小中学校で友達トラブルやケンカが多かった発達障害息子。意外な方法で感情をコントロールしてトラブル激減⁈
ライター:かなしろにゃんこ。
ADHDと広汎性発達障害(自閉スペクトラム症)がある息子のリュウ太はケンカっぱやいところがあります。それが原因で学校では友達とトラブルになり、保護者の私のところに電話がかかってきたり、学校まで呼び出されることもありました。
「ケンカはやめて!」と言ったところで止まらない…そんな息子を徐々に変えたのは、負けたことで気がついた「受け流す方法」でした。
発達障害の子どもの友達トラブルへの対応について、専門家の解説と共にご覧ください。
監修: 井上雅彦
鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
ABA(応用行動分析学)をベースにエビデンスに基づく臨床心理学を目指し活動。対象は主に自閉スペクトラム症や発達障害のある人たちとその家族で、支援のためのさまざまなプログラムを開発している。
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
発達障害の中学生の対人トラブル、保護者はどうすればいい?
発達障害とは、先天的な脳機能の発達のアンバランスさによって、困りごとが生じる障害です。発達障害の特性と、周りの環境にミスマッチがあると、生活する上でさまざまな困りごとがおこってしまいます。
発達障害の子どもが中学生になると、グループ行動・友逹との会話などに苦手さを感じることが多くなる傾向があります。興味や関心が合わない友達と、話題を合わせられず、自分のしたい話ばかりを一方的にしてしまう、比喩や皮肉が分からず言われた通りに受け止めやすい子どもは、誤解やすれ違いが生じることがあります。
中学生になると思春期、反抗期に入っている子どももいます。トラブルのケースにもよりますが、保護者は必要以上に干渉せず、見守ることも大切です。まずは、子どもが安心して話せる環境をつくること、「悪いのはあなた」と決めつけるのではなく、「どんなときもあなたの味方」という姿勢で、一貫性のある態度で子どもの考えを聞くようにしましょう。本人が学校の様子を話したがらない場合は、学校の先生から、休み時間や部活での様子を聞くことも一つです。
発達障害の子どもが中学生になると、グループ行動・友逹との会話などに苦手さを感じることが多くなる傾向があります。興味や関心が合わない友達と、話題を合わせられず、自分のしたい話ばかりを一方的にしてしまう、比喩や皮肉が分からず言われた通りに受け止めやすい子どもは、誤解やすれ違いが生じることがあります。
中学生になると思春期、反抗期に入っている子どももいます。トラブルのケースにもよりますが、保護者は必要以上に干渉せず、見守ることも大切です。まずは、子どもが安心して話せる環境をつくること、「悪いのはあなた」と決めつけるのではなく、「どんなときもあなたの味方」という姿勢で、一貫性のある態度で子どもの考えを聞くようにしましょう。本人が学校の様子を話したがらない場合は、学校の先生から、休み時間や部活での様子を聞くことも一つです。
以下は、発達障害のお子さんが中学生の時経験した友達トラブルについての体験談です。専門家のコメントと併せてご覧ください。
人づき合いが苦手な息子は、中学校でもトラブル多発
ADHDと広汎性発達障害(自閉スペクトラム症)がある息子、リュウ太。小学生のときは、意見が合わないと周りの子と衝突してしまい、うまく人間関係を築けなかったり、人づきあいの悩みがありました。不器用な息子を見ては、親の私も心配で悩んでいました。
小1から小6まで息子は、「からかい甲斐がある」と同じ学年の男子からケンカを売られることが頻繁にありました。息子がからかいに対してすぐ反応するのを面白がっていたようです。そんな息子も中学生になると気の合う友達ができて、グループ行動になり、楽しい学校生活を送っていました。
しかし、仲の良い友達以外の人との小競り合いは中学校になってもありました。
息子は、目立ちたがり屋で、状況を考えずに大声ではしゃいでしまうところがあります。そんな息子をよく思わない同級生もいて、それがトラブルに発展してしまうことがよくありました。違うクラスの話したことがない同級生から、突然文句を言われることもあったようです。息子は「なんで急に関わりがあまりない人に文句を言われなくちゃいけないんだろう?」と家に帰ってきてはいつもグチを言っていました。
小1から小6まで息子は、「からかい甲斐がある」と同じ学年の男子からケンカを売られることが頻繁にありました。息子がからかいに対してすぐ反応するのを面白がっていたようです。そんな息子も中学生になると気の合う友達ができて、グループ行動になり、楽しい学校生活を送っていました。
しかし、仲の良い友達以外の人との小競り合いは中学校になってもありました。
息子は、目立ちたがり屋で、状況を考えずに大声ではしゃいでしまうところがあります。そんな息子をよく思わない同級生もいて、それがトラブルに発展してしまうことがよくありました。違うクラスの話したことがない同級生から、突然文句を言われることもあったようです。息子は「なんで急に関わりがあまりない人に文句を言われなくちゃいけないんだろう?」と家に帰ってきてはいつもグチを言っていました。
中2のころ、大けがをするトラブルが
人づき合いが苦手な息子は、小学生のときは同級生に暴力をふるってしまうというトラブルが何度もあり、親子でその謝罪ばかりしていました。そのときに「今後は何があっても絶対に暴力はふるわないこと、手を出さないこと」を約束しました。ケンカっぱやい息子ではありますが、中学生になってもそのことだけは、ずっと守ってくれていました。
そんな中2のころ、息子は当時足を骨折していたにもかかわらず自分よりも体格のいい男の子とトラブルになり、さらにケガさせられてしまいました。息子は手は出さなかったものの、相手を言葉で挑発して刺激してしまったのです。息子は「お母さんとした『相手に手は出さない』って約束を守ると、逆に自分を守れないよな~」と不満気でした。
このトラブルでは、相手のお子さんが学校から厳しく指導される案件となりました。
そんな中2のころ、息子は当時足を骨折していたにもかかわらず自分よりも体格のいい男の子とトラブルになり、さらにケガさせられてしまいました。息子は手は出さなかったものの、相手を言葉で挑発して刺激してしまったのです。息子は「お母さんとした『相手に手は出さない』って約束を守ると、逆に自分を守れないよな~」と不満気でした。
このトラブルでは、相手のお子さんが学校から厳しく指導される案件となりました。
相手は、わが家まで親子で謝罪に来てくれました。息子とトラブルになった同級生は(オレは謝りたくない)というような顔をしていて、頭を軽く下げた程度の謝罪でしたが、保護者の方は誠心誠意謝罪してくださいました。
私は、「ケンカは両成敗」「相手がけがをしてもおあいこ」と思っています。ケガをさせてしまった方だけが悪いとは思っていないので、謝りに来てくれた保護者の方には「うちも悪いんです。すみません」と言いました。「申し訳ない…」と頭を下げる相手の保護者の方の気持ちがとても分かるので責める気になれませんでした。
小学生のころは、息子が友達に手を出してしまい謝罪をするということばかりでしたが、このトラブルで”けがをさせられた親”の立場になりました。息子にはヒドイと思われるだろうと思い、本人には話せませんでしたが、「うちの子が傷ついて悲しいな、イヤだな」という気持ちよりも、「息子が相手にケガをさせたのではなくてよかった」とホッとしてしまったのが本心でした。
私は、「ケンカは両成敗」「相手がけがをしてもおあいこ」と思っています。ケガをさせてしまった方だけが悪いとは思っていないので、謝りに来てくれた保護者の方には「うちも悪いんです。すみません」と言いました。「申し訳ない…」と頭を下げる相手の保護者の方の気持ちがとても分かるので責める気になれませんでした。
小学生のころは、息子が友達に手を出してしまい謝罪をするということばかりでしたが、このトラブルで”けがをさせられた親”の立場になりました。息子にはヒドイと思われるだろうと思い、本人には話せませんでしたが、「うちの子が傷ついて悲しいな、イヤだな」という気持ちよりも、「息子が相手にケガをさせたのではなくてよかった」とホッとしてしまったのが本心でした。