頑張る時期が周りより5年ズレてた!?中高時代、成績最悪だったADHD息子が18歳でようやくみつけた勉強法

2022/01/25 更新
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ADHDと広汎性発達障害(自閉スペクトラム症)がある息子のリュウ太のテスト結果は最悪。勉強にヤル気が起きなかった理由を中高時代を振り返って勉強モードになれなかったり、短期記憶が苦手だったり落ち込んでいた当時の心理を本人が話してくれました。

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かなしろにゃんこ。
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監修: 井上雅彦
鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授
LITALICO研究所 客員研究員
応用行動分析学をベースにエビデンスに基づく臨床心理学を目指し活動。対象は主に自閉症や発達障害のある人たちとその家族で、支援のための様々なプログラムを開発している。

なかなか勉強モードになれない息子

予習復習、テスト勉強を一切やったことがない
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「覚える」というのが苦手な息子
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ADHDと広汎性発達障害(自閉スペクトラム症)がある息子のリュウ太。小学生のころは、感覚過敏があって教室にいることがつらかったり、教室での勉強に集中できないことがほとんどでした。

中学校では、遊びほうけていました。せっかく通っている塾をさぼったり、テスト勉強をいっさいやらなかったり…。高校受験を控えているにも関わらず勉強することを真剣に考えていないようでした。それは、将来のことがぼんやりしていて、イメージできていないことや、特性によって勉強に集中できないという理由があったようです。

現在はそんな息子も23歳。最近になって息子に聞いてみると、将来のことに目を向けて勉強にちゃんと取り組めるようになったのは18歳のとき。専修学校高等課に通っていたころからだったと言います。(遅っ!!)
なかなか勉強モードになれない息子
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なぜそれまで勉強に取り組めなかったのか。特に中学校のころ、一般的に将来について考え始めるようになる高校受験の時期に、どうして受験勉強に真剣に取り組めなかったのかを息子に聞くと、こんな答えがかえってきました。

1、学校の勉強と塾の勉強と学校の宿題の3つは気持ち的にキツイ。学校に行くだけで疲れてしまっていた。
「ボー――っと音楽を聴いたりくだらない動画を見て自分を癒したいって思っていたんだよね。勉強はそのうちやればいいだろうって後回しにしてた」


2、イヤなことは追い詰められないとできない。追い詰められてもできない。逃げたくなる。
「勉強ってどこまでやったら記憶できるか、分からなかった。できるまでやるには相当な努力をしなくちゃいけないのか?と疑問に思ってた。自分はそこまでの努力をしたことがないから、全く分からなかった」

だから、親に促されて勉強をしてもパフォーマンスに留まり、身になる学習には結びつかなかったというわけでした。
こんな思いがあってヤル気を失う
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当時を振り返って「勉強法が分からなかったから勉強なんてやったってムダだと思っていたし、いくつもの熟語や単語を暗記しても覚えたそばから忘れていく。本当にちゃんと忘れずに覚えてるだろうか?って再度確認するっていう勉強法が面倒くさかったんだよね」と言う息子。

短期記憶や作業記憶など苦手という特性があったこともあり、思うように記憶ができず勉強につまずいていたのだなと思いました。成果が出ないとヤル気もなかなか起こらないというのは分かります。
18歳でコツコツ知識を積み上げていく大切さを知った息子
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「結局、『コツコツと覚えていく』『一つひとつ積み重ねていく』方法しかないんだって納得できるくらいの経験値が少なかったから、真剣に勉強に取り組めるようになるまで何年もかかってしまった」と息子は言います。

「みんなはもっと簡単に覚えているんだろうと思っていた」とも言っていました。自分だけがスゴイ努力が必要なんじゃないかと思っていて、それをやるのは面倒くさいな…と感じていたそうです。周りのみんなも繰り返し暗記して覚えているんだと、あとになってから分かっていったようでした。
「みんなもっと簡単に覚えるんだろうと思ってた」という息子
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18歳のとき、息子が発見した「勉強モード」になる方法

息子が自分で見つけた「勉強モード」になる方法
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そんな息子は、好きな動画を見て、楽しく気持ちのいい時間を味わいながら勉強を始めるとスルリと勉強に入っていけるんだと専修学校の高等課3年のときに自分で発見!「自分は好きなものと勉強を結びつけてスタートさせるとやりやすいと分かったんだ」と言っていました。
「やっと勉強モードになれたのに…!」
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また、「勉強しているのに『お風呂入りなさい』とか『学校からの手紙出しなさい』とか声かけられると調子よく勉強モードをつくった雰囲気が台なしになるから声をかけないでほしいって思ったね!」とも言われました。22時ごろになると声をかけて、就寝の準備を促していたのが息子にとっては勉強の妨げになっていたと知り、母は反省です…。
息子は、自分なりのやり方を見つけてから勉強への苦手感が少しずつ軽減・解消されていったのではないかと思います。
頑張るようになった年齢がみんなとズレている息子
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調子よく勉強できるようになる脳年齢があるのか?精神年齢と関係があるのか?知りたいところです。

現在息子は23歳となり、車の整備士から異業種に転職して再度資格取得に向けて専門の講習などを受けています。
学生のころと変わらず周りについていくのが大変のようですが自分なりの集中法で毎日机に向き合うことができるようになっています。

執筆/かなしろにゃんこ。
(監修:井上先生より)
お子さん自身が自分のやりたいことや、自分に合った勉強法を見つけることができたのはとてもすばらしいですね。思春期以降にこのことに気づけることは、とても重要だと思います。義務教育の間はどうしても周りの人がしていることを同じペースで学ばなければいけないので、学習面に凸凹がある子どもたちにとっては時として苦痛になることもあると思いますし、好きなことに出合わないと、勉強する意味もわからず、やる気も起きないことが多いかもしれません。

将来やりたいことや、学びたいこと、好きなことがあれば、大学を待たずに先にかじってみるのもいいかもしれません。自分が『やりたいこと』をやるには、「どの分野を学習すればよいのか、自分には今何の分野の学習が足りないのか」が分かることで、苦手と感じる分野であっても勉強する意欲につながったというケースも実際にあります。

また、現在の専門学校や大学、大学院の制度は柔軟になっています。特定の領域だけが得意だというお子さんにも、チャンスはあります。

勉強が好きになる時期に脳年齢というのがあるわけではありません。むしろ今の息子さんは「何歳までに○○を勉強しないといけない」というものに縛られず、『好きなこと、やりたいこと』を見つけ、それを学習することの価値を見つけられたのだと思います。本来の学ぶ喜びに出会えた息子さんは、新しい価値観や人生にこれから出合えていくのではないでしょうか。
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