【医師監修】自閉症の薬、子ども用はある?リスパダール・アリピプラゾール(エビリファイ)など違い【ASD薬まとめ】
自閉スペクトラム症(ASD)の併存疾患に対する治療法や、処方される薬とは?このコラムでは、子どもの自閉スペクトラム症(ASD)の代表薬・衝動性や癇癪を抑える「リスパダール」「アリピプラゾール(エビリファイ)」、子どもの不眠に処方される「メラトベル」「ラメルテオン(ロゼレム)」などについて、医師監修で解説します。
自閉スペクトラム症(ASD)とは?治療方法はある?
このコラムで分かること
- ASD(自閉スペクトラム症)そのものを治す薬はないが、癇癪や睡眠障害などの「困りごと」を緩和する対症療法としての処方はあること
- 子どもの易刺激性(イライラ・衝動性)に処方される代表薬「リスパダール(5歳〜)」と「アリピプラゾール/エビリファイ(6歳〜)」の効果や違い
- 発達障害のある子どもの寝つきの悪さなど、睡眠リズムの乱れを整える「メラトベル」などの薬について
- 薬物療法はあくまでサポートであり、療育や環境調整と組み合わせて子ども自身が穏やかに過ごせる環境をつくることが目的であること
自閉スペクトラム症(ASD)の特徴は?
自閉スペクトラム症の症状は3歳くらいまでにあらわれることが多いと言われています。主に他者との社会的関係形成に困難さがあったり、言葉や発達の遅れ、興味・関心が狭く特定のものにこだわりがある、などが特徴です。知的障害を伴わない場合は、幼児期に気づかれず、成人期に症状が顕在化することもあります。
自閉スペクトラム症(ASD)の併存疾患に対する治療法は?薬で治せる?
癇癪、衝動性、こだわりなど個別の症状に対しては、まずは一人ひとりに合った環境づくりを行います。
早期から「児童発達支援」や「放課後等デイサービス」などの発達支援施設で療育的支援や適切な教育を行ったり、苦手なことに対する対応方法を工夫していくなどの特性に合わせたサポートで子どもが自分らしく成長していけるように環境を整えていくことが重要です。
投薬については、自閉スペクトラム症そのものを治す薬はありませんが、ある一定年齢以上であれば、自閉スペクトラム症(ASD)の特性によって起きることが多い、癇癪、衝動性、こだわり、睡眠障害など、社会生活を送るうえで困難を感じる症状に対して、薬が処方される場合もあります。
自閉スペクトラム症(ASD)ほか、神経発達症(発達障害)に処方されるのはどのような薬?
中枢神経刺激薬・非中枢神経刺激薬ーー多動性・衝動性や不注意などに作用する薬
・代表的な薬例:中枢神経刺激薬/コンサータ、ビバンセ 非中枢神経刺激薬/インチュニブ、アトモキセチン(ストラテラ)
抗精神病薬(定型抗精神病薬)・非定型抗精神病薬ーー多動・衝動性や、チック、こだわり行動、易刺激性などに作用する薬
・代表的な薬例:定型抗精神病薬/ハロペリドール、クロールプロマジン、ピモジド 非定型抗精神病薬/リスパダール、アリピプラゾール(エビリファイ)、オランザピンなど
抗不安薬・SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)ーー不安、心身症、抑うつ、こだわり行動、潔癖症、強迫性症状、場面緘黙などに作用する薬
・代表的な薬例:SSRI/フルボキサミン・エスシタロプラムなど
抗てんかん薬ーー気分変調、躁うつ、イライラなどに作用する薬
・代表的な薬例:ダイアップ、バルブロ酸ナトリウム、トピラマートなど
子どもの自閉スペクトラム症(ASD)の代表薬・衝動性や癇癪を抑える「リスパダール」「アリピプラゾール(エビリファイ)」
リスパダール
自閉スペクトラム症の症状のひとつの易刺激性(不機嫌、無視、怒りっぽさ、癇癪、泣き叫ぶ、暴力や暴言、器物破損、抑うつ気分、気分の変わりやすさ、自傷などの行動を起こしやすいなどの症状)を抑える作用があります。副作用として主に眠気や食欲増多などがあります。
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アリピプラゾール(エビリファイ)
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リスパダールとアリピプラゾール(エビリファイ)の違いって?
アリピプラゾール(エビリファイ)がドパミン神経系を安定させるのに対して、リスパダールはドパミンとセロトニンの両方に働きかけることで、ドパミン神経系に作用し、陽性症状、陰性症状両方の状態を抑えます。リスパダールは、原則として5歳以上18歳未満、アリピプラゾール(エビリファイ)は6歳以上18歳未満の子どもに使うことができます。また、子どもの体重に合わせて用法用量が定められています。
神経発達症(発達障害)のある子どもの不眠に「メラトベル」「ラメルテオン(ロゼレム)」
メラトベル
6歳から15歳までの神経発達症(主に自閉スペクトラム症)のある子どもに対して処方され、就寝前(寝たい時間の直前)に服用をします。
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ラメルテオン(ロゼレム)
就寝前(寝たい時間の直前)に服用をします。
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神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
知的発達症
知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。
ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
ADHD(注意欠如・多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
SLD(限局性学習症)
LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。