「学校を休みたい」小3の7月から始まった登校渋り。小5になっても年々増える欠席日数…教育委員会とスクールカウンセラーに相談してみると?

ライター:星河ばよ
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特別支援学級に通う小6の長男(発達障害グレーゾーン)が登校渋りを始めて数年が経ちます。
昨年は年間で30日ほど学校を休みました。
年々右肩上がりに欠席日数が増えているように感じます。

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監修: 井上雅彦
鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
ABA(応用行動分析学)をベースにエビデンスに基づく臨床心理学を目指し活動。対象は主に自閉スペクトラム症や発達障害のある人たちとその家族で、支援のためのさまざまなプログラムを開発している。

登校しぶりの原因は何?

長男は、3年生の7月ごろから「今日、学校を休みたい…」と言うようになりました。

最初のうちは「分かったよ」と応じていました。
しかし、初めは1ヶ月に1回ほどだったのが週に1回になり、だんだん休む回数が増えてきたので私も対応に困ってしまい、
とりあえず「なんで休みたいの?」と理由を聞いてみることにしました。

すると長男の返答はだいたいこうです。
・今日の給食が苦手だから
・ママと一緒にいたいから
・外国語の授業が苦手だから


私にとってこの回答はなんとなく意外でした。てっきりクラスのお友達関係がうまくいっていないのではと思っていたからです。それなら登校渋りしてしまうのも無理ありませんから。
「今日学校を休みたい」という発達障害グレーゾーンの長男(小学3年生の7月ごろ)
「今日学校を休みたい」という発達障害グレーゾーンの長男(小学3年生の7月ごろ)
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「給食が苦手だったら残せばいいんだよ、残して大丈夫だから」と長男に言っても聞き入れません。担任の先生は給食を残しても怒りませんし、クラスのほかの子は給食を残すこともあるそうですが、長男はそれができないと言うのです(私は給食が大好きだったからまったく共感できないんだ、ゴメンね)。

「ママと一緒にいたいから」これを言われると私は何も言えなくなります。学校や家でいろいろストレスを抱えてるのかな、たまにはいいかなと思ってしまいます。

「外国語の授業が苦手だから」というのも悩みます。苦手でもなぁ…。中学、高校に行ったらどんどん難しくなっていく教科の一つだから、毛嫌いしないで受けてほしいのですが。
「今日も学校を休みたい」という発達障害グレーゾーンの長男(小学6年生の現在)
「今日も学校を休みたい」という発達障害グレーゾーンの長男(小学6年生の現在)
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特別支援学級の先生には欠席の際、連絡帳に欠席理由をありのまま書いていました。先生は優しく尊重してくれるのでありがたく感じています。個人面談のときも長男の登校渋りについて相談に乗ってもらっていました。

このようにこれまでの担任の先生とは連携をとって長男の様子をみていたのですが、登校渋りや欠席日数は年々増えるばかりで、ほとほと困っていました。

月に一度、休みたい日を自分で決めていいよ

あまりにも登校渋りが続いたので、私は一つの提案をしました。それは「月に一度、休みたい日を自分で決めていい」というもの。

長男はそれを聞くなり飛び跳ねて喜びました。さっそく給食の献立表を見て、思案したりする様子がほほえましかったです。大事に使うのかな?と思いきや、「さっそく明日休もうかな」と言い出しました。
もう、とにかく早く休みたいようです(それであとになって、すぐ休まなければよかったと長男はよく後悔しています)。
「月に1度、休みたい日を自分で決めていいよ」と提案する母
「月に1度、休みたい日を自分で決めていいよ」と提案する母
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教育委員会に相談してみた

長男が休みがちになって、私はどうしたらいいのか途方に暮れていました。

そんなとき学校から配布されたプリントが目に入ったのです。それは「市の電話相談」について書かれたものでした。懸命にサポートしてくれている特別支援学級の先生の手前、外部の人に相談していいものかすごく悩みましたが、藁にもすがる思いで電話しました。

するとつながったのはまさかの、市の教育委員会でした。わが子が登校渋りしていることを伝えると、優しくねぎらってくれました。私は教育委員会の人に怒られるのではとビクビクしていたので力が抜けてしまいました。そして、長男の担任の先生(特別支援学級)にコンタクトを取ってくれたのです。

その後、特別支援学級の担任の先生の提案で、学校のスクールカウンセラーの方と連携を取っていく、ということになりました。スクールカウンセラーの方は、長男と1対1で話を聞いてくれて、その結果、長男の本音を聞き出してくれました。
スクールカウンセラーの方が長男と1対1で話を聞いてくれて、その結果、私には言えなかったことを聞き出してくれました。
長男の話を聞いてくれたスクールカウンセラーの先生
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私は、長男が人間関係で悩んでいるけれど家族には言えずにいるのではと思っていましたが、人間関係ではなかったようです。前々から行きたくない理由として私に話してくれていた「今日の給食が苦手だから」「ママと一緒にいたいから」「外国語の授業が苦手だから」という3つが長男の本音でした。

給食を残すことについて、授業で習ったフードロスが頭をよぎってつらくなるようです。「それなら食べなよ。それができないなら割り切って残すしかないよ」と言いました。できれば「どっちもできないなら持って帰ってくればいい。お母さんが食べるよ」と言いたいです。学校の決まりで給食の持ち帰りはできませんが…。
次ページ「おわりに」

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