リスデキサンフェタミン塩酸塩カプセル(ビバンセ®)

ビバンセってどんな薬?

ビバンセとは、リスデキサンフェタミンを成分とする薬の販売名で、不注意、多動、衝動性を改善させる効果があります。6~18歳の小児を対象に、2019年3月に販売承認され、2019年12月3日より販売が開始されました。
※18歳以前に服用を開始した人に限って、18歳以降も服用することが認められています。

6歳未満の子どもへの安全性は確認されていません。また、現時点では、本邦における成人期の適応は取得されていません。これまでにADHD(注意欠如多動症)の治療薬として、中枢神経刺激薬のコンサータ、非中枢神経刺激薬のストラテラとインチュニブが販売されています。ビバンセはコンサータと同じ中枢神経刺激薬に属します。

ビバンセは体内に吸収された後、アンフェタミンに変化します。このアンフェタミンがADHD(注意欠如多動症)の症状を改善するのです。

ADHD(注意欠如多動症)のある人は、脳内で神経に情報を伝える働きを担う神経伝達物質の作用が十分ではないと考えられています。特に、喜び、快楽に関連したドーパミンと、恐怖、驚き、興奮に関連したノルアドレナリンです。ビバンセは、神経と神経の間(シナプス間隙)における神経伝達物質のドーパミンとノルアドレナリンの働きを高める作用があるのです。
参考:ドパミン|e-ヘルスネット 厚生労働省
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/alcohol/ya-047.html
参考:ノルアドレナリン / ノルエピネフリン|e-ヘルスネット 厚生労働省
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-047.html

ビバンセの用法・用量

ビバンセはカプセルの薬で、20mg、30mgの2種類が用意されています。通常は、30mgから服用を始め、70mgを上限として必要に応じて増量し、1日1回朝経口投与します。増量の必要があるかどうかは診察のうえで医師が判断するため、自分で増量して服用することはやめましょう。

ビバンセには併用が禁止されている薬があることから、医師の診察では服用している薬を忘れずに報告してください。

ビバンセはすぐに効果があらわれます

ビバンセは服用し始めると、初日からその効果があらわれ始めます。服用すると薬効が12時間程度続き、不注意、多動性、衝動性を改善します。

併用禁止薬

●モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤
 セレギリン塩酸塩(エフピー)
 ラサギリンメシル酸塩(アジレクト)

●尿のpHをアルカリ化する薬剤
 炭酸水素ナトリウム等

●尿のpHを酸性化する薬剤
 アスコルビン酸等

●メチルフェニデート塩酸塩
 コンサータ
 リタリン

ビバンセの副作用

ビバンセで特に注意が必要なの副作用は、ごくまれに生じるショック、アナフィラキシー(顔面蒼白、呼吸困難、そう痒など)などです。観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行ってください。

代表的な副作用は、食欲減退(79.1%),不眠 (45.3%),体重減少 (25.6%)などです。

フェニデート徐放錠(コンサータ®)

コンサータとはどんな薬?

コンサータは、「メチルフェニデート塩酸塩」という成分の入った薬の販売名です。ADHDのある人に処方される飲み薬で、ADHDが原因であらわれる不注意、多動性、衝動性を改善させる効果があります。

2007年に6歳から18歳未満の小児に対する治療薬として承認され、2013年には18歳以上の成人にも適応されるようになりました。

コンサータの用法・用量

コンサータは錠剤の薬で、18mg、27mg、36mgの3種類があります。子どもも大人も18mgから服用を始め、その人の適量となるように必要に応じて増量していくようです。

なお、18歳未満の子どもでは54mg、18歳以上では72mgが服用の上限です。医師が診断のもとで、その人にとって適正な量を処方するので、自分で増量して服用することはできません。

コンサータは1日1回朝に服用します。服用時間が遅くなると夜眠れなくなってしまうことがあるため、午後には服用しないように気をつけましょう。

コンサータはすぐに効果があらわれます

コンサータは服用し始めると、初日からその効果があらわれ始めます。服用すると薬効が12時間程度続き、不注意、多動性、衝動性を改善します。

コンサータの副作用

コンサータの副作用としてもっとも多かったものは食欲減退(40.8%)、続いて不眠(18.2%)、体重減少(16.4%)、動悸(12.1%)、悪心(11.7%)となります。

※ビバンセとコンサータについては、いずれも医師から処方されるものですので、処方箋なしでは入手できません。特にビバンセとコンサータは流通規制がとられており、登録した医師だけが処方できるような厳しいシステムが整備されています。

アトモキセチン(ストラテラ®)

ストラテラとはどんな薬?

ストラテラは不注意、多動性、衝動性といったADHD(注意欠如多動症)の症状を改善するために処方される薬です。

2003年にアメリカで発売開始されてから海外でも広く使用されており、日本では2009年に18歳未満の子どもに承認されました。さらに、2012年には18歳以上の成人にも承認が拡大され、幅広い年齢の人への処方が可能となっています。ただ、6歳未満の子どもへの安全性と有効性は確立されていません。

ストラテラはアトモキセチン塩酸塩という成分の入った薬で、脳の前頭前野部分に多く存在する神経伝達物質「ノルアドレナリン」を活性化させる働きを持っています。脳の前頭前野部分は、順序だてた行動や、行動をコントロールする役割を果たしており、ADHDの人はこの部分に何らかの不具合があると推測されています。ストラテラはドーパミンの代謝も調節することで、症状を改善させると推測されています。

また、ストラテラは薬物依存に関係する中枢神経系には作用しないために、薬への依存性は低いといわれています。

ストラテラの用法・用量

ストラテラは飲み薬で、現在カプセルと液体薬剤のどちらかが処方されます。カプセルは5mg・10mg・25mg・40mgの4種類あり、医師が処方した用量になるように組み合わせることが可能です。カプセル内の物質は刺激物のためカプセルを分解することは禁止されています。

そこで、まだカプセルが飲めない子どもや、カプセルが飲みづらい人には、液体薬剤(内用液)0.4%を選べるようになっています。

18歳未満の子どもと18歳以上の成人では処方量や処方回数が異なります。子どもには体重に基づき決定した1日分の用量を1日2回に分けて処方される一方、成人では体重に関係なく用量が決められ1日1回もしくは2回に分けて処方されます。

また、子どもも成人も少量からの服用で治療がはじまります。どのように処方されるかは、医師が診断の上で判断しますので、かかりつけの医療機関で相談してください。

ストラテラが効き始めるまでには時間がかかります

薬には飲んですぐ効果があらわれるものと、効果があらわれるまでに時間がかかるものがあります。ストラテラは後者のタイプで、毎日飲み続けることで効果があらわれる薬ですから、ADHD(注意欠如多動症)の症状が改善するためには少し待つ必要があります。

約2週間で不注意、多動性、衝動性の改善がみられるようになり、安定した効果が得られるまでには6~8週間ないし人によってはそれ以上かかるといわれています。なお、薬の効果があらわれれば、その効果は途切れることなく終日にわたって続くとされています。

ストラテラの副作用

特に気をつけなければいけない副作用は、重大な副作用の肝機能障害・黄疸・肝不全・アナフィラキシーです。非常にまれなもので、先ほどご紹介した2009年に高橋道宏医師らが実施した試験でも、これらの副作用は報告されていません。しかし、どのくらいの頻度で起こるかは不明であるものの、服用する場合には念のため注意する必要があります。

重大な副作用ではないものの、ストラテラを服用すると起きやすい副作用としては、悪心(31.5%)、食欲減退(19.9%)、頭痛(15.4%)、傾眠(15.8%)などが挙げられます。

このような症状が出た場合でも、すぐに医師に相談しましょう。食欲がなくなる、吐き気や腹痛などといった消化器系の副作用を防ぐためには、食事直後に薬をのむなどの対策をとることも重要です。
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