「幼稚園いや!」グレーゾーン娘の激しい登園渋りに休む電話をするのもつらく…そんなとき思わず語りかけたこととは

2022/06/16 更新

こんにちは、とまぱんです。発達グレーゾーンの4歳の娘を育てています。現在娘は年中ですが、年少のころは登園渋りが激しい毎日でした。今回は当時の苦悩と登園渋りが少し和らいだちょっと意外なきっかけを振り返ってお話ししたいと思います。

とまぱん
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監修: 鈴木直光
筑波こどものこころクリニック院長
1959年東京都生まれ。1985年秋田大学医学部卒。在学中YMCAキャンプリーダーで初めて自閉症児に出会う。同年東京医科歯科大学小児科入局。 1987〜88年、瀬川小児神経学クリニックで自閉症と神経学を学び、栃木県県南健康福祉センターの発達相談で数々の発達障がい児と出会う。2011年、茨城県つくば市に筑波こどものこころクリニック開院。

発達ゆっくりな娘、初めての社会へ

発達グレーゾーンの娘は去年の4月、年少さんになりました。入園した当時、娘は3歳半ごろ。単語もたくさん出始め、意思疎通がなんとなくできるようになりました。とは言えスラスラ話せるわけではなく、同じ月齢の子と比べたら明らかに発語はゆっくり。

ある日、娘を教室まで送ると、子どもたちが自分の持ち物を一斉に自慢してくれました。
自分の持ち物を一斉に自慢してくれる幼稚園の子どもたち
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私は子どもたちのおしゃべりの上手さにびっくり。みんなこんなに自分の言いたいことをちゃんと言葉にできるんだ、と驚きました。それと同時に、こんなに発達の度合いが違う中で娘に友達ができるのだろうか、仲間はずれにされたらどうしよう、と一気に不安が膨らんでしまいました。

入園後すぐに激しい登園渋りで疲労困憊

娘の登園渋りはとても激しく、制服なんて着せられませんでした。着せられたとしても暴れる鯉状態で、紐でぐるぐる巻きにしない限り連れて行くのは無理でした。こういうときは行くのを諦め、幼稚園に休む電話をするのですがこの電話が私には苦痛で…。

初めは体調不良でと言ってましたが、途中から正直に「娘が行き渋ってしまい…」と話しました。そうすると電話に出た先生は「お昼からもし来られたら来てね」と気遣って言ってくださるのですが、変に真面目な私は「お昼から行かせなきゃ!」と思ってしまい。

そうしてまたお昼ごろ登園を試みてまた激しい拒否をされ、2倍の疲れを味わうのでした。幼稚園を休んで家で楽しく過ごしている娘を見て、私は複雑な気持ちになり娘に優しくできませんでした。
幼稚園を休んで家で楽しく過ごしている娘を見て、複雑な気持ちになる母
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「みんなと同じように幼稚園へ行ってほしい」「もう娘と家に二人っきりはつらい」と…。

でも娘が幼稚園を拒否する気持ちも分かります。急に親と離れて大勢の知らない人たちの中で過ごさなければいけないし、周囲の子たちは自分より成長も早くて。娘なりの疎外感、恐怖があるのかなと…。娘に寄り添おうとしてる気持ちと、幼稚園に行かないことへの焦りとで感情がごちゃごちゃでした。

教室の前で大声で泣きわめく娘。そんな中、先生に助けられ…

どうにか制服に着替えさせ、幼稚園に登園できた日のこと。教室の前で私と別れるときに案の定、泣きわめいてしまいました。娘は声がものすごく大きいので一気に注目の的に。ほかのお母さんからの視線が痛い….。すると先生が教室から出てきて娘に声をかけてくれました。

先生「ほらとまちゃん見て、鯉のぼり大きいね~いろんな色のがあるね。とまちゃんは何色のが好きかな?」

少し落ち着き始めた娘。また離れるときは泣いてしまいましたが、この時期は何度も先生に助けられたのを覚えています。
泣きわめく娘に「鯉のぼり大きいね~」と先生が声をかけてくれて
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「ママも幼稚園嫌いだったよ」正直に言った私の言葉に娘は…?

「幼稚園行きたくない!!」ある日いつものように登園を渋っていました。そのとき私は「今日給食ハンバーグだよ」とか「お友達待ってるよ」とか声をかけていました。心の中でこんな子ども騙しな言葉は効かないよな~と思いつつもそんな言葉しか思いつかず。

こんなに嫌がってるのにハンバーグだからって行く!ってなるわけがないし、そもそもハンバーグそこまで好きではないし。「お友達待ってるよ」って言ったけど娘を心待ちにしてくれるような子がいるか分からない。そもそもお友達と呼べるような子がいないかもしれない。

こういう良かれと思った言葉かけが、逆に子どもの心をえぐることもあります。私は子どものころ、こういう大人の薄っぺらい言葉が嫌いでした。なのに自分が大人になって同じことを言っている。今になると分かりますが、あのときの大人は何と言ったらいいか分からなかったんだなと思いました。私は正解の声かけが分からないので正直な気持ちを娘に言いました。
「幼稚園やだよね~ママもきらいだったよ」と正直な気持ちを娘に話す母
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すると愚図っていた娘は急に静かに。何か考えてるようでした。そのあと、幼稚園までずっと抱っこではありましたが、その日は無事に登園してくれました。もしかしたら自分の気持ちを分かってくれたと思って安心したのかもしれません。

年中さんになった今。娘の登園渋りは?

現在娘は年中になり、年少のころのような激しい登園渋りはなくなりました。とは言っても毎朝「幼稚園行きたくない。今日は○○へ遊びに行きたいの!」と言ってます(笑)

でもなんだかんだ制服を着ると、幼稚園に行くスイッチが入るようで。私自身も前の晩に、次の日登園させるのが苦痛で思い悩むということはもうなくなりました。登園時間に年少さんが泣いているのを見ると、とても懐かしくなります。当事者だったときは本当につらかったのですが、ほかの子の行き渋りはこんなに微笑ましく感じるものなんですね…。

また、心配していたお友達関係はというと。年少の夏くらいから徐々にお友達ができたようでした。成長がゆっくりだからか娘の手助けをしてくれる女の子が何人かいて。ある日、教室まで送ったときのこと。
娘を教室に送ると、女の子たちが気づいてくれて
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何人か迎えに来てくれて幼稚園に入っていく娘
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教室の中にいた女の子がとまちゃんに気づき、ほかのお友達にも声をかけてくれ、何人か迎えに来てくれました。娘も少し嬉しそうな表情に。娘の行き渋りは先生だけではなくお友達にも助けられました。

まだまだぐずったり喜怒哀楽の激しい娘ですが、今年は鯉のぼりを見ながら娘の成長を感じたのでした。
今年は鯉のぼりを見ながら娘の成長を感じたのでした
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執筆/とまぱん
(監修:鈴木先生より)
登園・登校渋りの原因としては集団の多さによる視線恐怖や音過敏が多いと思います。徐々に周りの音や集団の視線に慣れたのに加え、お友達が声をかけてくれるようになったのが大きな救いだと思います。園に一人でも「味方」がいれば安心できるのです。

すぐに友達やママ友をつくれる親子もいれば、1年経ってようやく仲間に入れる親子もいます。小学校の不登校も同じです。休日に近所でみんなと遊べれば、「明日また学校で遊ぼうぜ」の一言で行けるようになったお子さんもいます。注目されるのが好きなASDのあるお子さんであれば、その子の名前で声をかけてあげて注目してあげると良いですね。仲間づくりが不登校解決の一つの方法だと思います。ASDのあるお子さんは一人を好みますが、やはり不安なので誰か仲間がいるだけでその不安もとれるのではないでしょうか。仲間は同級生でなくても先生や上級生・下級生でもいいのです。
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