言語聴覚士(ST)への相談内容とは?吃音は学校で配慮してもらえる?発話を促す工夫や障害告知についても【日本言語聴覚士協会理事にきく】

ライター:専門家インタビュー

発達ナビでは、言語聴覚療法に関する「みんなのアンケート」を行いました。多くのエピソードをお寄せいただき、ありがとうございました!
今回はみなさんの声を参考にして、言語聴覚士(ST)の方に相談する際のポイントや、学校の先生への伝え方、お子さんへの障害告知などについて、日本言語聴覚士協会理事の西野将太さんに教えていただきました。

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監修: 西野将太
一般社団法人日本言語聴覚士協会理事 学校教育部長
医療・福祉機関(医療型入所施設)に勤務後、現在は訪問看護ステーションにて訪問リハビリ業務や保育所等訪問支援での療育や園や学校への巡回指導にも携わっています。子どもの発達支援に取り組みながら、日々子どもや家族から学ばせてもらっています。地域支援として園や学校等との連携や、家族支援(きょうだい含む)にも取り組んでいます。

Q.言語聴覚士(ST)の方に相談する際、準備しておくと良いものはありますか?

A.お子さんのコミュニケーション場面を撮影した動画があると良いです。

言語聴覚士に相談したいと思っても、すぐに相談できないことがあると思います。また、日常とは異なる療育の現場では、環境の変化もありお子さんの様子が普段と異なるという場合もあります。

一つの方法として、スマートフォンなどでお子さんの普段の生活の様子やコミュニケーション場面、困っている時の様子など動画を撮影しておいていただけると、実際に療育で関わるときに、ご家族と一緒に確認しながらアセスメントしやすくなります。口頭でご説明いただくのでも大丈夫なのですが、イメージにずれが出てしまう可能性がありますので、動画があるとより伝わりやすくて良いです。
一般社団法人日本言語聴覚士協会理事 学校教育部長 西野将太さん
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Q.言語聴覚療法を受けるとき、保護者がどのようなことを意識すれば家庭療育にも活かせるでしょうか?

A.「言語聴覚士の行動を予測してみる」ことをおすすめしています。

たとえば言語聴覚士が「りんご」の絵カードをお子さんに見せたとき、お子さんが「りんご」と言ったとします。そのとき、言語聴覚士はなんと答えるのか?「りんご」と返すのか、「あかいりんごだね」と返すのか、それとも「真っ赤でおいしそうだね」と返すのか。

どういう声かけや反応をするんだろうと予測することで、保護者の方にとっても関わり方のヒントになります。ちなみにこの場合、声かけの工夫として下記のようなものがあります。

1.「りんご」の場合、子どものことばを真似することで、子ども自身が「りんご」と言ったことを確認できることと、共感していることを伝えることで相互作用のきっかけとしてコミュニケーションの成立を図ります。
2.「あかいりんご(だね)」の場合、子どもの「りんご」のことばに、「あかい」を加えることで、子ども自身の発話内容や意図を大人が理解していることを示しながら、発話意欲を促すことと、子どものことばを意味、文法的に広げていくことでことばには結びつきがあることを学習するきっかけとしています。
3.「真っ赤でおいしそうだね」の場合、やり取りを通じての役割交代や、子どものことばを使わずに新しいことばのモデルを提示します。
一般社団法人日本言語聴覚士協会理事 学校教育部長 西野将太さん
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Q.子どもに吃音があるのですが、小学校と同じように中学校の先生にも事前に伝えたほうが良いでしょうか?配慮は受けられますか?

A. 学校生活に支障が出る前に、事前に伝えることをおすすめします。

小学校と中学校では、先生のお子さんへの関わり方が変わることが多いです。何かあった場合、当人同士で解決することが前提となり介入が難しいこともあるかもしれません。

だからこそ、はじめに文書や動画をもとにお子さんの症状や、SOSの出し方について相談しておくことが大切です。吃音であれば、発達支援を受ける場合と同じように、動画などがあると視覚的に理解してもらいやすくなります。伝え方が難しい場合は、吃音に関する啓発資料等もありますので、言語聴覚士に相談していただけたらと思います。
一般社団法人日本言語聴覚士協会理事 学校教育部長 西野将太さん
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