発達障害兄妹、バラバラの場所で災害にあったら?避難所にいられる?わが家の防災ノウハウ大公開

ライター:寺島ヒロ
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いざ災害ともなると、食料や水の確保や安全な場所への移動など、障害のあるなしにかかわらず大変なことがたくさんありますが、障害のある子どもがいると特に心配になることがあります。今回は心配性な私が日々心がけていることを書かせていただきました。

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監修: 新美妙美
信州大学医学部子どものこころの発達医学教室 特任助教
2003年信州大学医学部卒業。小児科医師として、小児神経、発達分野を中心に県内の病院で勤務。2010年信州大学精神科・子どものこころ診療部で研修。以降は発達障害、心身症、不登校支援の診療を大学病院及び一般病院専門外来で行っている。グループSST、ペアレントトレーニング、視覚支援を学ぶ保護者向けグループ講座を主催し、特に発達障害・不登校の親支援に力を入れている。 多様な子育てを応援するアプリ「のびのびトイロ」の制作スタッフ。

発達障害っ子の災害対策! わが家の防災ノウハウ大公開!

私は、もともと「何かあったらどうする?どうなる?」と考える性格。いざというときに、持ち出すものに迷ってぐずぐずしないようにするため、お薬手帳や、保険証、病院の診察券は常にまとめて、持ち出しやすいようにしてあります。
保険証、母子手帳、お薬手帳、医療機関の診察券などは保険証入れにまとめていれて、障害者手帳、薬、レインコート、タブレットと一緒にひとまとめにして、持ち出せるようにしています。
障害者手帳や薬、母子手帳などが入った保険証入れと一緒にひとまとめにし、持ち出せるようにしています。
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バラバラな場所で被災したら

わが家の凸凹きょうだいは、現在、兄タケルが大学院生、妹いっちゃんが通信制の高校生。比較的家にいることが多く、くっつき合って暮らしているので、もし地震などがあってもお互いを探し合うことはあまりないかもしれません。
 
しかし、頻度は低いですが、タケルはフィールドワークで1人で遠くに出かけることもありますし、いっちゃんも友達と遊びに行くこともあります。もしそういうときに大きな災害に遭ってしまったら、不安でその場から動けなくなったり、逆に慌てて動き回ったりして危険かもしれないなと思います。

位置情報が分かるアプリを活用

集団で被災したときは、指示されたことを理解できなかったり、何か手伝いを任されてもうまくできなかったりして、ほかの人に迷惑をかける可能性もあります。
 
そういうことも考えて、一刻も早く合流できるよう、いつも持っていスマートフォンやタブレットに家族全員がお互いの居場所が分かるアプリを入れています。わが家で使っているアプリは、そのスマホやiPadがある場所を「だいたいこの辺にあります」と地図上で表示してくれるものです。普段から「動けなくなった!」などのSOSを受けて探しにいくときも便利に使っています。
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お出かけのときには必ず障害者手帳を

また、バラバラに被災したとき、身元を分かるようにするため、出かけるときには障害者手帳を常に携帯するようにしています。もちろん、帰ってきたら「元の位置」に戻すようにします!

避難所暮らしはどうなる?

災害復旧がすぐにできない場合は、避難も考えないといけません。
 
しかし、わが家の凸凹きょうだいは、基本1人になりたい時間が長いので、ほかの人と一緒の環境で寝泊まりするのは難しそうです。特にタケルは緊張が高まるとしゃべり続けてしまう可能性も高いですし、一緒にいる方々に迷惑をかけてしまうかもしれません。

基本的には自宅避難

基本的には家でできるだけ粘ろうと思っているので、乾物や缶詰はいつも1週間分ほど買い置きしてあります。
台風が接近した時などは2日分くらいの買い物に行ったり、車にガソリンを入れに行ったりする。また、風呂に水を溜めること、2~3日分の服をスーツケースに詰めるなど、「自宅避難」のためにやることを普段から決めておいて各自実行!
「自宅避難」のためにやることを普段から決めておいて各自実行!
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また、避難のための移動や、避難所暮らしが難しい場合に簡易寝所として使うため、何がなんでも自家用車(軽ですけど)を維持しようと思っています。わが家の家計においては、本当に大きな負担ではあるのですが……日ごろの送迎にも使いますし、車があると夜間の時間を有効に使えるというのもありますから、なんとか頑張っています。

普段からちょっと気をつけていること

災害対策というわけではないですが、地域での繋がりをつくるために、ちょっとだけ心がけていることがあります。
それは、地元の夜中のコンビニに行くこと。
 
夜中に行くと店番しているのは大体経営者家族の誰か、つまり、元々地域に住んでいた人だったりするんですよね。特に深夜でもお酒を販売している店は、ずっとその地域で塩屋や酒屋を営んでいた一家の可能性が高いのです。
 
特に仲良くなろうと意気込むことはないと思うのですが、ときどき買い物に行って丁寧に会話して「この辺に住んでいるのだな、子どもになにか障害があるみたいだ」と覚えておいてもらえるようにします(行き帰りの夜道には気をつけて!)。
もちろん助けてもらうことばかり考えるわけにはいかないので、こちらも近くのお店の人や、人の顔は覚えるようにするし、地域のイベントの手伝いを頼まれたら引き受けたりもします。地味ですが、こういうことがいざというとき、お互いの助けになるんじゃないかなと思って、日ごろから心がけています。
執筆/寺島ヒロ

(監修:新美先生より)
災害時のための備えについて教えて下さりありがとうございます。とても具体的な内容で、分かりやすく、わが家でどのような対策が必要かについて考えるきっかけにもなりました。

災害時という「普段と違う状況」というのは、発達の偏りがある人にとって、通常よりもさらにストレスがかかりやすい状況で、実際にその時はそれなりに苦労することが予想されます。それでも、一人ひとりの特性にあった対策を立てておいて、いざというときにも乗り切っていくしかないですね。

お子さんが成長して行動範囲が広がっているなら、GPSを使った位置共有アプリなどを設定しておくのはとてもいいですね。突発的な出来事がおきるとパニックになって連絡がすぐにとれないということもあるかもしれません。災害時は電話が繋がりにくくなることがあるかもしれないですが、位置共有アプリならデータ通信が生きていれば場所が特定できてお互いに安心ですね。

避難所生活が、発達の偏りのあるタイプの人にとって可能かどうかは、その方の特性にもよりますが、他者との距離が近く人が多くざわざわしている避難所には入れない方もいると思います。自家用車や、テントなどを活用することを考えて準備しておくことは大事ですね。また、非常事態では、口頭でいろいろ説明するとかえって不安が増しやすく、書いて見せて伝えたほうが伝わりやすいという方もいます。筆談セットなどを用意しておくのもオススメです。

寺島さんのご家族は、家族一人ひとりが災害時に備えて準備したり、役割を分担したりしているのはとても素晴らしいです。この記事を読んで、わが家ももう少しいざというときのための対策をしておかなければいけないと反省しました。ありがとうございました。
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。

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