癇癪スイッチは「見通し」崩れ。発熱で旅行中止、夕飯の献立変更で大暴れ、発達グレー息子は小5になった今も…ーー専門家と考える見通し崩れと癇癪
ライター:星河ばよ
長男が未就学のころは前もって予定を言うなんてことは、とてもできませんでした。旅行はもちろん、ちょっとしたお出かけや夕飯の献立なんかも…
監修: 初川久美子
臨床心理士・公認心理師
東京都公立学校スクールカウンセラー/発達研修ユニットみつばち
臨床心理士・公認心理師。早稲田大学大学院人間科学研究科修了。在学中よりスクールカウンセリングを学び、臨床心理士資格取得後よりスクールカウンセラーとして勤務。児童精神科医の三木崇弘とともに「発達研修ユニットみつばち」を結成し、教員向け・保護者向け・専門家向け研修・講演講師も行っている。都内公立教育相談室にて教育相談員兼務。
東京都公立学校スクールカウンセラー/発達研修ユニットみつばち
予定が崩れるのを何より嫌っていた長男
楽しいお出かけや家族での旅行など、計画を立てたらすぐにでも子どもたちに教えてしまっていた私。
だけど子どもが小さいうちはとくに体調を崩しがちで、予定通りにいかないことってありますよね。わが家も旅行前日に子どもの突然の発熱により、旅行を泣く泣くキャンセルしたことがあります。
それだけならまだともかく、それによって長男は癇癪を起こすのですからたまったものじゃありません。自分のせいで予定がキャンセルになったときもおかまいなしに、手足をバタバタさせてギャンギャン泣いていました。
だけど子どもが小さいうちはとくに体調を崩しがちで、予定通りにいかないことってありますよね。わが家も旅行前日に子どもの突然の発熱により、旅行を泣く泣くキャンセルしたことがあります。
それだけならまだともかく、それによって長男は癇癪を起こすのですからたまったものじゃありません。自分のせいで予定がキャンセルになったときもおかまいなしに、手足をバタバタさせてギャンギャン泣いていました。
前もって予定を言うのはやめた
そんなことが続き、私は子どもたちに前もって予定を伝えることをやめました。お出かけも旅行も、当日いきなり決行!です。夕飯の献立も前もって伝えるのはやめました。
これから大人になって生きていくうえで、急な予定変更などいくらでもあるでしょう。子どものうちにその耐性はつけておきたい、と思わないわけではありません。
かと言って、早急に身につける必要もないと思っています。少しずつ慣れていけばいいのです。
…とまあ要するに私は繰り返される長男の癇癪に懲りたのでした。
しかしながら当日いきなり決行することで「急な予定変更」とは無縁になり、長男の癇癪の頻度がグッと低くなりました。
長男も私もお互いにストレスが減ったように感じられているので、良しとしておいてください(笑)。
これから大人になって生きていくうえで、急な予定変更などいくらでもあるでしょう。子どものうちにその耐性はつけておきたい、と思わないわけではありません。
かと言って、早急に身につける必要もないと思っています。少しずつ慣れていけばいいのです。
…とまあ要するに私は繰り返される長男の癇癪に懲りたのでした。
しかしながら当日いきなり決行することで「急な予定変更」とは無縁になり、長男の癇癪の頻度がグッと低くなりました。
長男も私もお互いにストレスが減ったように感じられているので、良しとしておいてください(笑)。
現在はだいぶ軽減されたと思っていたけど…
そして現在小学5年生になった長男。予定変更への耐性はだいぶついた様子、と私は思っていたのですが、どうやら少しひいき目になっていたようです。
それは、学校でプールの授業が予定されていた日のことでした。長男は朝からプールの授業を楽しみに登校したのですが、プールの授業が始まるころに雨がぱらついてきてしまったのです。先生の判断により急きょプールは中止に。
朝から楽しみにしていた長男は急な予定変更に耐え切れずに、衝動的に教室にあった椅子を蹴ってしまったのです。
私は、長男が帰ってきたあと特別支援学級の担任の先生からの連絡帳でそのことを知らされ、ぼうぜんとしてしまいました。連絡帳に震える手でお詫びの文を書いたのを今でも覚えています。
それは、学校でプールの授業が予定されていた日のことでした。長男は朝からプールの授業を楽しみに登校したのですが、プールの授業が始まるころに雨がぱらついてきてしまったのです。先生の判断により急きょプールは中止に。
朝から楽しみにしていた長男は急な予定変更に耐え切れずに、衝動的に教室にあった椅子を蹴ってしまったのです。
私は、長男が帰ってきたあと特別支援学級の担任の先生からの連絡帳でそのことを知らされ、ぼうぜんとしてしまいました。連絡帳に震える手でお詫びの文を書いたのを今でも覚えています。
後日、学校に行く用事があったため先生にお会いし、お詫びの言葉と共に頭を下げました(ちなみに長男もその場にいました)。
先生は優しく笑って「お気になさらないでください」と言ってくれ、続けて「幸いにも椅子は誰にも当たっていない」ということを教えてくれました。とりあえず私は胸をなでおろしましたが、引き続き申し訳なさは消えませんでした。
家庭では急な予定変更が起きないように事前に工夫していましたが、事前の対応がしきれずに予定変更になることがあったとしても、長男はだいぶ落ち着いてきたと感じていました。しかし、この一件により長男は予定変更(特に楽しみにしていることの変更)はまだ苦手なんだ、ということを知りました。
先生は優しく笑って「お気になさらないでください」と言ってくれ、続けて「幸いにも椅子は誰にも当たっていない」ということを教えてくれました。とりあえず私は胸をなでおろしましたが、引き続き申し訳なさは消えませんでした。
家庭では急な予定変更が起きないように事前に工夫していましたが、事前の対応がしきれずに予定変更になることがあったとしても、長男はだいぶ落ち着いてきたと感じていました。しかし、この一件により長男は予定変更(特に楽しみにしていることの変更)はまだ苦手なんだ、ということを知りました。