周りには既にグループが…「小学校で友達つくるぞ!」幼稚園でウケた持ちネタ披露も大すべり!ASD息子が学んだ友達の輪への入り方

2022/05/03 更新
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うちの息子タケルは自閉スペクトラム症(ASD)があり、21歳の今は障害のある学生として大学からの配慮を得ながら通っています。しかし、小学校に上がる6歳のころは、発達障害があるとは分かっていませんでした。小学校に通うようになってしばらくは、周囲との関わり方が分からず、本人も、周りも困惑することが多かったようです。

今回は、タケルが小学校に入ったばかりのころの出来事を、思い出しながら書いてみました。

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寺島ヒロ
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監修: 井上雅彦
鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授
LITALICO研究所 客員研究員
応用行動分析学をベースにエビデンスに基づく臨床心理学を目指し活動。対象は主に自閉症や発達障害のある人たちとその家族で、支援のための様々なプログラムを開発している。

周囲は知らない人ばかりの小学校一年生

タケルは私立の幼稚園に3年間通い、地元の公立の小学校に進みました。新学期が始まってみると、周りはほとんど小学校付属の幼稚園から来た子たち。すでにお友達グループができているようだったので、この中に入っていくのは、難しそうだな、と思いました。

幼稚園でウケた「大技」を披露

しかし、言われたことはそのまま受け取るASDの息子のこと、入学式での「お友達をいっぱいつくってくださいね」という校長先生のスピーチに、すっかりやる気になりました。
早速「友達つくるぞ!」と、入学式の後、校庭で立ち話をしている男の子たちのグループに割り込みますが、知らない子が無言で入ってきても、話しかけてくれる子はいません。なんとなく距離を空けられ、いつしか解散してしまいます。
友達同士で喋っている中に無言で入っていこうとするタケル
Upload By 寺島ヒロ
なんて言って良いか分からないのかな…と、ハラハラしながら見ていると…大人びた感じの女の子が近づいてきました。どうやら、タケルが子どもたちの輪に入れないことを見て、話しかけてくれようとしているみたいです。
良かった…!
と、思ったのもつかの間、
タケルが、急に大きな声で「ピコーン!ピコーン!」と言いながら飛び跳ね始めました!
近づいてきた女子に向かって、なぜか飛び跳ねて見せる息子
Upload By 寺島ヒロ
あれは…!「某有名ゲームのキャラクターが21連続でコインを叩く」というタケルの持ちネタ…!
しかし、そんなことは知るよしもなく…汗だくになりながら「ピコンピコン」と繰り返すタケルに恐れをなし、女の子は半泣きでどこかに行ってしまいました。

大滑りを経験して思ったこと

友達をつくるぞ!と意気込んでいたものの、幼稚園ではテッパンだった「ゲームの真似」も不発に終わり、当時はタケルも相当落ち込んだようです。
幼稚園では、物心つく前から一緒にいた仲間だったので、特に彼らには前振りなどなくても、タケルが何かネタを披露していると集まってきて、笑ってくれてたのですよね。でも、知らない人ばかりの中では、タケルは、急に予想のつかない動きを始めるコワイ人でしかありませんでした。

会話の中で話題を変えるときのスキル

そんなタケルでしたが、小学校に通い始めて2〜3ヶ月もすると、学校で親しく話すことのできる子ができてきました。4年生になるころには、クラス替えがあっても「友達」と言えるような子もでき、なんとかなるもんだなあとホッとしました。
今、大きくなった息子に、小学校のときの友達のことを聞いてみると…
ネタを披露するためのフリの会話を入れることを覚えた現在のタケル
Upload By 寺島ヒロ
自分なりにルールをつくっていたようです。

いつもうまくはいかないけれど…

相手があることでは、自分の思いついたことをいきなり始めないというのは、当たり前のことではありますが、ASDのある子どもの場合、なかなか想像できないことかもしれないと思いました。
実は二十歳を越えた今でも、それまでの会話と関係なく、思いついたことを長尺で喋ってしてしまうことがあり、しばしば友達に「ご講義はいいから!」とツッコミを入れられたりしています。
三つ子の魂なんとやらですが、それでも、いつしか外で「いきなりゲームキャラの真似」はしなくなったので、少しずつ人付き合いの中で学んでいるんだろうなと思います。
執筆/寺島ヒロ

(監修:井上先生より)
ASDのある方の場合、自分が会話に入っていくときや話題を変えるときに、タイミングが計れない、あるいは切り出し方が分からないといった声をよく聞きます。タケルさんのように、話題を転換するときに予告をしたり、相手に指摘されたときにうまく受け入れることができると、苦手意識は軽減するかもしれませんね。また、相手の話を相槌を打ちながら、上手に聴く、というスキルがあると相手との関係も取りやすくなると思います。
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