「教室は騒がしくて疲れる、聞き取れない」聴覚過敏が学習に影響?学校で起きやすい困りと解決策をイラストつきで解説--感覚過敏による学習困難【専門家監修】
ライター:マンガで分かる発達障害のキホン
教室の中がうるさい、大きな音が苦手、たくさんの音で疲れてしまう、など「聴覚過敏」が原因で起こる学習困難についての原因や解決方法などをイラストとともに分かりやすく解説します。
監修: 野田遥
作業療法士
LITALICO研究所 研究員
作業療法士として教育センターや障害児入所施設等で勤務したのち、現在は自閉スペクトラム症者の感覚処理に関する研究や、発達障害に関連したプロダクトの研究・開発に取り組んでいる。
LITALICO研究所 研究員
学習障害がなくても、聴覚過敏が原因で学習に困難を感じている子どもは多くいる?
勉強に集中できない、勉強をしているとなぜかすぐに疲れてしまう…など、子どもの学習に関連する困りごとがあると、「限局性学習症(学習障害・LD)」があるのではないかと考える方も多いのではないでしょうか。
しかし、そのほかの発達障害の特性から、限局性学習症がなくても学習に困難を感じる場合もあります。特定の領域の学習ができない限局性学習症とは異なり、環境に左右される原因によって学習困難が起こることがあります。
このコラムでは「聴覚過敏がある子どもの学習の悩み」について、原因や解決方法などを解説します。
しかし、そのほかの発達障害の特性から、限局性学習症がなくても学習に困難を感じる場合もあります。特定の領域の学習ができない限局性学習症とは異なり、環境に左右される原因によって学習困難が起こることがあります。
このコラムでは「聴覚過敏がある子どもの学習の悩み」について、原因や解決方法などを解説します。
聴覚が過敏だと、意識しなくても小さな音まで聞こえやすかったり、特定の音に対するつらさが強まったりすることがあります。また、必要な情報だけ音を拾って感知するという情報の選択ができず、たくさんの音が同時に耳に入ってきて、肝心な情報がかき消されてしまう場合もあります。
教室の中がうるさい場合の対処法は?
教室の中がうるさいと集中できない場合があります。聴覚過敏の場合、たとえば先生が話していることに集中したくても、そこに誰かの話し声、衣擦れの音、窓の外の音や空調の音などが重なり合って、どの音に集中したらいいのかが分からなくなってしまいます。また、椅子と床がこすれる音や、特定のお友達の話し声など、苦手な音がつらく、疲れやすくなることもあります。
解決策:教室の雑音は多くの子どもにとって気が散る原因となります。椅子の脚にカバーをつける(使い古しの硬式テニスボールを切って脚にかぶせるなど)といった工夫をしましょう。また、イヤーマフや耳栓をうまく活用するのもよい方法です。
解決策:教室の雑音は多くの子どもにとって気が散る原因となります。椅子の脚にカバーをつける(使い古しの硬式テニスボールを切って脚にかぶせるなど)といった工夫をしましょう。また、イヤーマフや耳栓をうまく活用するのもよい方法です。
大きな音が苦手な場合の対処法は?
大きな音が苦手な場合があります。急に大きく響きわたるような音、たとえば陸上競技のスタートのピストル空砲、避難訓練のサイレンなどが鳴ると、誰でもびっくりするものです。元々、その音自体や音量に対する苦手さがあり、それに加えて予告なく音が鳴るような状況だと、周囲の想像以上につらく感じている場合があります。その結果としてその音に対する過敏さが強まってしまい、そのあといつまでも気持ちの切り替えができなくなってしまう場合があります。
解決策:学校でも家庭でも、予測できない音はしかたありませんが、大きな音が出る場合にはこれから何が起こるのかを説明しましょう。説明を受けてもやはりその音を聞くのがつらい、という場合には我慢をせずに、大きいサイレンの音が鳴る避難訓練の時間だけ休む、運動会のピストルを旗に変えてもらうなどの配慮をしてもらうことを検討しましょう。
また、イヤーマフや耳栓をうまく活用することもつらさの軽減に有効です。
解決策:学校でも家庭でも、予測できない音はしかたありませんが、大きな音が出る場合にはこれから何が起こるのかを説明しましょう。説明を受けてもやはりその音を聞くのがつらい、という場合には我慢をせずに、大きいサイレンの音が鳴る避難訓練の時間だけ休む、運動会のピストルを旗に変えてもらうなどの配慮をしてもらうことを検討しましょう。
また、イヤーマフや耳栓をうまく活用することもつらさの軽減に有効です。