3歳児の発達チェックリスト。もしかして発達障害?と感じたら/小児科医監修

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3歳ごろになると、歩く、走る、跳ぶといった粗大運動のほか、投げる、蹴るといった複雑な運動機能がほぼできるようになるとされています。手指のこまかい動きも一通りできるようになるので、食事と排泄はほぼ自立するお子さんが多いです。靴や服の脱ぎ履き、お片づけなど、身の回りのことはある程度、言われなくても自分からするようにもなります。観察力が高まり、「なぜ?」「なに?」といった質問がたくさん出てきます。

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監修: 藤井明子
小児科専門医
小児神経専門医
てんかん専門医
子どものこころ専門医
どんぐり発達クリニック院長
東京女子医科大学大学院修了。東京女子医科大学病院、長崎県立子ども医療福祉センターで研鑽を積み、2019年よりさくらキッズくりにっく院長に就任。2024年より、どんぐり発達クリニック院長、育心会児童発達部門統括医師に就任。お子様の個性を大切にしながら、親御さんの子育ての悩みにも寄り添う診療を行っている。 3人の子どもを育児中である。
目次

3歳ごろの子どもの心と言葉の発達とは?

「おはよう」「ありがとう」などの挨拶を含め、コミュニケーションに必要な言葉をたくさん獲得し、言葉で人と関わる体験を積んでいきます。知的好奇心や観察力が高まって、「なぜ?」「なに?」と、ものごとの仕組みを知りたがります。

自分で多くのことができるようになり、着替えや片づけなど生活習慣に関しても、身体機能の発達と共に上手にできるようになることで、「何でも自分でできる」という思いが高まります。このことから、大人が手助けしようとするといやがる場面も見られます。

3歳ごろの友だちとのコミュニケーション

友だちと一緒に遊ぶようになりますが、ただ隣にいて同じ遊びをして過ごすこと(平行遊び)がまだ多いでしょう。友だちとは遊具を介しての関わり方が多いため、おもちゃの取り合いなどでけんかするといった関わり方が見られます。

それも、だんだんに友だちと分け合ったり、順番待ちしたりを覚えていくことになります。また、友だちがふざけていると一緒にふざけるといった様子も見られます。
こうした経験を重ねていく中で、だんだんとほかの子どもとの関わりが、子どもの生活や遊びに大切なものとなっていきます。やがて平行遊びから、共通したイメージを持てるようになると、ごっこ遊びを楽しむようになっていきます。

3歳ごろの子どもの体の発達や食事、排泄の目安

3歳ごろの身長と体重

3歳ごろの身長と体重は以下が目安となっています。
・身長
男児:88.8~105.8cm/女児:87.7~104.5cm
・体重
男児:11.72~18.82kg/女児:11.04~18.27kg
歩く、走る、跳ぶ、転がる、ぶらさがる、またぐ、蹴るといった基礎的な動作ができるようになります。手の動きとしては、押す、引っ張る、投げる、そっと動かすなどができるようになることで、生活に必要な基本的な動作が一通りできるようになります。さまざまな体の動かし方をやってみることで、自分の体のコントロール方法を学び、自分の身体感覚を獲得していきます。

3歳ごろの子どもの食事と排泄

身体機能と相まって、食事や排泄はほとんど自力でできるようになります。フォークやスプーンを使ってこぼさないように食事をすることができ、箸を使うことに挑戦できるようになる子どももいます。味や食感の好き嫌いには個性がありますが、成長と共に食べられるものが増えていくと考えて、嫌いなものを強要しないようにします。家族と一緒に楽しく食べることを大切に考えたい時期です。

排泄は、感覚機能と言葉と身体機能の3つが成長することで、ほぼ自分でできるようになります。ただ、間に合わなくて漏らしてしまうなど失敗や、おしりをうまく拭けないなど、まだ完璧にはできないこともあります。失敗しても決して叱らず、できたときに褒めて、だんだん成長するのを待ちましょう。
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心、言葉、コミュニケーション、粗大運動、微細運動の成長目安は?3歳児発達チェックリスト

3歳児発達チェックリスト
3歳児発達チェックリスト
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通院の目安や、3歳児健診の検査項目、「もしかして発達障害?」と感じたら

参考:保育所保育指針解説|こども家庭庁
https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/eb316dce-fa78-48b4-90cc-da85228387c2/f4758db1/20231013-policies-hoiku-shishin-h30-bunkatsu-1_24.pdf
友だちと一緒にいることが多くなることで、発達の遅れが見えやすくなってくるかもしれません。どんなところがポイントとなるのでしょうか。

もしかしたら病気かも?通院の目安

3歳になると、幼稚園に通い始める子どもも多いでしょう。体力や免疫力は赤ちゃん時代よりもあるとはいえ、新しい集団生活が始まると、初めて出遭うウイルスや菌によってさまざまな感染症に次々とかかることがあります。風邪やインフルエンザ、夏風邪と呼ばれるヘルパンギーナ、アデノウイルス、手足口病など、また、おたふく風邪や麻疹、りんご病、水ぼうそうなどもあります。いずれも、発熱する病気では、急激に体温が上がることがあります。

感染症以外に、アトピー性皮膚炎、虫刺され、水いぼ、とびひなどの皮膚の病気もあります。ご自宅でのスキンケアでなかなかよくならない場合には、小児科、皮膚科に相談しましょう。また、病気だけでなく、動きが活発になり行動範囲が広がる分、ケガにも注意が必要です。怪我や事故にならないような環境を整えていきましょう。

気をつけたい病気の症状

3歳児健診では尿検査を行いますが、腎炎・ネフローゼ、糖尿病などの病気の一部を発見するために重要な検査です。尿検査の尿が出せない場合などは、かかりつけの小児科に相談しましょう。突然意識がなくなったり痙攣が起きたり、動作停止してぼーっとする「てんかん」などにも注意が必要です。
参考:年代別・世代別の課題(その1)|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000500775.pdf
参考:保育所における感染症対策ガイドライン(2018 年改訂版)|こども家庭庁
https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/e4b817c9-5282-4ccc-b0d5-ce15d7b5018c/d557529d/20230401_policies_hoiku_15.pdf
参考:白河市 保健福祉部こども支援課
https://www.city.shirakawa.fukushima.jp/page/page000412.html

もしかして発達障害?と感じたら

3歳代では、3歳児健診があります。3歳児健診では、身体の発育状況や病気の有無と共に、精神遅滞や発達障害などを視野に入れて観察します。この健診はテストではなく、その子の状態を知ってその後に生かすために行われます。

3歳児健診での検査項目

・身体測定
・視力検査
・聴覚検査
・歯科検診
・尿検査
・行動観察
・診察(身体の発達、心や言葉の発育)
・問診・保護者への質問
など

保護者への質問や、子どもの様子の観察

子ども本人への問診のほかに、保護者への質問があります。子どもの普段の様子から、育児について保護者が疲れすぎていないかといったことも聞かれるでしょう。それと同時に、健診の間の子どもの様子なども観察をしています。

発達が気になったときには

検査項目や子どもの様子などに気になる点があったからといって、すぐに発達が心配されるわけではありません。また、その日だけの様子ではなく、家庭での様子が大切になります。こだわりが強くてひどい癇癪を起こす、気に入らないことがあると泣き叫ぶ、友だちと一緒にいても関心を示さない、家族以外の人となかなかなじめず集団行動が難しい、などといった傾向が普段から見られるようであれば、3歳児健診の際に相談をしてみましょう。健診の際に相談できなかったときは、次のような相談先で、相談をしてみるのもよいでしょう。

発達が遅れているかも?と思ったときの相談先

もし発達の遅れが見られるときには、かかりつけの小児科医でまず相談してみましょう。あるいは、次のような地域の相談窓口を活用しましょう。

保健センター

公的機関であり、健康や保育に関する地域の相談窓口のような場所です。各種の健診、発達相談などを行っています。引っ越したばかりなど、どこに相談していいか分からない場合にも地域医療とつながる最初の窓口となります。

児童発達支援センター

保健センターと同様に公的機関ですが、子どもの発達支援に特化した窓口となります。発達相談をしたのちに、児童発達支援センターでもっと具体的な子育てについての相談などができます。
参考:児童発達支援センターの位置づけについて|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/000791881.pdf
参考:国立障害者リハビリテーションセンター
http://www.rehab.go.jp/ddis/aware/baby/check/
参考:軽度発達障害児の出現頻度:8.2~9.3%5歳児健診で発見された児の半数以上は3歳児健診を通過していた|厚生労働科学研究成果データベース
https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/2006/063021/200620014A/200620014A0004.pdf

家庭でできる関わり  

地域の相談窓口に行くことで解決の糸口を見つけると同時に、日々の生活の中でできることもあります。

自己主張が激しいときなど、イライラするとき

自己主張をするのは成長したからこそと分かってはいても、言うことをなかなか聞いてくれなかったり、また何度説明しても「なぜ?」「なに?」と聞かれると、大人もイライラして余裕がなくなってしまうかもしれません。つい叱りたくなるかもしれませんが、そんなときは、一時的にその場を離れる(違う部屋やトイレに行く)、深呼吸を数回する、水を飲むなどして、大人の側が気分転換を試みましょう。

効果的な声かけの工夫

子どもに声をかけるときには、自分自身の心を落ち着けるためにも、穏やかな口調で、子どもの視線の高さに合わせて、子どもの目を見て話します。静かな声で、危険なことなどやめてほしいことをしたときにはきっぱりと、褒めるときにはやさしく話します。自分の気持ちがうまく説明できない様子の子どもには、「○○したかったんだよね」「○○な気持ちだったのね」と共感しながら話します。

保護者としてこうした心がけをしたくても、あまりに動きが激しくて追いかけきれない、すぐに癇癪を起こして手がつけられなくてヘトヘトになるといった場合には、やはり小児科や地域の発達相談で相談しましょう。

まとめ

体も心もできることの機能がととのい、周りの人と自分の区別がついてコミュニケーションを楽しめるようになってくる3歳代。友だちと一緒にいることが増える時期だからこそ、少し気になることにも気づきやすい年齢です。体力的にも運動能力的にもますます成長するころだからこそ、保護者が振り回されてしまうこともあるかもしれません。頼れるところを見つけて、家族だけでなく、多くの目と手で子どもを育てていきましょう。
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(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
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