頑張る時期が周りより5年ズレてた!?中高時代、成績最悪だったADHD息子が18歳でようやくみつけた勉強法
ライター:かなしろにゃんこ。
ADHDと広汎性発達障害(自閉スペクトラム症)がある息子のリュウ太のテスト結果は最悪。勉強にヤル気が起きなかった理由を中高時代を振り返って勉強モードになれなかったり、短期記憶が苦手だったり落ち込んでいた当時の心理を本人が話してくれました。
監修: 井上雅彦
鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
ABA(応用行動分析学)をベースにエビデンスに基づく臨床心理学を目指し活動。対象は主に自閉スペクトラム症や発達障害のある人たちとその家族で、支援のためのさまざまなプログラムを開発している。
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
なかなか勉強モードになれない息子
ADHDと広汎性発達障害(自閉スペクトラム症)がある息子のリュウ太。小学生のころは、感覚過敏があって教室にいることがつらかったり、教室での勉強に集中できないことがほとんどでした。
中学校では、遊びほうけていました。せっかく通っている塾をさぼったり、テスト勉強をいっさいやらなかったり…。高校受験を控えているにも関わらず勉強することを真剣に考えていないようでした。それは、将来のことがぼんやりしていて、イメージできていないことや、特性によって勉強に集中できないという理由があったようです。
中学校では、遊びほうけていました。せっかく通っている塾をさぼったり、テスト勉強をいっさいやらなかったり…。高校受験を控えているにも関わらず勉強することを真剣に考えていないようでした。それは、将来のことがぼんやりしていて、イメージできていないことや、特性によって勉強に集中できないという理由があったようです。
勉強に取り組めるようになったのは18歳から! なぜそれまでできなかったか本人に聞いてみると……。
現在はそんな息子も23歳。最近になって息子に聞いてみると、将来のことに目を向けて勉強にちゃんと取り組めるようになったのは18歳のとき。専修学校高等課に通っていたころからだったと言います。(遅っ!!)
なぜそれまで勉強に取り組めなかったのか。特に中学校のころ、一般的に将来について考え始めるようになる高校受験の時期に、どうして受験勉強に真剣に取り組めなかったのかを息子に聞くと、こんな答えがかえってきました。
1、学校の勉強と塾の勉強と学校の宿題の3つは気持ち的にキツイ。学校に行くだけで疲れてしまっていた。
「ボー――っと音楽を聴いたりくだらない動画を見て自分を癒したいって思っていたんだよね。勉強はそのうちやればいいだろうって後回しにしてた」
2、イヤなことは追い詰められないとできない。追い詰められてもできない。逃げたくなる。
「勉強ってどこまでやったら記憶できるか、分からなかった。できるまでやるには相当な努力をしなくちゃいけないのか?と疑問に思ってた。自分はそこまでの努力をしたことがないから、全く分からなかった」
だから、親に促されて勉強をしてもパフォーマンスに留まり、身になる学習には結びつかなかったというわけでした。
1、学校の勉強と塾の勉強と学校の宿題の3つは気持ち的にキツイ。学校に行くだけで疲れてしまっていた。
「ボー――っと音楽を聴いたりくだらない動画を見て自分を癒したいって思っていたんだよね。勉強はそのうちやればいいだろうって後回しにしてた」
2、イヤなことは追い詰められないとできない。追い詰められてもできない。逃げたくなる。
「勉強ってどこまでやったら記憶できるか、分からなかった。できるまでやるには相当な努力をしなくちゃいけないのか?と疑問に思ってた。自分はそこまでの努力をしたことがないから、全く分からなかった」
だから、親に促されて勉強をしてもパフォーマンスに留まり、身になる学習には結びつかなかったというわけでした。
「覚えたそばから忘れていく」「みんなはもっと簡単に覚えるんだろうと思ってた」ヤル気を失っていた息子
当時を振り返って「勉強法が分からなかったから勉強なんてやったってムダだと思っていたし、いくつもの熟語や単語を暗記しても覚えたそばから忘れていく。本当にちゃんと忘れずに覚えてるだろうか?って再度確認するっていう勉強法が面倒くさかったんだよね」と言う息子。
短期記憶や作業記憶など苦手という特性があったこともあり、思うように記憶ができず勉強につまずいていたのだなと思いました。成果が出ないとヤル気もなかなか起こらないというのは分かります。
短期記憶や作業記憶など苦手という特性があったこともあり、思うように記憶ができず勉強につまずいていたのだなと思いました。成果が出ないとヤル気もなかなか起こらないというのは分かります。
「結局、『コツコツと覚えていく』『一つひとつ積み重ねていく』方法しかないんだって納得できるくらいの経験値が少なかったから、真剣に勉強に取り組めるようになるまで何年もかかってしまった」と息子は言います。
「みんなはもっと簡単に覚えているんだろうと思っていた」とも言っていました。自分だけがスゴイ努力が必要なんじゃないかと思っていて、それをやるのは面倒くさいな…と感じていたそうです。周りのみんなも繰り返し暗記して覚えているんだと、あとになってから分かっていったようでした。
「みんなはもっと簡単に覚えているんだろうと思っていた」とも言っていました。自分だけがスゴイ努力が必要なんじゃないかと思っていて、それをやるのは面倒くさいな…と感じていたそうです。周りのみんなも繰り返し暗記して覚えているんだと、あとになってから分かっていったようでした。