乳幼児健診(0歳児健診)とは?検査でチェックするポイントや持ち物、病気や障害、発達の遅れを指摘されたときの対応も解説【小児科医監修】

ライター:医師・専門家監修|発達障害・支援のキホン
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出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10827003997

乳幼児健診(0歳児健診)とは単に身長や体重を測るためだけの健康診断ではなく、赤ちゃんが健康に成長・発達しているかを確認し、同時に保護者の子育てに対する悩みも確認するのが目的の健診です。赤ちゃんが生まれたら、発育や健康状態をチェックするために定期的に受ける必要があります。乳幼児健診はいつ受けるのか、どんな検査をするのか、さらにはどんな持ち物を用意すれば良いのか、またどんなケースのときに要観察や要検査になるのか、小児科医監修のもとで解説します。

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監修: 鈴木直光
筑波こどものこころクリニック院長
1959年東京都生まれ。1985年秋田大学医学部卒。在学中YMCAキャンプリーダーで初めて自閉症児に出会う。同年東京医科歯科大学小児科入局。 1987〜88年、瀬川小児神経学クリニックで自閉症と神経学を学び、栃木県県南健康福祉センターの発達相談で数々の発達障がい児と出会う。2011年、茨城県つくば市に筑波こどものこころクリニック開院。
目次

乳幼児健診(0歳児健診)とは?健診を受けるとなにが分かるの?

乳幼児健診(0歳児健診)は身長や体重を測るだけの健康診断ではなく、赤ちゃんが健康に成長・発達しているかを確認するのが目的の健診です。

乳幼児健診(0歳児健診)は身長や体重を測るだけではなく、赤ちゃんが健康に成長・発達しているかを確認し、栄養状態、先天性疾患を含む病気の有無、予防接種の時期や種類の確認などを行い、疾病の早期発見・早期治療につなげる上で役立てられています。

乳幼児健診は日本では1960年代から関東を中心に少しずつ広まってきました。心臓や子宮がんなどの単一臓器の「検診」と違って乳幼児健診は全身を診るので健康診断を略して「健診」と呼ばれています。

このコラムでは乳幼児健診はいつ受けるのか、どんな検査をするのか、どんな持ち物を用意すれば良いのかなどの情報と、首のすわりが遅い、視線が合いづらい、お座り、寝返りなどができないなど、どのような場合に要観察になるのか、気になる発達の目安について解説します。

乳幼児健診(0歳児健診)のスケジュールとは?全部で何回受診する?

0歳児に行われる主な健診は、1ヶ月健診など、全部で4回あります。

0歳児に行われる主な健診は、次の4回です(※)。
1ヶ月健診
3、4ヶ月健診
6、7ヶ月健診
9、10ヶ月健診


母子健康法により「1歳6ヶ月」と「3歳」の健診は法的義務とされています。0歳児での健診は義務化はされていないものの、3、4ヶ月健診はほとんどの自治体で実施されています。また、自治体から指定されていない月齢でも、任意で乳幼児健診を受けることが可能です。保護者の都合等で当日健診に行けない場合は、かかりつけ医にも相談してみてください。

(※)自治体によって異なる場合があります。ここでは、一般的な健診スケジュールと健診内容、要観察になる目安を紹介しています。

1ヶ月健診 主に発育・発達の具合を診ます

生後1ヶ月の健診は、母体の状態を診るための産後健診と合わせ、主に出産した産院で行われます。チェックするのは次のような項目です。

成長

基本的には1日30g以上体重が増えているか成長を確認します。つまり産科退院時より1ヶ月経って1kg以上体重が増えていれば問題ありません。身長を測る際に両脚を伸ばすと股関節脱臼しやすいので注意が必要です。

モロー反射(原始反射)

モロー反射(原始反射)が左右対称かどうか、鎖骨骨折や四肢麻痺の有無を確認します。難聴がある場合は反射が出ず、音過敏がある場合は反射の頻度が多くなります。

おへその状態

臍ヘルニア(でべそ)と湿りを指摘された場合は、小児科を受診しましょう。臍ヘルニアはスポンジ圧迫法、湿っていれば硝酸銀で焼いて外来のみで修復可能です。

斜頸・股関節(こかんせつ)脱臼の有無

斜頸の場合、曲がっているほうの首の横の筋肉(胸鎖乳突筋)が張っています。股関節脱臼があるとオムツを替えるときなどで股を広げたときにコリっという音がします。いずれの場合も症状があれば、整形外科へ紹介されることがあります。新生児は足を伸ばすと股関節脱臼しやすいので、なるべくがに股にして抱っこをしましょう。

便の色、硬さ

便の色が白いと、胆汁の出ない胆道閉鎖症の可能性があるため、小児外科を紹介されます。一過性ならばロタウイルスの検査が必要です。個人差はありますが、母乳の場合はやまぶき色で比較的軟らかく、ミルクの場合は薄めの黄色で比較的硬くと、母乳とミルクとでは便の色や硬さは異なります。
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3、4ヶ月健診 主に首のすわりを中心に確認します

首のすわりの様子

2ヶ月になるとほとんどの赤ちゃんはうつぶせで頭を地面から離して上げられます。4ヶ月で首がすわっていなければ、運動発達の遅れがある場合があるので小児科で精査が必要です。

原始反射の消失

原始反応とは、さまざまな刺激によって無意識的に反応する反射動作です。赤ちゃんの脳の発達により、自然に消えていく原始反射ですが、反対に言えば、原始反射が消えていない場合は、次の発達に移行できないと言われています。また、そのような場合には成長や発達に何か問題がある可能性も考えられるので、小児科の神経専門外来の受診を勧められることがあります。

斜頸・股関節脱臼の有無

斜頸は傾いている側の首の横にある筋肉(胸鎖乳突筋)が張っていたり、股関節脱臼があると股を広げたときにコリっという音がしたりするなど、症状があれば、整形外科へ紹介されることがあります。

おへその状態

臍ヘルニア(でべそ)または湿りを指摘された場合は、小児科を受診しましょう。臍ヘルニアはスポンジ圧迫法、湿っていれば硝酸銀で焼いて外来のみで修復可能です。

物を握る様子

ガラガラなどの握り方に左右差があれば、麻痺の可能性があるため、小児科の神経専門外来へ紹介されることがあります。

神経・精神の発達

1ヶ月でもほほえみ反応はありますが、あやしたときに声を出して笑えるかどうか、ミルクを飲ませるときに親と視線を合わせるかどうかがチェックポイントとなります。視線が合いづらいなどの場合は、要観察となります。

6、7ヶ月健診 主に運動(筋)や神経(脳)の発達を診察します

おすわり・寝返りの様子

5ヶ月から7ヶ月くらいになるとゴロゴロと寝返りができますが、原始反射が残っていると寝返りの妨げになってしまうこともあります。原子反射が消失していない場合、脳に何か問題がある可能性が考えられるので、小児科の神経専門外来を紹介される場合があります。まだお座りが安定していない場合でも両手をついて座りますが、徐々に背筋が伸びて手をつかないで座れるようになっていきます。

物をつかむ様子

欲しいものに手を伸ばして取るとき、親指が使えるかどうかを確認します。うまくつかめない場合は、小児科の神経専門外来や整形外科へ紹介される場合もあります。

斜頸・股関節脱臼の有無

斜頸は傾いている側の首の横にある筋肉(胸鎖乳突筋)が張っていたり、股関節脱臼があると股を広げたときにコリっという音がしたりするなど、症状があれば、整形外科へ紹介されることがあります。

神経・精神の発達

顔に布をかけるとそれを取ろうとする様子、足の裏が床についたときピョンピョンする様子を確認します。何らかの問題があれば、要観察となります。

9、10ヶ月健診 主に運動と心の発達を確認します

おすわりやつかまり立ちの様子

手をつかずに安定して座れるかを確認します。背中がそって座れないことがあるような場合は、リハビリなどを検討することもあります。9、10ヶ月では座卓や椅子などにつかまって立つことができるようになる子どもも多いです。

はいはいの様子 ※できなくてもOK

お馬さんごっこのような四つん這いで「はいはい」ができるかチェックします。ずりばい、シャフリング、高這いなどを行う子どももいます。なかなかはいはいをしようとしない場合、お腹の下に座布団やクッションを入れ、四つん這いの姿勢から訓練するといいでしょう。
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シャフリングベビーとは?特徴や発達障害について/医師監修マンガ

パラシュート反射

パラシュート反射とは、突然転びそうになったとき、とっさに手を前について体を打たないようにする反射のことです。側方と前方の確認が行われます。前方パラシュート反射は体を抱き上げ、逆さにして頭から落下するような姿勢にすると、両腕を伸ばし、両手のひらを開く動作がみられます。側方パラシュート反射は座っている状態で右、左に倒したときに倒れる方に腕を伸ばし、手のひらをつく動作がみられます。8ヶ月ごろからみられます。

指先の発達

親指と対立した指で物をつかめるか、いわゆるUFOキャッチャーのようにつまめるか確認します。

神経・精神の発達

大人のまねをする様子、人見知りの有無、「アーウー」などの喃語の発達(1字か2字か)、アイコンタクトの有無を確認します。

離乳食の様子

日頃、嚥下でむせることが多い場合は、言語聴覚士による嚥下訓練が必要になる場合があります。

歯の様子

8ヶ月前後から前歯が生えてきます。定期的な歯磨きをしてあげましょう。子どもに虫歯が多い場合などネグレクトを疑われる場合があります。

上あごよりも下あごが出ている反対咬合の場合は、口腔外科へ相談をするといいでしょう。アイスの棒のようなもの(木の舌圧子)を噛ませて調整することもあります(使用の前に口腔外科や歯医者などで正しい使い方を教わりましょう)。逆に1歳を過ぎてもおしゃぶりをしすぎると、下あごよりも上あごが出すぎて出っ歯になる傾向があるので要注意です。

その他

保護者が子育てに困難を感じるようなら、いつでもいいので早めに保健師さんへ相談してみましょう。

乳幼児健診の持ち物、時間などは? 

当日慌てないように事前に持ち物や時間を確認しておきましょう。母子手帳の健診ページは、必ず左側のチェック項目の当てはまるところに〇を記入しましょう。「子育てに困難を感じますか?」の問いで、「はい」「どちらともいえない」に〇をつけても、健診の際には「様子を見ましょう」で終わってしまうことも多いので、困難のある場合には早めの医療機関の受診をおすすめします。

乳幼児健診の持ち物は?

乳幼児健診の持ち物は
健康保険証
乳児医療証
母子手帳
乳児健康診査受診票

などです。
その他、いつものお出かけと同様におむつ、タオル、お着替えなどを持っていくとよいでしょう。

乳幼児健診の時間は?

乳幼児健診の時間は自治体によって違います。時間が選べるようなら、赤ちゃんが疲れておらず、また機嫌が良く、昼寝の時間を避けた午前中がおすすめです。

乳幼児健診で発達の遅れなどを指摘されたときは? 

健診で何らかの問題を指摘された場合は、「様子を見る」だけではなく、下記の対応を進めましょう。可能ならできる限り、早めに小児科の神経専門外来などを受診して、医師の診察を受けることも重要です。

1.助言・事後指導
2.センターによる継続支援
地区担当保健師による個別支援、フォローアップ教室による集団支援、個別発達相談、親子心理相談など
3.関係機関との連携による継続支援
地域の子育てグループ、保育園・幼稚園、医療機関、療育相談センター、児童相談所など

発達のために家庭でできること

赤ちゃんは数ヶ月の差で、体格や能力などに大きな違いが出てくるものです。そのため、成長に合わせた離乳食や接し方、遊びなどを選んであげることが大切です。月齢ごとに保護者の方に取り組んでほしいことをご紹介します。

3、4ヶ月ごろに家庭で取り組んでほしいこと

離乳食の知識と準備

離乳食の知識や準備をしましょう。ミルクアレルギーの場合は下痢をしやすいです。アレルギーの心配があれば、かかりつけ医で血中IgE値のチェックをしましょう。

遊びのバリエーションを増やす

絵本や身近な興味のあるおもちゃを使って遊びましょう。また、いろいろな姿勢をさせる、笑顔のやり取りもおすすめです。

社会資源の活用

地域とつながっていくことが大切です。ご近所さんや公園、児童館などでほかの親子とコミュニケーションを取るといいでしょう。

6、7ヶ月ごろに家庭で取り組んでほしいこと

遊びのバリエーションを増やす

触れ合い、遊び、スキンシップなどを積極的に行い、遊びのバリエーションを増やしましょう。

食に興味を抱かせる工夫

離乳食が始まるこの時期は、子どもが食に興味を持つよう、保護者がおいしそうに食事を食べる姿を見せるのがおすすめです。

父親が主体の育児

母親が父親に育児を教えるなどし、父親が積極的に育児に参加できる環境を作っていきましょう。

寝返りの練習を

抱っこばかりせず寝返りで移動できる喜びを養いましょう。床に落ちているものを口にするのでキレイに片づけましょう。また、段差から落ちるので柵などを設けましょう。

9、10ヶ月ごろに家庭で取り組んでほしいこと

離乳食の手づかみ食べ

歯が生え始める離乳食後期のこの時期は、離乳食を手づかみで食べさせましょう。前歯で噛みきり、歯ぐきでつぶす練習も大切です。

言葉でのやり取り

話すことはできなくても、親の言葉を理解し始めるので、積極的に言葉をかけてあげましょう。TVをはじめ電子メディアの見過ぎなどにも注意が必要です。

夫婦の役割確認

離乳食が3回に増えたり、行動範囲が広がったり、お世話内容の幅が出てきたりするので、夫婦の役割(お願い事)を確認しておくと安心です。

家庭での事故予防

環境面では誤飲、転倒、お風呂場での溺水など、家庭内の事故に気をつけましょう。例えば、トイレットペーパーの芯の中を通る大きさのものは誤嚥する可能性があるので、与えないようにするなどです。特に誤飲で多いのはボタン電池、ホウ酸団子、洗剤、灯油、タバコ、コイン、薬剤包装(PTP)など。床に落ちているものは何でも口にするので、日頃からの整理整頓が重要です。階段や縁側から落ちないように柵も設けましょう。お風呂では残り湯での溺水が多いので、ドアを施錠するなどの対策も忘れずに。

日頃から成長過程を把握しておきましょう

乳幼児健診(0歳児健診)は医師(必ずしも小児科医とは限らない)をはじめ、歯科医師、保健師、助産師、看護師、心理士、栄養士、歯科衛生士など、 母子保健に関与する専門家に相談できる貴重な機会です(※自治体により相談できる専門家は違います)。

気になっていることや育児への不安やストレスがあれば、ぜひ相談してみてください。そのためにも、日頃から赤ちゃんの成長過程を把握し、相談したいことは母子手帳などにメモをしておくといいです。きっと、後々の思い出にもなることでしょう。
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