保護者会で見た「カーテンに隠れる」場面緘黙娘の姿。親としてはつらいけど…娘の話を聞いてみたら

ライター:まりまり
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現在小学5年生の次女。
2年生の3学期のときに場面緘黙の診断を受けています。
診断を受けたあと、3年生に進級して新しいクラスになってから、クラスに落ち着いていられるようになるまでの次女の様子をお伝えしたいと思います。

監修者初川久美子のアイコン
監修: 初川久美子
臨床心理士・公認心理師
東京都公立学校スクールカウンセラー/発達研修ユニットみつばち
臨床心理士・公認心理師。早稲田大学大学院人間科学研究科修了。在学中よりスクールカウンセリングを学び、臨床心理士資格取得後よりスクールカウンセラーとして勤務。児童精神科医の三木崇弘とともに「発達研修ユニットみつばち」を結成し、教員向け・保護者向け・専門家向け研修・講演講師も行っている。都内公立教育相談室にて教育相談員兼務。

診断が出てから、3年生への進級

このときはちょうどコロナ禍で、私たちの住んでいる地域では3~5月まで緊急事態宣言で学校もお休み。長女はこの期間、ストレスによると思われる蕁麻疹が出たりして通院していました。ただ、次女に限っては、この3ヶ月のお休みが良い影響を与えたようで、傍から見ていて、少し不安が減ったようで元気に過ごせていました。

学校が始まって「ちゃんと学校に行けるのか…?」と心配していましたが、問題なく学校に行くことができました。

3年生初めての保護者会で見たクラスの様子

例年より遅くに開催された保護者会。そこで、先生がクラスの様子を映した動画を見せてくれました。コロナ禍で外出もできず、この年は雨も多かったので、休み時間に音楽を流して、ダンスタイムを設けて体を動かしてもらっているとのこと。やりたい子だけ参加してもらっているとのお話でした。

このとき、まず思ったのが、次女がこの時間をどうやって過ごしているかということでした。
外は雨で出られない、休み時間トイレに行くのすら苦労してるし、廊下に逃げられてるとも思えない…。場面緘黙の娘はどうしてるんだろう…と考える母
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教室から場所を移すことも、人よりハードルが高い次女…。

カーテンの後ろにいた

その動画で教室全体を映してくれていたのですが、よくよく観察していると、見たことのある服の子がカーテンの後ろに…。
見たことのある服の子の姿が、カーテンの後ろに見え隠れしている
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次女でした。一人でカーテンの後ろに隠れていました。

正直、教室で一人でいる次女を見るのは、親としてつらいものがありました。分かっているものの、「あ~みんなの中にいてくれたらな~」などと思ってしまうのでした。
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なんでカーテンの後ろにいたか

家に帰ってから、次女と動画について話してみました。

次女からは「ダンス嫌だから、見えないようにカーテンの後ろに隠れてたの」とのこと。最初は一人の次女を見るのはつらい気持ちだったので、参加できない次女に対して、ついつい「みんなやってるんだから…」とか「見てるくらいできるでしょ」とか言いたくなってしまう母。でも、落ち着いて考えてみると、次女は「それでも何とか教室にいることができている」状態でした。

苦手な状況に、「カーテンの後ろに隠れる」ことで、自分で対処しようとしている…?
なんとか苦手に対処しようとする次女の心の動きの図
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きっとこんな感じで、カーテンの後ろに隠れることを否定したら、それこそ教室に居場所がなくなってしまうのではないかと気づいたのでした。

そこが次女の安心できる場所だった

なので、なんとか工夫して教室にいる次女の行動を褒めてみることにしました。
「カーテンの後ろとは、良いとこ見つけて隠れられたね~」と娘に対して明るく声をかける母
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「うん!そうでしょ!カーテンの後ろで空見て想像してた!」と得意げに胸をそらして答える場面緘黙の娘
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するとこんな答えが返ってきました。

次女は、このときだけでなく、休み時間に教室が騒がしいときなどは、カーテンの後ろにいることが多いとのことでした。カーテンの後ろにいて、いろいろなことを想像していると怖くないんだと。
教室が騒がしいときなどは、カーテンの後ろに隠れて空想にふけることが多いという、場面緘黙のある娘
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カーテンの後ろは次女にとって大事な居場所で、必要な場所だったということが分かったのでした。むしろ、その対策を自分で考え出していて偉かったなと…。

ついつい、「みんなと同じに…」とか思ってしまうこともある母。でも、次女と話したことで、このとき、自分の焦りから、教室で次女が安心していられる場所を奪うことにならなくて良かった…と思ったのでした。

執筆/まりまり
(監修:初川先生より)
次女さんの工夫を「工夫」として受け止めることができたというエピソードをありがとうございます。みんなが踊って楽しんでいる中で、一人隠れて外を見ているわが子を見たら、親としてうろたえる思いがするのはある意味自然なことです。せっかく学校に行っているんだし、みんなと楽しく過ごしてほしいという思い、保護者会でその映像をほかの保護者も見ていて、わが子が一人でいるところを見られるのがちょっと恥ずかしく思う気持ちなどもあってもおかしくないと思います。

帰宅後にその話をするにあたって、まりまりさんは自分の気持ち(焦り、不安、ちょっとした怒りなど)をちょっと横に置くことができ、次女さんの気持ちに思いを馳せたうえで、言葉をかけることができたのですね。子どもの行動には子どもなりの理由があり、それは往々にして、子どもなりにその環境に適応しようとした工夫の結果であることが多いです。逃げようとしている、さぼろうとしているということは、大人が想像するよりもずっと少ない印象があります。

大人が自分の気持ちをちょっと横に置いておくことも、慣れるまでは覚悟と少しの忍耐が必要なこともありますが、しかし、こうして一度、(自分の思いを横に置くことで)お子さんなりの努力・工夫に出合えたといった経験などをすると、お子さんの思いをまずは「聞いてみる」ことがやりやすくなりますね。

次女さんなりに、苦手な教室場面や、休み時間というフリーな状況への苦手さなどがある中で、自分の居場所を教室の中に作り出そうとしている姿を、まりまりさんの話の振り方によって知ることができ、よかったですね。
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