ASD息子は切り替え下手で外出先でも大癇癪!そんな彼に大ヒットした視覚支援での劇的ビフォーアフター

ライター:ゆきみ
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自閉スペクトラム症と診断を受けた3歳のころ、切り替えがうまくできずに癇癪やパニックになってしまうことが多かった長男けんと。「視覚支援」というのがあると知り試しにやってみると、うちの子の場合にはバッチリはまりました。「これで、こんなにも違うの?」とビックリしたエピソードを描いていきたいと思います。

監修者初川久美子のアイコン
監修: 初川久美子
臨床心理士・公認心理師
東京都公立学校スクールカウンセラー/発達研修ユニットみつばち
臨床心理士・公認心理師。早稲田大学大学院人間科学研究科修了。在学中よりスクールカウンセリングを学び、臨床心理士資格取得後よりスクールカウンセラーとして勤務。児童精神科医の三木崇弘とともに「発達研修ユニットみつばち」を結成し、教員向け・保護者向け・専門家向け研修・講演講師も行っている。都内公立教育相談室にて教育相談員兼務。

切り替えで大癇癪 勉強会で知ったのは…

お気に入りの場所から動かず、帰ろうとすると大暴れ&大号泣のけんと
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言葉が遅く、1歳半健診で指摘を受けた長男けんとは、市の発達支援の親子教室に通っていました。「毎日体を動かしましょう」とアドバイスをいただいていたのですが、散歩を嫌い、公園へ行っても座り込んで砂をサワサワ触るだけ。どうにか少しでも歩いてほしいと、大好きなエレベーターと駐車場があるショッピングセンターによく行きました。

しかし3歳のころ、大好きなエレベーターに乗りまくったあと、お気に入りの場所である、地下1階にある駐車場の事前精算機の前で動かなくなってしまったのです。帰るために離れようとすると大癇癪!!床をゴロゴロ転がって抵抗し、隙をみてママから逃走してお気に入りの場所へ…。そのころはまだ弟が赤ちゃんだったので、暴れるけんとと2人を抱っこして車に連れていくのが本当に大変で、気がめいってしまいそうでした。

そんなときに、親子教室や発達支援施設でおこなわれた勉強会に参加し「視覚支援」というのがあることを知ります。ネットや本でも調べてみて、軽い気持ちでやってみることにしました。

視覚優位!?視覚支援がピッタリはまった

言葉と簡単なイラストも添えて紙を見せると、すたすた歩くけんと
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ショッピングセンターに到着。
「1 エレベーター」「2 ちゅうしゃけん」「3 くるま」「4 おかし」など、言葉と簡単なイラストも添えて紙を見せてみました。

指をさしながら「次は駐車場だね」「次は車だね」と案内していくと、泣くこともせずに自らの足で次の場所まで歩きだしたのです!たった1枚の紙でこんなに違うの?と本当にビックリ!それからというものの「まだ帰りたくない」と癇癪をおこしてしまうような場所へいくときは紙を持っていき、順番を書いて見せることに。

その後、4歳ごろに通っていた発達支援施設の臨床心理士の先生に「けんとくんは視覚優位なタイプだと思います」と言われました。文字が読めなかったり、説明するのが難しい場所へ行ったりする場合、予めインスタントカメラやスマートフォンなどで撮影をして、写真を見せるのも有効的かもしれないとアドバイスをいただきました。

発達支援施設の先生の案で新たな発見

おわりの会で発表したくて泣いてしまうので、発表の日に丸をつけて説明したところ、泣かなくなった
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「いつもと違う行動」というのが苦手なけんと。忘れ物に気がつき、家に引き返そうとしたときや、帰宅途中にコンビニへ寄ろうとしたときに大癇癪をおこしてしまうことがありました。「お店に寄ってから家に帰るよ」と口でいくら言っても泣き止まないのに、紙に「おみせ→いえ」と書いて見せるだけでピタリと泣き止むことも。

年長で通っていた発達支援施設では「おわりの会」のときに数人が「今日の感想」を発表するというのがありました。けんとは、これが大好きで毎回発表をしたがったそうです。ですが当番制!毎回は無理です。どうしても発表したいけんとは大号泣。それが何回か続きました。

そこで先生が提案してくださったのが、カレンダーを印刷し、けんとの当番の日に丸をつけてくださるというもの。施設に行く前にカレンダーを見ながら「今日は発表だね」と確認してから行くと、泣くことはなくなりました。
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年齢と共に少し変化!?6歳の現在は…

「忘れ物を取りに帰る」「寄り道」も今ではできるように
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6歳になった現在は「忘れ物を取りに帰る」「寄り道して帰る」というのがどういう状態なのかというのを理解したようで、文字にせず、口での説明だけでも大丈夫なことが増えてきました。それでも視覚を使わないと理解が難しいことも多く、試行錯誤の毎日です。

これは最近分かったのですが、うちの子の場合「なるべく前もって見通しを伝えておく」「予定変更になりそうな予定も含めて伝えておく」というのも大事なポイントのようでした。

今から思いかえしてみると、ショッピングセンターで見せた紙の最後をいつも「おかし」にしていたのがお菓子大好きけんとくんは「食べたい!」となり上手くいったのかなーなんて思ったりもします。

イラストを書いたり、文字で書いたりと、ひと手間を加えるのは少し面倒なときもありますが、これからも「こんな小さなことで変わる?探し」を楽しむ気持ちでいけたらいいなと思っています。

執筆/ゆきみ
(監修:初川先生より)
視覚支援をめぐる驚いたエピソードの共有をありがとうございます。ASDのあるお子さんは「視覚支援」「見通しを提示する」がピタッとはまることが多いです。視覚的な刺激に引っ張られやすいため、お母さんの声掛けが入りづらかったり、言葉は分かっていても、実際の物事や展開と一致させることが苦手であったりするため、絵や文字で提示するのは有効なことが多いです。また、予期せぬことにパニックになりやすいASDのあるお子さんも多くいらっしゃると思いますが、だからこそ、あらかじめ見通しを提示しておくことは安心感につながります。年齢が上がるにつれ、急な変更が入りやすい場合は、そのことも見通しの中に入れておくことができますし、そういったことにも慣れてくると、急な変更にも少しずつ慣れていくこともあります。「こんな小さなことで変わる!?探し」、素敵ですね。小さな工夫でも本人に合っていればうまく機能することは結構あるかもしれません。ぜひ楽しく探してみてください。
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