどの飲み物も禁止で、「水筒に入れたお茶」しか飲んではいけない。
朝6時ぐらいに朝食を済ませた、もともと自律神経系の不安定な成長期まっただなかの子どもが、昼の1時近くまでいっさいカロリーをとってはいけないわけです。
なんなら1時間目ぐらいから小腹がすいてきて、2時間目ぐらいからはひたすら空腹との戦い。4時間目ぐらいになるともう頭がもうろうとしてフラフラになり、呂律も回らなくなってきます。1分1秒を数えるようにしてお弁当にありつき、あっという間にかっこんでからしばらく机に突っ伏して、15分ぐらいすると頭がはっきりしてくる…
いま思えば、空腹すぎて頭がぼうっとするとか舌がまわらないなどといった症状が出ていたのは、いわゆる低血糖という状態になっていたのでしょう。