発達性協調運動症(発達性協調運動障害)とは?乳児期から小学生まで、年齢別の困りごと例も【専門家解説】ーーマンガで学ぶDCD

ライター:マンガで分かる発達障害のキホン
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発達性協調運動症とは、日常生活における協調運動が、本人の年齢や知能に応じて期待されるものよりも不正確であったり、困難であるという障害です。そんな発達性協調運動症(発達性協調運動障害・DCD)について解説します。

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監修: 高畑脩平
藍野大学 医療保健学部 作業療法学科 講師
NPO法人はびりす 理事
作業療法士。NPO法人はびりす理事。専門は読み書き障害の子どもへの支援。著書に「子ども理解からはじめる感覚統合遊び 保育者と作業療法士のコラボレーション (クリエイツかもがわ)」ほか。

発達性協調運動症(発達性協調運動障害・DCD)とは?

発達性協調運動症(発達性協調運動障害・DCD)とは、日常生活における協調運動が、本人の年齢や知能に応じて期待されるものよりも不正確であったり、困難であるという障害です。発達性強調運動症のある子どもが「乳児期」「幼児期」「小学生」それぞれの時期に直面しやすい困りごとについてご紹介します。
発達性強調運動症(発達性強調運動障害・DCD)とは、日常生活における強調運動が本人の年齢や知能に応じて期待されるものよりも不正確であったり、困難であるという障害です。(監修:白鳳短期大学講師、奈良教育大学特別支援教育研究センター 研究員、奈良県障害者総合支援センター、作業療法士 高畑 脩平先生)
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発達運動には大きく分けて、走る・歩くなどの「粗大運動」と、字を書く・絵を描く・ボタンを留めるなどの「微細運動」があります。(監修:白鳳短期大学講師、奈良教育大学特別支援教育研究センター 研究員、奈良県障害者総合支援センター、作業療法士 高畑 脩平先生)
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発達性協調運動症(発達性協調運動障害・DCD)のある子どもは、乳幼児期には「寝返り、ハイハイなどがうまくできない」、「母乳やミルクが不器用さから飲めない(むせる)」などの困りごとが見られることがあります。(監修:白鳳短期大学講師、奈良教育大学特別支援教育研究センター 研究員、奈良県障害者総合支援センター、作業療法士 高畑 脩平先生)
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発達性協調運動症(発達性協調運動障害・DCD)のある子どもは、幼児期には、「歩くのが遅い」、「平らな場所で転ぶ」などの困りごとが見られることがあります。(監修:白鳳短期大学講師、奈良教育大学特別支援教育研究センター 研究員、奈良県障害者総合支援センター、作業療法士 高畑 脩平先生)
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発達性協調運動症(発達性協調運動障害・DCD)のある子どもは、小学校入学以降、「ボール遊びが苦手」、「靴ひもを結べない」、「文字をマスの中に入れて書けない」などの困りごとが見られることがあります。(監修:白鳳短期大学講師、奈良教育大学特別支援教育研究センター 研究員、奈良県障害者総合支援センター、作業療法士 高畑 脩平先生)
イラスト/かなしろにゃんこ。
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そもそも協調運動とは?

協調運動とは、手と手、手と目、手と足などの個別の動きを一緒に行う運動です。例えば、私たちがキャッチボールをするとき、ボールを目で追いながら、ボールをキャッチするという動作を同時にしていますよね。他にも、縄跳びをするとき、ジャンプする動作と、縄を回す動作を同時にしなくてはなりません。このような運動を協調運動と言います。

発達性協調運動症(発達性協調運動障害)について

発達性協調運動症とは、日常生活における協調運動が、本人の年齢や知能に応じて期待されるものよりも不正確であったり、困難であるという障害です。

本人の運動能力が期待されるよりどのくらい離れているかは、通常「MABC-2」(Movement Assessment Battery for Children,2nd  Edition version)や、「JPAN」(日本版感覚統合検査)と呼ばれる感覚処理行為機能テストなどのアセスメントによって評価されます。これらのテスト結果を参考に、医師が発達性協調運動症かどうかを判断します。

人間の運動の発達をみるとき、大きく分けて、粗大運動と微細運動に分類できます。人間は、さまざまな感覚器官から得られた情報をもとに、初めは姿勢を保つことや寝返りといった粗大運動を習得し、次第に段階を踏みながらより細かい微細運動ができるようになります。

粗大運動

粗大運動とは、感覚器官からの情報をもとに行う、姿勢と移動に関する運動です。

粗大運動には、先天的に人間に備わっている運動と、後天的に学ぶ運動があります。寝返り、這う、歩く、走るといった基本的な運動は人間が先天的に持っている粗大運動能力です。一方、泳ぐ、自転車に乗るなどの運動は、環境的な影響や学習によって身につけると言われています。

微細運動(巧緻運動)

微細運動とは、感覚器官や粗大運動で得られた情報をもとに、小さい筋肉(特に指先など)の調整が必要な運動です。モノをつまんだり、ひっぱったり、指先を使って細かな作業、例えば、絵を書く、ボタンをかける、字を書くなどの運動があります。成長とともに、粗大運動から、より細かい微細運動ができるようになります。
 
発達性協調運動症のある人は、粗大運動や微細運動、またはその両方における協調運動が同年代に比べぎこちなく、遅かったり、不正確になります。

子どもによって、乳幼児期の粗大運動には全く遅れや苦手はなかったが、幼稚園や、小学校に行くようになり微細運動を必要とする場面が増え、微細運動が顕著に困難である場合もあります。
次ページ「発達性協調運動症のある子どもの年齢別の困りごと」

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